誠意って何かね

北の国からの名シーンで、純の交際相手の父親役の菅原文太が良い放つ迫力ある一言なのですが…

「誠意って何かね」

せい‐い【誠意】 の解説

私利・私欲を離れて、正直に熱心に事にあたる心。まごころ。「―のこもった贈り物」「―を示す」「誠心―」

辞書的な意味はこれです。誠意って言葉だけじゃなくて態度で示さなきゃ表せないものなんじゃないかって以前ラジオで話したことがありました。

私の好きな本にサン=テグジュペリの「星の王子さま」と言う本があります。その本の一節に出てくる重要なキャラクターであるキツネが教えてくれる言葉が「一番大切なものは目に見えない」と言うものです。
一番大切なもの、一番かどうかはその人によるのかもしれない。それは、友情であったり愛情、信頼や恋心、人間が誰かしらの相手に対して抱く心の底に秘めた思いや気持ちなのではないかと私は思っています。この本の王子さまはキツネと親友になる。たった一本のバラに恋をする。その気持ちは、ただ好きだとか仲良くなりたいと言う言葉だけではなく、毎回会って話をしたり、バラのお世話をする形で具現化されていく。その王子さまの示す態度が目に見えない大切なものの裏付けになっている。私はそんな気がしています。

今、私は大切な人たちへ自分の誠意を向けることが出来ているのでしょうか。私が向けているのは誠意なのでしょうか。やはり人間です。どこかに見返りを期待してしまう。そんな自分もいたりして情けない気持ちになったりもします。やはり、大切な人には自分の方にも振り向いて欲しい。そう思うのが欲深い人間の本性でもあるのでしょうね。

自分が誠意を持って接したつもりでも、相手がそれと同等のお返しをしてくれるとは限らない。言葉だけではなく態度で示したとしても、相手にとってはさほど記憶には残らない程度の微々たる行動なのかもしれない。

それで傷付けるくらいなら自分が傷付くほうが良いのかもしれないよ。昔、この本を薦めてくれた人からそんな言葉をかけられました。傷付く時はいつも辛いけれど、それはそうかもしれないなと思いながら生きています。

私利私欲を捨てて、まごころを示す。
そんなことが出来る人間に私はなれるのでしょうか。示したつもりでも、示しきれてなかったのではないかと後悔することが最近多いです。自分に悔いの無いように常日頃から全力で取り組んでいるつもりですが、結局は自分の一人相撲なのではないか。そんな風に感じることが今まで生きている中で何度かありました。示したことで、相手の重荷になってしまうこともありました。
示し、示される。お互いにそんな関係を築ける人間に私はなれるのでしょうか。私の私なりの誠意って何か、いつも考えさせられます。でもあまり器用じゃないから、いざ面と向かって言葉にするのが苦手だから、出来るだけ行動を伴った言葉を発したい。それが忘れられるものであっても。と思います。忘れられてまたちょっと傷付くこともあるのですが…人間ってもともと他人にそんなに関心があまりない生き物らしいですから仕方ないですよね。誠意。示し続けられるだけの人間でありたいなあ。

そんなことを思いながら、ちょっとおセンチな気持ちで過ごしている秋の夜長です。眠れない。長い夜です。

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