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20060803 佐渡旅行(10)

 金山跡$${^{*1}}$$の次は海の甌穴である。甌穴$${^{*2}}$$とは河床の岩盤にできる円筒形の穴$${^{*3}}$$のことで、水の流れで川底の岩がくぼみ、そのくぼみに小石が入って、その小石が水の流れで回転し岩のくぼみの底を削り、それがどんどん深くなってできる。

 それが海岸にできている$${^{*4}}$$という。海岸に打ち寄せる波で甌穴ができても不思議ではないが、川の流れと違って一定ではないから、甌穴が出来上がるのには川に比べてかなり時間が掛かりそうだ。こんな珍しい甌穴を見ないわけにはいかない。

 思っていたよりも大きい$${^{*5}}$$。これぐらいの甌穴ができるまでには、どれくらいの時間が掛かるのか。数百年単位だろうか。考えてみれば岩の硬さによって出来上がる速さは大きく変わる。川のように常に流れていなくても、結構早く穴が掘れるかも知れない。それにしても甌穴を削るための石はどこから来るのだろう。川であれば上流から流れてくるが、海岸線ではどこから石が転がってくるのだろうか。

 もしかしたら海岸の岩は相当脆く、浸食によって簡単に崩れ落ちるのかも知れない。その崩れ落ちた岩が甌穴の削り石となるのだろう。とすると甌穴が出来上がるにはそれほど時間はかからないかもしれない。とは言えどれくらいなのかさっぱり見当がつかない。1メートルぐらいの深さで百年ぐらいだろうか。

 直径が70cm程度の甌穴を覗き込んでみると中にいくつかの石が入っていた$${^{*6}}$$。それにしてもこの石はどこからくるのか。浸食で崩れた石としても、周りを見ると$${^{*7}}$$岩が崩れて転がって来るという雰囲気はあまりない。

 同じぐらいの大きさの他の甌穴の中を見てみると中にはぼうふらが沢山湧いていた$${^{*8}}$$。この甌穴の水は雨水のようだ。中では蚊柱$${^{*9}}$$ではなく「ぼうふら$${^{*10}}$$柱」ができていた。

 家族の中で、甌穴を堪能したのは私だけだった。もう夕方なのでここの近くのホテルにある温泉$${^{*11}}$$にでもつかって今夜の宿に向かうことにした。が、既に一般客の入湯は終了していた。

 今夜の宿は旅行直前に予約したので、余りものの宿である。インターネットの紹介記事によると相当ぼろい宿らしい。掲載されている写真を見てもかなりぼろい。大抵の写真はよく見えるものだが、写真でぼろいのだから本物は相当ぼろい。子供達には「今日のホテルは『貧ボテル』だから覚悟しなさい」とレンタカーの中で相当脅しておいた。建家の外観に拘らない飲食店は美味い$${^{*12}}$$という法則があるので、私一人だけはかなり期待していた。

*1 20060802 佐渡旅行(9)
*2 20051017 石垣島・西表島・沖縄本島(4)
*3 甌穴群の詳細情報:るるぶ.com
*4 佐渡観光Navi~ときめき佐渡~
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*9 ”ひとだま”の正体/虫の雑学 (社)農林水産技術情報協会
*10 豊島区保健所 こんなところが蚊の発生源
*11 Yahoo!トラベル - 国内観光・温泉地ガイド - 平根崎温泉
*12 20001020 不味いラーメン屋

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