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鍼灸黙示録~カイロ~

今日も鍼灸整骨院にいきました。
連日、似たような話で恐縮です。

(と言っても、こんなnote誰が読むねんっていう話ですから誰も気にしないとは思いつつ、「ただ毎日何かを書く」ということを続けるこのモチベーションはどこから来ているのか自分でもわかりません)

激痛はなくなったものの、痛みはまだあの頃の初恋のようにチクチクとさすものですから、引き続き治療は続くとのことです。

今日は「お灸を据えましょう」と先生にいわれ、ついに私の悪事もここまでか、と観念したところから始まったのですが、何のことはないうつ伏せに寝させられて背中に火をつけたお灸を乗せられる方のやつでした。治療です。

人生で多分初めてお灸してもらったんですけど、たぶん、たぶんですよ?
あれ、直に肌燃やしてませんか?

最初はほんのり遠赤外線みたいにあったかくなり、ぽかぽかと気持ちよさが広がって眠くなってきた刹那、燃えるような熱さが背中を襲いました。

「熱っ」とめちゃめちゃ小さくつぶやいたのですが当然何も変わらず、さらに小さい音で舌打ちをしてしまいました。

先生はそばにいてくれなかったので、我慢するか、自分でお灸を取り除くかの二択でしたが、当然我慢するしかありませんでした。

私は熱さに悶えながら、自分の背中に何が乗せられているのかわからない、という事実に恐怖を抱きました。

亀ですら、自分の背負った甲羅の表面をみることはできません。
バキバキに割れた甲羅だとしても、彼らはそれに気が付くことなく1万年生き続けるのです。

背中に乗っているのは本当にお灸なのか?アツアツに熱した石とかでは?それとも「帝愛」と刻まれた焼印?もしかしたらこの鍼灸院の地下で一生働かされるのでは…などあらゆる事態を想定してしまいました。

せめて、ここに来る前にキンキンに冷えた缶ビールと柿ピーで一杯やってくるんだった…と震えていたところ、トネガワ、いや先生が入ってきました。

私の背中から焼印を一つずつ剥がしていくその手つきは、これまで何度となくこの拷問がおこなわれてきたことを想像するのには難くないほど、悪魔的にスムーズでした。
うつ伏せに震えていた私ですが、観念して顔をあげます。

「どうぞ、肩を回してみて下さい」

ざわ…ざわ…

にやりと微笑む先生の顔をみることができず、こわばりながら肩を回してみました。
ぐるんぐるん回りました。全盛期のシコースキー(ロッテー巨人)を彷彿とさせるほどでした。

これで地下労働も頑張れそうです。
トネガワ先生ありがとうございました。

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