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#エッセイ

詩|屍の一歩前

詩|屍の一歩前

午後6時57分のホーム

透明の花びらが舞って

骨と魂が散った

仮面を剥いで

鎧を外して

衣服を脱いで

心臓をえぐり取る

マスクを取って

肩パッドを外して

プライドを捨てて

胸の奥をえぐり取る

真っ黒になった僕の右手は

正義に震えて

溢れる水滴と滲んでふやけた

真っ赤に染まった眼前の景色は

現実を映して

流れる幸福と混ざって溶けた

もう、いいや

さようなら世界

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詩|「好き」と「嫌い」は表裏一体で不自由で

詩|「好き」と「嫌い」は表裏一体で不自由で

ついこの前まで好きだった人を

ほんの少しの違和感に気づいた瞬間から

あっという間に嫌いになったり

好きでいたい人のことは嫌いになってしまうのに

嫌いになりたい人のことは嫌いになれなくて

いっそ全てを壊したい衝動に駆られたり

本当は全ての人を愛していたいのに

世の中そんなに綺麗なものではなくて

他人への勝手な感情に踊らされている自分が

愚かに思えたり

悲しく思えたり

滑稽に思え

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詩|今日の満月はあの日の君に似ている

詩|今日の満月はあの日の君に似ている

空の缶ビールを片手に散歩した夜の神楽坂

ふと夜空を見上げて淡く微笑んだ君

栗皮茶色の君の瞳は何を映すのだろうか

君が映す世界は何色なのだろうか

何が君の言葉を作るのだろうか

暗い夜空に穴を開けた満月と空き缶の凹み

今日の満月はあの日の君に似ている