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映画評「花束みたいな恋をした」2/役者って怖い
引き続き、私が言うところの、「ハッ・ハッ・花束」(和田アキ子風)について。
すみません、この名称、我ながら気に入っているのです。
昨日は、あんまり長すぎるので言及していませんでしたが、主演の二人、菅田将暉と有村架純の演技も、素晴らしいです。
イケメンと美女がイチャイチャする話なんか、何が楽しいんだよ。
と、観賞前のどっかのアホ(私)は言ってました。
ただですね・・・やっぱり役者ってのはすごいんです。
まずは、みんな大好き有村架純。
誰もが程度の差はあれ、可愛いことに異論を挟むやつなんかいない、あの有村架純が演じるのは、等身大というか、「どっかで会ったことがありそうな女性」。
そんなの、無理だと思うじゃないですか。
でも、劇中は、ほんとにそんな感じなんです。
劇中で、合コン?パーティ?に参加するくだりがあるんですが、全然そこで有村架純が輝いてないんですよね・・・。
おかしいな。パーティの場を支配するメンズが口説きに行かないのも当然のような、一般女性感。
あれ・・・有村架純って、俺でも付き合えそうじゃね?なんなら、結構かんたんに落とせんじゃね?
みたいな雰囲気が出てるんです。
でも、実際にはそんなわけないじゃないですか・・・
てことは、それって演技なんですよ・・・女優って怖い。
菅田将暉も菅田将暉。
イケメンだイケメンだと騒がれ、
よく見るとイケメンじゃねーよなんて勝手に思われつつ、
いや、やっぱ知れば知るほど、やっぱイケメンだなこいつ、
という、結果的にどっから見てもイケメンになる、トリックアート的な存在。
役者・ラジオ・歌手、多方面で評価されるいけ好かないやつ。
の割に、好きな男性のタイプは?と女性に質問し、
菅田将暉!と答えられると、
「これは、、、ちょっと可能性あるかも。」と、私は思いがちである。
何故か、そんな親しみを感じるキャラ性。
もう一度言うけれど、やっぱりいけ好かない奴である。
その菅田将暉ですが、劇中だと、
「あー、俺もそういうところあるわー。てか、仲良くなれそうじゃね。」
な男子なんですよ。
劇中の菅田将暉の部屋には、私の本棚と、同じマンガとか本とかDVDが、並べてあったんですよ・・・。
「お前は俺かwww俺は菅田将暉かwww」って思いましたね。
それも当然勘違いなんですけどね・・・。俳優って怖い。
菅田将暉と有村架純が、付き合い始めて色々なところにデートに行くのですが、二人揃ってなお、街中に自然に溶け込んでるんですよ・・・。演技ってなんなんでしょうね。
でも、断じて完璧ではない!
今までは指摘してきませんでしたが、どんな映画にも欠点はある。
どうしても!どうしても!
「いや、騙されてたけど、これって菅田将暉だし、有村架純だよね。無敵カップルやん」
そう我に帰る瞬間がちょこちょこあるのです。
菅田将暉が、飲んでるビールがいつもスーパードライだったり。
寝起きだろうと深夜だろうと、いつどんなシチュエーションでも、部屋着の有村架純が、隠せない可愛さを放っているときとか。
誰にでもある話と思いきや、それを演じていたのは、そのへんにいるわけのない二人であることに、不意に気付いてしまう、そんな一瞬。
そんなとき、甘酸っぱい恋模様にニヤニヤしてた自分が、許せないくらい気持ち悪く思えるときがある。
ライフイベントを無数に繋ぎ合わせたストーリーで、映画というより、ドキュメンタリーというかライフログのような演出。
それに心地よく身を委ねて、自らと重ね合わせて見ていたら、自分に透けて見えていたのが菅田将暉だったとき、世界の残酷さを知りました。
でも、ラストが実に映画的な展開なので、トータルは気になりません。
まぁ、どんな手を使っても無理です。菅田将暉と有村架純が悪いわけでは、100%ありません。
どんなに頑張ろうと、菅田将暉は菅田将暉、有村架純は有村架純。
全くそれを思い出さず、まっさらな状態で見ることなんか、現代日本人には無理なのです。
てことは、「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングとエマ・ストーンに違和感がないように、海外でこそ、高評価を受ける映画かもしれません。
そのときは、タイトルは「Love , like bouquet 」じゃなくて、「boo boo bouquet」(ブー・ブー・ブーケ)にしましょう。
二度三度、大変失礼しました。
というわけで、「花束みたいな恋をした」、ぜひご覧ください。
追伸
特に気に入ったシーンその
倦怠期に入った二人。
自宅のデスクで仕事をしている菅田将暉が、わざとらしくスマホを鳴らし・・・。
「うわぁ。土曜日って、何する予定だっけ?全然行きたくないんだけど、静岡出張の前乗りの話が入っててさぁ・・・」
舞台を見に行く予定があったのに、喧嘩しつつ、きっちり前乗りを決め込む菅田将暉であった。
わかる。わかるぞぉ。前乗りしない出張なんて、意味ないもんね。
この瞬間、私は自分のことを菅田将暉だと錯覚した。
でも当然そんなことはなく、ただただ自分を恥じた。
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