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トマトを吸う。



シェイクを初めてのお店で飲むとき、頑なにバニラを選択してきた。ラーメン屋さんの塩ラーメンのごとく、最初はベーシックなのを飲んでこそ、そのお店のシェイク事情を知ることができると考えるからである。


しかし道の駅や直売所の場合、『特産品である野菜や果物のフレーバーのほうがそのお店の最大出力を味わえるのではないか』と思い始めた。


牛乳も近郊のものを使っている可能性は大いにあるが、それは他の個人経営店でも同じ。自慢の特産品を使ったラインナップを無視するのはもったいない。珍しい味飲んでみたい(あふれ出る本音)。


ということで、今回はフレーバーシェイクを飲んできた。



トマトシェイク(330円)


本日の主役はトマト。
函館の隣町、北斗市の特産品のひとつである。


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トマトシェイクを販売するのは、JA新はこだてが運営する「あぐりへい屋」。


約10年前にトマトソフトクリームを食べたことはあるも、シェイクは初。すっきりした味だった記憶はあるものの正直よく覚えていないので、まっさらな気持ちで挑んでいく。


ちなみに製作過程が最後だけちらっと見えたのだが、容器に入ったシェイクをカップへ"ぼてぼて"とヘラで入れていた。


機械でウイーンとやるのではないのか!という驚きと、より作り立てを楽しめるのか!というワクワク感、これは粘度高めだぞ!という期待で胸がいっぱい。ベースとなるバニラ味のアイスがあって、そこにトマトやブルーベリーといったフレーバーを入れて混ぜるのかしらん……そんな想像も膨らませながら、シェイクを吸い込んでいく。




口に入ってすぐ、脳が驚きで活性化する心地がした。甘いより先に、酸っぱい!


言ってもシェイクなのでメイン甘みのサブ酸味かと思いきや、酸味が圧倒的エースだった。


例えるならガスパチョのよう。冷製トマトソースにしても良さそうな爽やかさである。トマト好きはもちろん、アイスとか甘ったるくて苦手なんだよね、という人でも美味しく飲めるんじゃなかろうか。



さすが農協。トマト本来の味わいを最大出力で表現しようという気概が嬉しい。その勢いで秋にかぼちゃ出してくんないかな……。北斗市の名産品には数えられていないから望み薄だけど。


制作風景からの推測通り、だいぶ固形に近い飲み心地。でもちゃんと吸えるし、なめらか。そしてシャリシャリ感はほぼない。やっぱり私はこういう”もったりなめらか”が好きみたいだ、という思いを改めて抱く。ヘラで作っているところ、情報お待ちしています(?)。

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食べ歩きスイーツ、観光の定番、といった点でソフトクリームに遅れをとるシェイク。


しかし、溶けたときのリスクはソフトクリームより低いし、剥き出しじゃない分食べ歩き・持ち運びもしやすい。なにより「食べる」に比べて「飲む」というのはハードルが低い(それは私か)。



ソフトクリームのように、その土地の名産品を使ったシェイクが今後もっと増えてほしい。そう思いながら、駐車場の車内でひとり、ズゾゾゾーっと盛大な音を立てて吸い切ったのだった。







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