「夏目アラタの結婚」で正解がわからなくなる
娘が「夏目アラタの結婚」の試写会に当たったので、ほぼストーリーなどを知らずに見ました。
うむ。
見終わって、何が正解がわからなくなりました。
あまりにたくさんの問題がギュッと詰まっていて。
ネタバレになるので書けませんが、感動していいのかもわからないなぁと。
いや、本当はちょっと泣いたけど。
シンプルにいろんなことが怖いなと思うし、そうなった時にその道を選ぶかな?とも思うし。
佐藤二朗さんがね、また、なんとも嫌な感じで(これは褒めています)
それにしても、柳楽優弥さんは上手な役者さんだと思っていたのですが、黒島結菜さんはイメージと違っていて、かなり驚きました。
ふわっとした普通のお嬢さん、みたいなイメージを持っていたですが。
実生活では籍を入れない事実婚を選んでいるし、芯が強い女性なのだと感じました。
原作は23巻とかなり長いので、端折ったエピソードもたくさんありそうで。
多分原作を読んだ時との感想は違うのではないかな。
全部読んでみたい気もするけれど、絵でグロテスクなシーンを見るのはちょっとしんどいかな。
映画でも結構しんどかったし。
ストーリーは面白いので小説なら読めそうですが。
誰が真犯人なのかも最後までわからないし、二転三転していくので、真相はどっちなの?とハラハラするし。
がんばれ夏目アラタ!と応援しちゃうし。
死刑囚である真珠の知能が子どもの時と比べて突然上がったことなど、全体的に謎が多くて。
それが一つ一つ明かされていき、真実がわかった時に、そうだったのかあああーと叫びたくなったし(笑)
シンプルにストーリーは面白いのですけどね。
なんていうか、闇が深くて。
よかったね!とは手放しに思えない。
いや、でも同時に真珠には救われてほしいと思う。
悲劇的であり、サイコ的であり、どこか危ういピュアさが人の心を揺さぶってしまう真珠という女性。
同情してしまうけれど、近づいてはいけない危険を感じる存在。
生まれつきのサイコパスでもなく、生い立ちがそうさせてしまったのだろうけれど。
虐待を扱った作品を見た時に湧き上がる、虐待をされた人が救われなければ、こっちまで救われない気持ちになるという感情。
虐待されて、親だけではなく世の中全てを恨む人や、犯罪に走る人もいるかもしれない。
そのことを理解できなくはない。
虐待で受けた心の傷を乗り越えるには、周りに手を差し伸べてくれる大人がいればいいけれど、全ての人に救いの手が与えられるわけでもない。
だけど、本人に罪はないのに虐待されて、救いの手を差し伸べられなかった人が、みんな救われず、犯罪に走るわけでもない。
救われて幸せになっていく人もいるはず。
むしろ幸せになってほしいと思う。
傷が完全に消えることはなくても、未来は明るくあってほしい。
乗り越えてほしい。
そんな経験なんてしないほうがいいに決まっている。
悔しいけれど、例え望まずそんな環境に生まれてしまっても、なんとか生き延びて、そして幸せになってほしい。
「幸せになることが最高の復讐」
この言葉を胸に前に進んでほしい。
そんなふうに思うから。
この映画では、闇が深い話がたくさん出てきて心が重くなってしまう。
それにしても中川大志が中川大志っぽい役で、それはちょっとほっこりしました。
ああいう真っ直ぐでどこか抜けていそうだけど、心は熱い人がよく似合う。
面白かったかと聞かれれば、ずっと手に汗握る緊迫感があって引き込まれたけれど。
あれだな、ストーリーもラストも全然違うけれど、なぜか「セブン」を思い出しました。
うん。
アレを見た時の感想に近いな。
手放しで面白かった!
とは言えないけれど、見る価値はある。
考えさせられてしまう映画でした。
ちょっと色々な問題が詰め込まれているので、感想が難しいな😅
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