見出し画像

20031211 コウモリダコ

 学術的にタコ$${^{*1}}$$とイカとを分けるのは余り意味がないと言われる場合があるらしい。タコとイカとは頭足類$${^{*2}}$$と呼ばれる。頭の部分から直接足が生えているのでそう呼ばれている。頭足類にはタコ、イカの他にオウムガイ$${^{*3}}$$も含まれる。

 タコとイカとをあえて区別するのなら、昔から知られているのは足の数の違いである。しかしこれは決定的ではないらしい。

 ヒラメとカレイとの区別で「左がヒラメで右がカレイ*$${^{*4}}$$」というのがあるが、ヌマガレイ$${^{*5}}$$は$${^{*6}}$$である。同様にイカの仲間にもタコのように足が八本しかないのがいるらしい。タコイカ$${^{*7}}$$やヤツデイカ$${^{*8}}$$は八本しかない。

 足の数の他に区別の仕方で「耳」があるかないかもあるが、ヒゲナガダコ$${^{*9}}$$やメンダコ$${^{*10}}$$には耳がある。吸盤に「歯」があるかないかというのもある。タコの吸盤には歯はないが、イカの吸盤には細かい歯が付いている$${^{*11}}$$。

 これだけ外観による区別の方法があるにも関わらず、イカ、タコどっちとも言えないのがいるらしい。コウモリダコ$${^{*12}}$$である。和名の由来は、身を守るためにスカートの様に足をまくり上げた姿$${^{*13}}$$がコウモリ似ているからそう名付けられたのか、「vampire squid$${^{*14}}$$」のvampire$${^{*15}}$$の直訳からか。日本語では「タコ」だが、英語は「イカ(squid)」である。

 コウモリダコはイカの触腕$${^{*16}}$$のような触手$${^{*17}}$$を持っている。数えようによっては「足が十本」ということになる。しかもイカのように「$${^{*18}}$$」まであるらしい。

 これだけイカのような特徴があるにもかかわらず「タコ」という名前になったのは何故だろう。全体の様子がメンダコ$${^{*19}}$$に似ていたからだろうか。

*1 20010812 蛸
*2 頭足類(イカ・タコ)
*3 アンモナイトはどのような生物であったか :: 化石の美と科学
*4 ヒラメとカレイの見分け方
*5 ヌマガレイ
*6 ヒラメとカレイの目の位置
*7 WEB版 原色世界イカ類図鑑 Plate 35 GONATIDAE テカギイカ科 139. タコイカGonatopsis borealis Sasaki, 1923
*8 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 開発調査センター タイセイヨウヤツデイカ(新称)
*9 ヒゲナガダコ(Cirroteuthis muelleri)・川崎悟司イラスト集
*10 市場魚貝類図鑑 軟体類 メンダコ科
*11 イカの吸盤とタコの吸盤 | 魚殿 | 富山湾の鮮魚・海鮮物等を産地直送でお届けする通販サイト
*12 Vampyroteuthis
*13 In search of the 'white ghost'--the giant squid
*14 20000518 いか
*15 Biogeography of Vampire Bat
*16 イカコーナーTOP イカの体
*17 Vampyromorpha
*18 海辺の自然7月 イカの甲
*19 インパク静岡県パビリオン|ワンダーワールド博物館 深海の底に生きる生物たち メンダコ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?