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20090209 SSD

 SSD$${^{*1}}$$と呼ばれるものがある。パーソナルコンピュータ用の装置でハードディスクドライブ$${^{*2}}$$の替わりになる。

 ハードディスクはその名の通り内部に磁性体を薄く塗布した金属製またはガラス製の簡単には折り曲がらない硬い円盤$${^{*3}}$$が入っている。コンピュータのデータはこの円盤へ磁気的に記録$${^{*4}}$$されるようになっている。SSDは円盤の替わりに半導体メモリーを用いてデータを電気的に記録$${^{*5}}$$する。

 SSDは「Solid State Drive」の頭文字である。「Solid State」とはもともと「固体状態」という意味だ。ハードディスクも固体であるにも関わらず、それが何故、半導体メモリーを使った記憶装置の名前になったか。

 トランジスタなど半導体を用いた電子部品を「solid state device」と言う。これが転じて半導体を用いた装置を「solid state」と言うようになった。そして磁性体を塗布した磁気ディスクの代わりに半導体メモリーを使ったという意味で「Solid State Drive」という言葉ができた。

 それでは「solid state」はどこから来た言葉か。真空管$${^{*6}}$$に対しての言葉だった。トランジスタは真空管に取って代わる全く新しい電子素子として発明された$${^{*7}}$$。空気を抜いたガラス管の中を電子が飛んでいく真空管に対してトランジスタは半導体という固体の中を電子が移動する$${^{*8}}$$。そこで前者を「gas state device」後者を「solid state device」と呼ぶようになった。もしかしたら真空管を「gas state」と呼ぶのは日本だけ$${^{*9}}$$かもしれない。

 何れにしても「solid state」は元々真空管に対する意味なので、磁気ディスクに対して使うのは変だ。そもそも磁気ディスクも歴とした「solid state固体状態」であるから、ハードディスクドライブも「SSD」である。「SMD」Semiconductor Memory Drive$${^{*10}}$$(半導体メモリードライブ)で良かったはずだ。

*1 SSDとは 【フラッシュドライブ】 (Solid State Drive) - 意味・解説 : IT用語辞典
*2 ハードディスク基礎知識 - ハードディスク総合サイト
*3 ハードディスクのしくみ(仕組):データ復旧・ハードディスク復旧・HDD復元サービスのブレインネットワーク
*4 第29回「テープレコーダの磁気ヘッドと磁性粉」の巻|じしゃく忍法帳|TDK Techno Magazine
*5 パソコンの基礎知識 > メモリ > メモリの種類
*6 20020711 真空管式カーオーディオ
*7 20001001 トランジスタ
*8 ctronics Museum---
*9  ガスステート(gas state)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書
*10 Semiconductor memory drive - Patent 4405995

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