【読書レビュー】僕らはSNSでモノを買う〜SNSマーケティングの新法則〜
今話題の本の1つ株式会社HOTLINK執行役員である飯高悠太さん著書の「僕らは SNSでモノを買う」を読み終わったので、所感を書いていきます。
そもそもこの本を読もうと思ったのでが、SNSマーケティングの勉強のために他の本を探していたところ、本棚でコメント付きで置いてるのが気になり「基本的な事知ったら読もう」と思って積読しておりました。
まさかのご本人の記事がありましたので、文の雰囲気はこちらから。
https://note.mu/yuta10/n/nd75ac45e29c4
本書では「どうすればメッセージ情報が届くのか、どんなメッセージを作ればいいのか」の視点で「UGC」の概念と新しい購買プロセス「ULSSAS」について解説を、SNSマーケティングに活用できるコンテンツマーケティングの再発見について書かれています。
前提条件として、以下をおさえておくと理解しやすいです。
・一般的にSNS経由で商品を買う、サービスを利用する認識は低い
(個人的にはSNS経由で買い物するので、ここが意外でした)
・SNSはリアルな消費行動に影響しているが、企業施策での売上アップ成功例はあまり聞かない
・単価の上昇などウェブ広告を取り巻く環境は厳しくなっており、情報の99%は届かない、届いても購入へ繋がりにくい
・SNSの台頭で個人がメディアになり、コンテンツの作り手になれる時代に。SNSの1投稿もコンテンツである
UGC(User Generated Contents)の話
UGCって何
UGC=「ユーザーが自分の意思で投稿したコンテンツ」
つまり、SNSで言うところの口コミや商品レビューの投稿となります。
特徴
・情報の信頼性が高い
・行動転換が起こりやすい
・シェアされやすい
ポイント
・企業だけが発信者ではない
UGCをどう発生させるか、発生したUGCをどう広げるかが重要です。な
ので企業としてUGCを活用すのは以下の2つの手段が考えられます。
①UGCが発生しやすい企画を考える
(ユーザーが実際にやってみたい、教えたいと思う内容)
②発生したUGCを効果的に広げる
(各SNSでの情報がどう広まっていくのかを把握する)
・UGCが活用できる商品には限りがある
コモディティ商品やコンプレックス商品は発生しにくいです。
またBtoBの商品やサービスもゼロではないですが、一般ユーザー間での自然発生は見込めません。
・活用の仕方
現状により大きく3種類に分類出来ます。
①既にUGCがあり、指名検索がある
→更なるUGC創出のためのアカウント活用
②UGCはまだないが指名検索はある
→シェアされる経営、アカウント運用(コンテンツの制作)
③UGCも指名検索もない
→SNS内だけの施策でなくコンテンツマーケティングとの並走を行う
・UGC活用はまずはTwitterで
理由としては以下の3点です。
・拡散性
・ユーザがアクティブ数がLINEの次に多い
・データが取れるので戦略が立てやすい(LINEがデータが取れない)
・Twitterでの情報拡散について
TwitterってどんなSNSのイメージがありますか?
趣味で繋がったweb上の関係の繋がりと言う印象が強いと思いますが、実は地域やリアルでの繋がりが多いのです。Twitterでの情報拡散は、距離の近いリアルな関係に連鎖して情報が伝わっている事がほとんどです(隣のクラスで噂が違うクラスに伝わっていくイメージ)
それを本書では「スモール。ストロング・タイ(小さくて強い繋がり)」と言う言葉で表しています。
そして口コミでの購入はインフルエンサー的な人やアカウントを介したものよりも、家族や友人からのオススメ、もしくはシェアで購入されるため、リアルな関係での推薦の方が信頼度が高く購買に繋がりやすい傾向があります。
・LINEに代表されるようなプライベートグラフ→Twitterは実はこのパターンが多い
・Facebookに代表される職場や学校など人間関係の繋がりソーシャルグラフ
・趣味や興味で繋がるインタレストグラフTwitterでは実は距離の近いリアルな関係に連鎖して情報が伝わっている(隣のクラスで噂が違うクラスに伝わっていくイメージ)
・バズれば良いではない
バスが起る事自体は悪い事ではないですが、一過性のバズではすぐ忘れられてしまいます。またバズらせる事自体、再現性が難しいです。何回もUGCが目に届く事で記憶に残り購買へ繋がるので、UGCが積み重ねることが重要です。
ULSSASの話
ULSSASって何
SNSにおいての購買プロセスとして提唱されている新たな説です。
UGC→Like(いいね)→Search1(SNSで検索)→Search2(グーグル、ヤフーなどで検索)→Action(購買する)→Spread(拡散する)
特徴
・UGCを起点とする
・最後はシェアではなく、最初から拡散を目指した承認欲求が投稿の動機の1つである事に注目している事
活用
UGCを起点とするため、UGCが発生するようなユーザー参加型企画やコンテンツを作成する事が1番の要です。次に重要なのがフォロワーの質です。
フォロワーの質
フォロワー数の大小に関わらず自社のUGCを増やしてくれる企業にとってのインフルエンサー的ユーザーを獲得する事が重要となっていきます。
上で解説しているようにTwitter上の拡散の流れは常にインフルエンサーを介した爆発的な物でなく、小さなコミュティ間で広がっていきます。
なのでTwitterをリアルな人間関係の延長線上として使用している、かつ頻繁に触っているアクティブユーザーが企業にとってのインフルエンサー的ユーザーになります。具体的に言うと、フォローが30〜300人、フォロワー数とフォロー数の乖離が少ない、ツイート数が1万以上のユーザーです。
このタイプのユーザーで自社のUGCがあった場合は公式アカウントでのRTやフォロー対応を行っていきましょう。
実際にUGCとULSSASを活用している企業としてシャトレーゼの例が本書では取り上げられています。
Twitter以外のSNSでのULSSAS
Twitter以外のSNSではどう行えばいいのかについて話す前に、SNSのユーザーの棲み分けについて解説します。以下の3種類に別れます。
①LINEに代表されるようなプライベートグラフ
→Twitterは実はこのパターンが多い
②Facebookに代表される職場や学校など人間関係の繋がりソーシャルグラフ
③趣味や興味で繋がるインタレストグラフ
→Instagram、Pinterestなど
それぞれSNS毎に特徴と活用方法を解説していきます。
・Instagram
拡散性は低いが1対1でコミュニケーションがしやすいのでUGCへのコメントをしてユーザーと密な関係性を作りフォロワーの質を高めていく。
または動画や長文投稿で自社のノウハウをオウンドメディア化する。
・facebook
精度の高いターゲティングでの広告を活用。facebook内でUGCを発生させると言うよりは他SNSで発生したUGCをfacebookで拡散させる。
・ピンタレスト
好きで繋がるインタレストグラフ。その人の関心が高いものがリコメンドされ実は購買する可能性が高い。商品によっては効果的。
・LINE
クローズしている場だけどUGCが発生した場合はかな高い効果を発生するのでユーザーの行動を想像したアプローチが出来ると効果大。またLINEの関連サービスと紐付けてたものも。
コンテンツマーケティングの再発見
UGCの話の箇所でUGCが活用できる商品やサービスには限りがある事について触れました。
そのような商品に限らず、またBtoBの商品、サービスもUGCが自然発生するのは難しいです。その場合は、 SNSを活用は出来ないのでしょうか?
実はUGCが発生しない時こそコンテンツマーケティングが効果的なのです。
コンテンツマーケティングの利点
・商品やサービスに興味がない人、潜在層顧客にも届く可能性がある
・特にオウンドメディアでのコンテンツはSNSで記事としてシェアされやすい
この2点からUGC活用とコンテンツマーケティング は相性が良いとされています。ユーザーにシェアされやすいコンテンツ、例えば、実績やノウハウの紹介記事や商品のこだわりなど制作してSNSで投稿、拡散してもらう事で自然にUGCが発生しにくいものでもSNSを活用する事が出来ます。
所感
SNS、特にTwitterでの拡散の流れを追っていった結果、プライベートなコミュティを経由していった結果のバズと言うのが、この本を読んで1番新鮮な箇所でした。
私はTwitterアカウントを複数持っているのですが、確かに1つのアカウントは実際の学校の友達だったりリアルな知人友人が多いので、所謂プライベートグラフ的な使い方をしています。
皆が当たり前に見ている口コミやレビュー投稿の拡散の流れに対して、掘り下げて
「言われると確かにそうだなと感じている事」を上手く言語化して整理しているなと感じました。全体を通して対話形式で進んでいくので読みやすく、 SNSマーケティングって面白いんだって印象を受けました。
一貫して「フォロワーの質」が大事と述べていたので、この考えが定着していくと今までの SNSマーケティングについてのノウハウが変わっていくなと感じています。
またコンテンツマーケティングの章は実際に運営している人に向けてのアドバイスだなと思いました。また、そこでも初期設計である「誰に何を何のために」を見失わない事が書かれていたので、マーケティングの基礎は本当にそこがしっかりしていないと駄目なんだと実感しました。
UGCについては多分探せば、どの業界でも例が出てきそうです。
最近だと自分が好きなアプリゲームの人気の出方がUGC活用された結果かなと分析出来そうです(意図してやっていなさそうですが)
そうゆう風に業界の成功例を分析して見ても面白いかなと感じました。
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