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20060715 大文字小文字

 ローマ字の大文字、小文字を英語でそれぞれ「upper case$${^{*1}}$$」「lower case$${^{*2}}$$」という。この場合の「case」は、「場合」とか「事例」という意味で、「upper case」「lower case」は「上の場合」「下の場合」と言った意味から派生した言葉と思っていた。つまりタイプライター$${^{*3}}$$やパソコンの鍵盤$${^{*4}}$$などで「shift」を押しながら鍵を打つと大文字が打てる$${^{*5}}$$。タイプライターでは「shift」を押すとプラテンplatenと呼ばれる紙を巻き付けるゴム製の筒$${^{*6}}$$が上に動いて大文字が印字できるようになる。大文字がまさしく「上の場合」である。

 由来は全く違うことを最近知った。「upper case」「lower case」というのは印刷用語で、活字を入れる箱$${^{*7}}$$の配置において、上が大文字、下が小文字$${^{*8}}$$になっていたことが由来$${^{*9}}$$らしい。従って「case」の意味は「場合」ではなく、「箱」の方だった。

 コンピュータ用語で「case change$${^{*10}}$$」という言葉があるようだ。大文字小文字を入れ替えること$${^{*11}}$$らしい。

 goo辞書でこの言葉を調べると「場合」の方の「case」の用例として挙げられている$${^{*12}}$$。私と同様の勘違いをしている。因みに「場合」の「case」と「箱」の「case」とは綴りが同じだが、語源が違う$${^{*13}}$$。前者$${^{*14}}$$は落ちることを意味するラテン語の「casus」からで、後者$${^{*15}}$$は箱を意味するラテン語の「capsa」らしい。余談だが、カプセルcapsuleはcapsaが語源である$${^{*16}}$$。

*1 upper case - goo 辞書
*2 lower case - goo 辞書
*3 Welcome to the Virtual Antique Typewriter Museum
*4 20060616 中古パソコンの購入(7)
*5 第47話 そのキーは誰のために?
*6 Typewriter Parts
*7 「歴史の文字 ──記載・活字・活版」展
*8 Type cases
*9 The King Library Press Typecases
*10 case changeの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
*11 Change Case of Files and Directories Names: lower, upper
*12 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書
*13 Online Etymology Dictionary
*14 case 1. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*15 case 2. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*16 capsule. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.

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