夏のさいごの日

見つけた蕾は

夏と秋の色を織りまぜたドロップ

すべての夏を出し切るように

朝顔がいっせいに　空にひらく

八月さいごの満月は

涙色で笑ってた

気づいてもらえなくてもいい

想いは光　増していく

さよなら　君に手をひたす

淡くてまるいちぎれ雲

風がさみしさを遠くに連れて

耳もとにそっと　オルゴールの音色

夏の駅が　遠ざかって

夜に透ける　秋の切符