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【今でしょ!note#146】サーチャージ料金がもたらす健全な社会

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

ランチタイムに午後の仕事のパフォーマンスを最大化するために、外に出て緑をみましょう!という記事を書きました。
実際にパフィーマンスが上がるか実験してみて、午後のパフォーマンスが上がるのもそうだし、1日中オフィスにいると気付きにくいことを発見できるのも、ランチタイムの使い方として見直すと良さそうという気付きがありました。

前回は、すき家の深夜料金に対してサービス料7%上乗せされることは、供給側の持続可能性を考えた時に必要なこと=深夜に働きたい人の方が少ないから、深夜の給料を上げることは当たり前で、それが利用者向けの価格に反映されるのは自然な考え方、という話でしたが、今日は、この動きがあらゆる分野で広がっていくことで、より健全な社会がやってくるはず、という話をします。


時差通勤の推進

まず、社会全体の需要と供給のバランス調整も兼ねて、はじめに料金体系の見直しを進めてほしいと考えているのは、都心の電車運賃の改定です。

私は仕事柄、正月やゴールデンウィークに勤務する必要があるのですが、これらの期間を家族と過ごせないのは辛いと思う反面、通勤や仕事面では、これらの期間の方が明らかに働きやすいです。

というのも、当然ながら正月やゴールデンウィークは、電車の利用者も少ないですから、座って職場まで行くことができ、朝から満員電車に並んで詰められて「朝から疲れる」ということが発生しないからです。

また、正月やゴールデンウィークはシフトを組んで仕事をしているため、日中帯に電車やメールで仕事を遮られることも少なく、日中も高い集中力を維持して仕事ができます。

コロナ禍真っ最中の時には、テレワークや時差通勤が社会的にも推奨されて、多少満員電車が改善された感覚がありますが、今となっては結構戻ってきていますよね。
東京駅や品川駅、渋谷駅や新宿駅を歩いていると、よく通勤ラッシュ時に多くの人が同じ方向に向かって歩いているのを物珍しそうに写真を撮っている外国人の方を見かけますが、あれって写真を撮りたくなるくらい稀有な光景に見えていると思うのです。

団塊ジュニア世代が激しい受験競争に揉まれて、「合格」と書かれたハチマキを頭に巻いた子供たちの集団が必死に勉強しているのを見ると、「こんな時代があったのか・・!」と驚きを隠せません。
それと同じように、きっと今の超過密な都心の駅や、満員電車の様子を見て、後世の人たちが「こんなに奇妙な光景があったのか・・」と驚く時代がやってくると感じています。

人が同じ場所に集まった方が効率的に社会サービスや生産性を維持できる面がある一方で、現在の日本の都市圏は明らかにキャパオーバーしています。
人が働く時間と場所がより分散された方が、明らかに社会全体の生産性が上がると感じるシーンがあり、その有効な解決手段の一つが「電車の料金体系見直し」だと思うのです。

例えば、朝の7時半〜9時まで、夕方17時半〜19時までの電車料金、夜22時以降の電車料金が日中帯の2倍になればどうでしょうか。逆に日中帯の電車料金は今より落としても良いかもしれません。

従業員の通勤費を負担する企業側にとって、従業員の時差通勤をより真剣に見直すきっかけになりますから、人の移動のピークは現状よりも平準化されるはずです。

平日と休日の分散

先日オーストラリアに行ってきて、土日に空いている店は本当に少ないということを実感しました。
土日に工場を稼働させたり、土日に従業員に働いてもらうと、時給5,000円とかに行く場合もあるらしいので、企業にとっては「土日は稼働させないほうが得」という原理が働くからのようです。

時差通勤の話とも重なりますが、もっと社会全体の平日と休日の人の動きが分散されれば良いと感じるシーンが多くあります。
ゴールデンウィークに空港が激混みしていたり、高速道路が渋滞しているシーンを見かけますが、これも平日にもっと気軽に年休取ったり、平日と休日のタイミングを交換する動きが進めば平準化される事象の1つだと思います。

日本は世界的に見ても祝日が多く、年間16日というのはG7の中でも最も多いようですが、これは「強制的に休んでください」とならないとなかなか休まない国民性だから、と言われていますね。

ゴールデンウィークや正月の飛行機代が他より高いのは、現在でもそうなっています。これがあらゆる産業で進み、観光地やショッピングモールの飲食店に代表されるあらゆるサービス業において、休日は平日料金の+10%、+20%の追加サービス料金を取ることがより進んでいけば、「休日は外食すると高いから、家族で家で食事しよう」とか「平日に休んで外食しよう、旅行しよう」というインセンティブが働くのではないでしょうか。

これが結果的に、オーバーツーリズムであったり、休日にどこに出かけても混み合っていて疲れてしまう、みたいな問題を解決することにも繋がると考えています。

コロナ禍で入場人数制限しているディズニーランドの方が満足度が高かったのは、各アトラクションの待ち時間が短縮され、園内の人数もそこまで多くなかったからです。
人数が多すぎるというのは、顧客満足度を下げてしまうので、ダイナミックプライシングの導入も進んできていますが、より広がってほしいです。

供給側としても、土日の働き手確保のために、繁忙期に従業員に対して給料を支払うことができるので、事業を継続しやすくなります。

個人でも需給を意識して行動しよう

サーチャージ料金導入が個人の行動に対してアナロジー的に教えてくれていることは、期間や時間帯により、広義では需給バランスによって、物事の価値や価格は大きく変わるということです。

「みんなと同じことをする」ことは、安心かもしれませんが、結果としてやっていること自体の全体の価値を下げています。
「みんなが大学に行くから自分も行く」とか「新卒でよく聞く企業にみんな行くから自分も行く」とか、多くの人と同じように行動することは、その決断や行動自体の価値をみんなで下げていることになります。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」は、相当怖いことをしています。

だから差別化、他と違ったことを自ら選んでやっていくことが大事なわけですね。
誰かに求められずとも、何かを続けている人は本当に強い。
誰かに求められてからやる、ではなく、求められる前から「求められることになるだろう」と信じてやっていることや「求められるかどうか関係なく、やりたいからやるのだ」ということは、自分主導で価値を決定できる点が良いところです。

サーチャージ料金がなかなか取れないのは、短期的に見て今のお客さんが離れていくかもしれないから、という不安があると思います。現に離れていく人もいるでしょう。
でも、長期的に見て、良いものを供給し続けていくためには、本来の需給バランスを考慮した適正価格に引き上げていく必要があります。
供給制約がより進んでいく日本社会において、今後より必要な決断になってくるはずです。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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