20060812 象(2)
「象」という漢字に訓読みはない$${^{*1}}$$と思っていた。「かたち」とか「かたどる」は漢字の意味であって読みとしては定着していないと考えていた。もともと訓読みというのは、漢字そのものの意味から作られた日本式の漢字の読み方だから、漢和辞典においてそれが訓読みなのか意味だけを表しているのか区別が明確になっていない$${^{*2}}$$ように思われる。一方、常用漢字は訓読みがきちんと定められている$${^{*3}}$$が、それ以外の読みも訓読みとするのかその漢字の意味とするのかはっきりしてこない。
常用音訓表によると「象」の訓読みはない$${^{*4}}$$。しかし「象(かたど)る」と言った使い方もする。
大抵の漢字には意味がある$${^{*5}}$$ので、どの漢字にも訓があると考えてもよさそうだが、「絵」や「蝶$${^{*6}}$$」のように漢語が日本語に溶け込んでしまって音読みが日本語の意味そのものになっている場合は、訓読みがないと言える。
*1 20000422 象
*2 20040418 政関白
*3 常用漢字表
*4 常用漢字表 p54
*5 漢字ナウ
*6 20021005 蝶
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