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人生のアディショナルタイム

私はいつでも死ねる学生時代を過ごした。

とはいっても、大した悩みがあった訳でも、家庭環境が複雑だった訳でも、いじめられていた訳でもない。

先生の目を盗んで校則違反のカーディガンを着たり、大好きなメロンパンを買うために全速力で廊下を走ったり、時には凍えながらサッカー部の練習を覗き見たりもした。


でもなぜか、いつも死にたかった。

いつ死んでもいいと思っていた。

無性に全てから解放されたかった。


大学生になって、彼氏に振られた。三日三晩お酒を浴びるほど飲んで、やっと決心がついて、自分の部屋から飛び降りた。






正確にいうと、窓から体を投げたけれど、窓枠に挟まって抜けられなくなった。




死に物狂いで友達を呼んで、死ぬほど恥ずかしかったし、死んだほうがましだったし、今考えても死にたい。


だから私はあの日死んだことにした。


今は人生のアディショナルタイム。

好きじゃない仕事はしないし、休みの日も無理して出かけたりしない。行きたいところには仕事を休んででも行くし、体型も吹き出物も気にせず夜中でも好きなものを食べる。

一回死んでるからもう死なない。

そう思ったら大抵のことは問題なくやり過ごせるし、理不尽な出来事も死んだ人間には何の意味もないし、ていうか死んだ人間にしては現世のために頑張っているほうだと思う。

どうせ負けてる試合なら、最後くらい自分のプレーしてもいいじゃん。

アディショナルタイムもワンチャン逆転の可能性あるし。



一回死んでみたら、人生めちゃくちゃ楽になった。



今から死のうと思ってる人が読んでるかもしれないから言っておくけれど、死にたい気持ちまじでめっちゃわかる。
そして確実に私よりも重大な理由だと思う。

だから、死んだと思って一旦現世でやり残したことをやってみてほしい。

学校も仕事も行かなくていい。どっちにしろ死んだら行かないんだし。

死ぬほど嫌いな人なんか、わざわざ死んでまで会わなくていい。

太ってようと、美形でなかろうと、お金が一銭もなかろうと、死んだ人間には関係ない。

好きなものを食べて、好きな場所に行って、好きな人に会えばいいんだ。

あと、明日も死人がnote更新するから気が向いたら読んでよ。



ちなみに私は、あのとき死ねなくてよかったって本気で思ってる。めちゃくちゃ恥ずかしかったけど。

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