誰も愛さず自分の為だけに省エネで生きる。最低限度の生活を送る中国の若者「寝そべり族」とは。
twitterのタイムラインに流れてきたニュースでちょっと気になる話題があったので、今日はその話について書きたいと思います。
なんの話かと言うと、「寝そべり族」の話です。
言葉のインパクトすごいですよね。
寝そべり族。
寝そべる人たちです。
これは講談社のオンライン雑誌クリーエジャポンのサイトで紹介されていた中国の話題なんですが、中国の若者の間で、向上心がなく消費もしない、寝そべっているだけ主義の「寝そべり族」が増えている、と言う内容でした。
寝そべり族とは、"マンションも車も買わず、結婚もしないし必要な消費しかしない。最低限度の生存レベルを維持し、他人の金儲けの道具や搾取される奴隷になることを拒絶する人たち" のことを指します。
「寝そべる」と言う意味の中国語「躺平(タンピン)」は最新の流行語にもなっていて、そのムーブメントは中国当局を不安にさせ、中国メディアが火消しに走るほどだとか。
ほんとかいな?と思う部分もありますが、こういう若者が増えているんだろうなと言うことは容易に想像できます。
日本にも同じような考え方や似たような生活を選択している人はいそうですしね。
世界の国々が同じような社会問題を抱えていると言うことなのでしょう。
このブームの火付け役で、”寝そべり学の先生” とされている男性は、次のように話しています。
「2年も仕事をしていないが何も間違っているとは思わない。
1日2食にすることで食糧問題は解決した。
食費は毎月200元以内に抑え、お金がなくなれば1年のうち1ー2ヶ月仕事をする。
普段は家で寝そべり、外で寝そべる。猫や犬のように寝そべっている」
200元って言うのはだいたい3500円くらいでしょうか。
これくらいで1ヶ月食べていけるって言うことは、多分北京や上海などの大都市圏で生活している人の話ではないと思われます。
また、次のようにも語っています。
「私は自分の考え方を作り出す。寝そべることは私の賢者の行動で、
寝そべっている時だけが、人間が万物の尺度たり得るのだ。」
さすが、先生の言葉の重みは違います。
中国でも、日本や他の多くの国と同じように不平等感が深まっていて、生活を送る上で多くのストレスやつまづき、閉塞感を抱いている人少なくないと言うことなのでしょう。
記事には、「自分の人格と尊厳を守るために寝そべって最低限度の生活状態を維持する。寝そべりは、一種の無力感、一種の不屈さの現れである」と言うようなことが書かれています。
土手のような場所に6人位がほぼ等間隔で並んで寝そべっている写真が添えられていますが、寝そべりを支持する若者たちは、同じように共感する人が自分以外にもリアルに存在することに、きっと安堵の気持ちを抱いていることでしょう。
しかし、これからの国の経済を牽引する存在である若者にこう言った寝そべりムードが広がることを当局は不安視し、メディアもその動きを糾弾しているとか。
まあそうなるよね、と思います。
しかし、彼らがやるべきことは、その社会的な背景や若者の心情を想像し寄り添うことであって、寝そべりの精神を批判することではないような気もします。
「寝そべり族」について上海に住んでる友人にちらっと聞いてみたところ、
少なくとも上海では見かけたことは無いと言うことでした。
確かに、上海にはむしろ「バリバリ働くぜ!」と言う感じの人が集まっていそうですし、物理的に寝そべるところもそうなさそうなので、あまり「寝そべり族」は発生しない気がします。
深センなんかでも、寝そべってる人はあまり受け入れられなさそうなイメージです。
寝そべるよりジョギングしてる人の方が多そうですよね。
私の勝手な印象ですが。
美味しくって辛い料理でおなじみの四川省は、昼休憩も長かったりするなどやややる気のない雰囲気があるらしく、もしかしたらそう言う地域には「寝そべり族」は親和性があるかもしれません。
クーリエジャポンの記事には、中国のどういった場所でムーブメントが起こっているかなど細かい記載はなかったので想像でしかありませんが、「中国」と一言で言ってもあれだけ広大な土地だと、地域によって生活様式も考え方も様々でしょうから、こう言う「流行」みたいなことも各地で頻発してそうな気もします。
もしかしたら「寝そべり族」が気になった方がいらっしゃるかもしれないので、ニュースサイトのリンクを貼っておきます。
寝そべってばかりでは生きていけなさそうですが、明日からも頑張りましょう。
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