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20061017 虚構の現実化

 「Computer Graphics Special」と題されたレーザーディスク$${^{*1}}$$が家にある。1986年に制作されたもので、1950年頃からこのレーザーディスクの制作当時までのコンピュータによる画像製作$${^{*2}}$$の歴史を解説している。PIXAR$${^{*3}}$$の初期の作品$${^{*4}}$$やRobert Abel and Associates$${^{*5}}$$が作成したスティーブン・スピルバーグ制作の連続テレビジョン番組「AMAZING STORIES$${^{*6}}$$」の番組開始部分の制作秘話が収録されている。「AMAZING STORIES」の開始部分は四十五秒間で三十七個もの様々な物体が画面に登場しては消えていく。この多くの物体が次々と登場する導入部分の形式は日本のテレビジョン番組でよく見られる。 

 コンピュータでは様々な画像を加工することができると説明している。今ではパソコンで簡単に製作できるようになったが、当時は高性能なコンピュータを使用しなければならない特殊な技術だった。写真が加工できるので簡単に現実と思えるような虚構を作り出すことができると解説しながら、ニューヨークにあった世界貿易センタービルを画面上で消してしまう$${^{*7}}$$。当時はまだこのビルが存在$${^{*8}}$$して、誰一人として十数年後に完全に崩壊してしまうとは思っていなかったであろう。

 虚構のつもりが、現実となってしまったのであった。

*1 20020311 でっかいCD
*2 Computer Graphics
*3 ピクサー・アニメーション・スタジオ
*4 ピクサー|社歴 - 1984
*5 Section 6: Commercial CG production
*6 Amazing Stories TV Show - Amazing Stories Television Show - TV.com
*7 WTC.jpg
*8 World Trade Center - Minoru Yamasaki - Great Buildings Online

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