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目川探偵事務所The GORK 2部「十龍・チェルノボグ」編

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2016年9月の記事一覧

The GORK  22: 「禿山の一夜 サタンの邪教賛美」

The GORK  22: 「禿山の一夜 サタンの邪教賛美」

22: 「禿山の一夜 サタンの邪教賛美」

 俺は、文字通り「早鐘のような鼓動」を味わっていた。
 もしかしたら窃盗犯の何割かは、金品目当てではなく、この興奮を味わいたくて、盗みを働いているのではないかと俺は思った。
 部屋から出て行く十蔵の後ろ姿を見届け、緊急避難通路にある緊急電話からパスワードを打ち込み、十蔵の部屋のドアノブに手をかけた。
 ドアが開いた瞬間の喜びから、いつ十蔵が帰ってくるのか

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The GORK  23: 「禿山の一夜 魔女たちの盛大な夜会」

The GORK  23: 「禿山の一夜 魔女たちの盛大な夜会」

23: 「禿山の一夜 魔女たちの盛大な夜会」

 俺はついに、オルゴン蓄積器こと、オルゴン・アキュムレーターを見つけた。
 それは悪の秘密結社の秘密基地等ではなく、何の変哲もないマンションのテーブルの上に置かれてあった。
 日帰りキャンプに持っていくような、クーラーボックス程度の容量の代物だった。
 今は、持ち運ぶ必要がないためか、透明カバーが剥き出しになっていて、内容物が丸見えになっている。
 

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The GORK  24: 「どうにも止まらない。」

The GORK  24: 「どうにも止まらない。」

24: 「どうにも止まらない。」

 下りのエレベータに駆け込んだ俺は、このエレベーターが降りるのにいつもより倍以上の時間をかけているのではないかと思った。
 それで俺は、睨み付ければ降下スピードが上がるのではないかという程、階移動を表示するパネルを擬視していた。
 そのディプレイが突然止まった。
 ショッピングゾーン階との共通フロアまで、あと3つの階だった。
 そこでエレベーターに乗り込んで来た

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The GORK  25: 「夜と朝のあいだに」

The GORK  25: 「夜と朝のあいだに」

25: 「夜と朝のあいだに」

 ※今回の章は、やや過激な性的・暴力的表現が含まれますので「課金制限」を設けたいと思います。
 尚、通常版は「小説家になろう」に本作品をアップしていますので、そちらをお読みください。
http://ncode.syosetu.com/n6823dl/25/

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