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自分の話(社会人編)

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#エッセイ

「恋」を分解してみたら、全然ロマンチックじゃなかった。

「恋」を分解してみたら、全然ロマンチックじゃなかった。

社会人にもなれば、
みなそれなりに恋愛に興味を持つ。

※恋愛に興味を持たなければ立派な大人とは言えない、という意図はまったくございません。

単純に、大人になると「友達」との関係が気薄になりがちで、コミュニティを維持するのが難しくなって、1対1で承認を得られる「恋人」を求めるようになるのだと思う。
おそらく「結婚」も「家族」もその延長線上にある。

つまるところ、皆さみしいのだ。

もちろんちゃ

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入社してからも、就活の苦しみは続いていく

入社してからも、就活の苦しみは続いていく

「自分らしさとは何か?」

大学4年生の時、私はある哲学系の集中講義を履修した。
それは、10人くらいの学生が、諸学問の知識を極力使わずに、あるひとつの問いについて話し合って答えを導くという内容のものだった。

そこで私たち全員が興味のある問いとして選ばれたのが、冒頭の問題だった。
厳密には「言葉はどの程度、自己を表現できるか」だったけれど、結局は「自分とは、自分らしさとは」という問題にぶち当たっ

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実は興味なんてない

実は興味なんてない

詩を詠う。
メロディを書く。
フィクションを紡ぐ。

創作をやっていると、自分がいたって平凡な人間であるかを、その発想が貧相なものかを、痛感する。
だから、私は自分が普通の人間だと勘違いしてしまった。

社会人になって分かった。
社会に出て分かった。

私は普通の人間の中では、必死に欠けたところを隠さなければボロが出てしまうほどの紛い物であり、普通の人間として社会に擬態するだけで、ただただ疲弊して

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あまりに過剰すぎる「自意識過剰」

あまりに過剰すぎる「自意識過剰」

今夜、ほぼ初めて先輩に飲みに連れて行ってもらった。
そこで「酒回ってると調子いいね」と言われた。

これは言外に「酒回ってないときはつまらない」と言われたのと同じだ、と私は思った。

別にひねくれて卑屈になっているわけではない。
確かに私はひねくれた卑屈人間だけれども。
しかし、職場での私がつまらないことなど私が重々知っていた。

新人としては、何も悪いことはしていない。
新人らしい、謙虚に、粛

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本と私、調律を合わせて

私は普段、気分に合わせて装いを変えるなどということはしない。
明るい気分になりたいから明るい色を纏おう、なんてことができるほど、ファッションに明るくない。

でも、私は昔から気分に合わせて本を選ぶ。
今の体調、心の調子にぴったり合う、文体、雰囲気、世界観、読み味を探す。

私にはずっと読みたい本があった。
それは重厚な世界観のSFで、私の好きな作家の、友達が死ぬほどオススメしていた、どうやっても面

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