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【詩】風よ吹け

季節は巡り 今年も貴方の色の花

あの日 貴方はあまりに早く 旅に出た
私は貴方に何一つ渡せずに
たった一人で 行かせてしまった

いまは 遠いどこかで旅の途中だろうか
それとも すぐそこの空を駆けているだろうか

風よ吹け
あの雲を切り裂いて 空まで届け 空から届け

遠くにいても どこにいても
いつもここに 感じられるように

風よ吹け
花びら一枚 飛んで行け
貴方の元へ 空の彼方へ飛んで行け

手を伸ばして
一廻り 二廻り どれだけ廻れば
貴方に辿り着くのだろう

風よ吹け
祈りを乗せて 貴方のもとへ

風よ吹け
世界を幻想の色で覆うまで

風よ吹け 風よ吹け
雲も空も突き抜けて どうか どうか……

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