ボディスキャン瞑想が上達する2つのコツ。──今からはじめるマインドフルネス入門㉒
マインドフルネス瞑想の基本的な瞑想である「ボディスキャン」。ボディスキャンをトレーニングすることによって直感が鋭くなる、ということを前回ご紹介しました。
「よーし、それじゃあボディスキャンしまくって超能力者レベルまで直感を鍛えるぞ!」
という極端な目標を、1人残らず持たれたかと思います(それが極端です)。
「でも、ボディスキャンって、感覚が上手につかめないんだよなぁ」
今回はそのような方の助けになるようなボディスキャンの2つのコツについてご紹介します。
CTスキャンをイメージする
ボディスキャンのコツの1つ目は、CTスキャンのイメージを持って行うことです。頭のてっぺんから足の爪先まで、体を輪切り状にして観察するように行っていきます。
CTスキャンそのままのイメージでもいいし、まるで1枚の光の膜が全身を通り抜けていくようなイメージでもいいでしょう。
とにかく、全身の感覚をザッと短時間で把握するには、この方法が適しています。
「全身の何を観察すればいいのか分からない」
という方は、最初は「快適な部分」「不快な部分」「どちらでもない中性の部分」を感じていくと、感覚を掴みやすくなります。それでも難しい人は、全身の「不快な部分」だけを探していきましょう。人間は「不快な部分」に敏感なので、その感覚がもっとも感じやすいためです。
CTスキャン版のボディスキャンは、最初は30秒くらいがちょうど良いかもしれません。慣れてくると数秒、あるいは一瞬で全身の感覚を把握することができるようになります。
スポットライトをイメージする
ボディスキャンは、自分の体に注意を向けて「今この瞬間に感じている『感覚』の姿」を観察する技術です。チクチク、ピリピリ、ガンガン、ズシン、重い、軽い、伸びている、縮んでいる、など。
感覚の種類は様々ですし、また感覚の範囲や強さもいろいろあります。
これらをザッと大ざっぱに全身の感覚を把握するにはCTスキャンのイメージが便利ですが、細かく(解像度を高くして)把握して行くには、スポットライトのイメージが役立ちます。
スポットライトが狙っている一点だけが明るく、それ以外の場所は暗く沈んでいるイメージです。そしてライトに照らされた部分だけを、じっくりと観察していく、というわけです。
時間をかけてじっくり観察していくと、実は感覚が毎瞬その姿を変えていることに気づくようになります。痛みや痒み、重さや軽さといった感覚は、同じ物が二つとしてありません。二度と同じ状態がないのです。
それは青空に浮かんでいる雲にも性質が似ています。
雲だってどれも同じように見えるけれど、よく見るとすべて形が違うし、その形も毎瞬ほんのわずかですが変わっていっています。それと同じことが感覚にも起きています。
スポットライトのように明るく絞った注意力によって、皮膚の表面、あるいは体の内側を順々にじっくり観察していくと、新しい発見に日々驚くことになるでしょう。「こんな感覚を感じていたんだ!」と思うことが多々あります。
このスポットライトイメージも慣れないうちは「不快な部分」を探っていくだけでも十分です。いずれボディスキャンになれて解像度も上がっていくと思います。
CTスキャンのイメージ、スポットライトのイメージ、この二つはどちらが優れているというものではありません。どちらもトレーニングしていくものですが、まずはやりやすい方から始めて見て、ボディスキャン自体に少しずつ慣れていきましょう。
そしてどの瞑想にも言えることですが「考えすぎないこと」が最も大事なコツになります。「このCTスキャンのイメージで合っているんだろうか」と考え始めると、それ自体が執着となって雑念になってしまいます。「だいたいこんなもん」くらいのライトな感覚でちょうどよいと思っていて下さい。
というわけで今日はボディスキャンのコツをご紹介しました。もしこの記事が参考になったり、気に入って頂けた方はいいね!フォローを頂けますと励みになります。
次回は「感情のコントロール」とボディスキャンの関係についてご紹介したいと思います。
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