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20060805 英語が得意な日本人

 私はNHKの「えいごであそぼ$${^{*1}}$$」という幼児向け英語学習番組を国辱番組のひとつと考えている。日本語もおぼつかない幼児に英語を教える行為を国辱と言わずしてなんというのか。自国の文化を何と考えているのだろう。私がこう考えるのは、私自身が英語が苦手だからではない。断じてそうではない。

 そもそも日本人が、英語を母国語としている人と同じ様に流暢に喋らなければならない理由がどこにあるのか。通訳をする人は必要かも知れない。これは一部の人に必要な技能であって、万人にとって必要なことではない。英語が国際語だとしてもだ。

 一方、日本語は日本人にとって技能ではない。文化であり、日本語が操れると言うことは日本人であることの証である。日本語が全く喋れなくても自分が日本人である事を主張することはできる。しかし日本語が喋れれば、日本人であることを簡単に証明できる$${^{*2}}$$。日本語が日本人たらしめるのである。母国語が中途半端な状態で外国語を学ぶということは、基本をないがしろにしていることになる。

 外国人と英語で喋る時、流暢でないから発音が正しくないからといって会話を拒絶されたことはあるだろうか。それだけの理由で断られることはないはずだ。もしそうであれば、その相手は会話をする価値のない人間なのである。了見が狭すぎる。逆にたどたどしい日本語で話しかけられても、それだけで相手にしない日本人は滅多にいない。

 こう考えれば、流暢であるとか発音が正しいとかは些末なことであって、このために幼少期に憶えるべき正しい日本語の発音などを犠牲にすることがいかに愚かな行為かが解る。

 こういった偏った意見をかわすかのように「にほんごであそぼ$${^{*3}}$$」という番組をNHKは作っている。これは普通の内容だから全く問題ない。

 もう一度書くが、こう考えているのは英語が苦手だからでは決してない。

*1 20021113 鉛筆や箸の持ち方
*2 HOW TO SPOT A JAP (1942)
*3 KIDS WORLD

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