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見知らぬ誰かのために、本を選ぶ


その日、久しぶりに書店の絵本コーナーを隅々まで真剣に眺めていた。
自分のためではなく、知り合いのためでもなく、どこかの誰かのために。



ブックサンタというプロジェクトをご存じだろうか。
経済面、災害、その他様々な理由で厳しい状況に置かれた子どもたちに本を届けることを目的に、全国のNPOと書店が連携して取り組んでいる。2017年から続いているようだが、恥ずかしながら私はつい先日知った。


(↓詳しくはこちらのサイトをチェック!)

 

全国にある「パートナー書店」、あるいは専用の「オンライン書店」で本を選び、全国の書店の場合はブックサンタに参加する旨を伝えて購入すればOK。改めてどこかに送る必要もなく、書店あるいは家で完結できる。対象年齢は乳児から中高生なので、選べる本の幅も広い。

目標冊数は6万冊だが、12月6日時点で2万5千弱らしい。思ったより全然進んでいないのでは……。今年からクリスマス以外に誕生日などの特別な日にも送ることになったらしいとはいえ、当初の〆切がクリスマスイヴだったのを考えると、それまでに達成できることを願うばかりだ。


と、こんなに紹介しておいてなんだが、私は親からブックサンタの存在を教えてもらったばかりで、そして本を選ばせてはもらったが、実際に買ったのは親である。自分でも買えばよかったかな……。とはいえ、自分も欲しくなったくらいの熱量で選んだことは確かである。



私が選んだ本は『クマとこぐまのコンサート』(作:デイビッド・リッチフィールド/訳:俵万智 ポプラ社)。


実はこのシリーズは前に二冊あるのだが、最初にこれを手に取ってしまい、そして他の二冊よりも気に入ってしまったので、少し悩んだが決定することにした。一冊ごとに完結しているし、三冊目のみでも違和感を全く感じなかったので、大丈夫ということにさせておくれ……。

(ざっくりしたあらずじ)
ピアノを弾くことが大好きなクマのブラウンは、故郷の森から街へ行って大スターになる。しかし時が経つにつれてその日々に陰りが見え始め、そしてとうとう引退を決意して森に帰るが……


まず、イラストが全ページにわたって感動するくらい綺麗。風景は色彩豊かで、細部まで抜かりない描き込みとグラデーションが広がり、キャラクターも活き活きとしている。

そして文章にもスッと引き込まれ、ブラウンの喜びや苦悩と言った感情がひしひしと伝わってきた。グッとくるポイントはいくつかあったが、ラストにかけてはすごくジーンときたな……(余韻に浸るな)。


対象年齢は4歳から7歳らしいが、それ以外でも楽しめるし、なんなら大人の方が沁みる可能性もある本だった。


ブックサンタさん、新しい本との出会いをありがとう。
そして、この本が誰かに届き、楽しんでもらえますように。


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