スタートアップのVision Mission Value策定プロセスの全容とそのポイント
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スタートアップのVision Mission Value策定プロセスの全容とそのポイント

高田優哉/commmune

commmuneというサービスを提供しています。コミューン株式会社代表の高田です

先日、コミューン株式会社のVision / Mission / Value (VMV)を策定しました。

私自身、最初はVMVの必要性についても懐疑的でしたし、実際に策定するといってもどのように作っていけばよいのか検討もつかないところから手探りで取り組んだので、誰かの役に立てればと思い当社での策定プロセスについて記します。

なぜ策定したのか?

もともと私は、シリーズA前のスタートアップにVMVが必要なのか?と疑問に思っていました。そんな建前よりも、目の前の仕事をがむしゃらにやるだけだろうと思っていたからです。

しかし、下記2つの理由から、VMVの必要性を痛感しました。

1.  ~20人の壁(経営陣依存の個別コミュニケーションからの脱却の必要性)
コミューンは現在~20名規模のチームです。10人を超える規模になってきたときに、経営メンバーとそのひとのあいだにワンレイヤー挟まるメンバーが出てきていて、気づけば数日間直接話す機会が無い、ということがあることに気づきました。

ちなみによくあるマネジメント論では、一人がマネジメントできる範囲(スパン・オブ・コントロール)は8人まで、と言いますね。なので、1名で経営しているのであれば10人を超えるタイミング、経営陣が3名いるのであれば24名を超えるタイミングで明確に必要性が出るものと思います。

これまでは私や経営メンバーが直接コミュニケーションをとる人だけだったので、特に明確な指針が無くとも適切なコミュニケーションが取れていた(と勝手に思ってた)のですが、直接コミュニケーションができないメンバーが出てきていて、今後組織も更に大きくなっていくことが想定される中で、「言霊」のような形で経営陣の意思を伝える必要があると感じました。

2. フルリモートワークにおける自律駆動形組織への移行の必要性
上記を背景に12月半ばからVMVの検討を開始していたのですが、そんな中で新型コロナウイルス感染症が日本でも流行し始め、当社も3月半ばから完全在宅勤務に切り替えることとなりました。
フルリモートワークになると、行動管理型マネジメントには限界があることに気づきます。細かくアクションを指示することは難しく、かわりにマインドセットを共有化し、それに基づいて個々人が能動的にベストな選択をする、「自律駆動形組織」への移行の必要性が大きくなりました。
自律駆動形組織になるために、みんなが共有し、依拠する、行動規範の必要性が高くなり、VMVの策定も、経営陣の中でより重要度認識が増しました。


どうやって策定したのか?

VMVのうち、Vision、Missionについては経営陣が話し合いを重ねて、割とスムーズに決定しました。実はcommmuneというサービスの立ち上げ当初からずっとVision / Missionのようなものを掲げていたので、それをブラッシュアップしたというイメージです。

一方で、Valuesについては苦労しました。経営陣3名は何かしらの合言葉を持って事業経営をしてきたわけではなかったからです。

そこで、下記のようなステップで取り組みました。

1. まずは経営陣が大事にしている価値観をキーワード化
2. チームメンバーに経営陣の口癖を聞く
3. 上記2つを並べ、抽象化、その上で、結晶化
4. 抽象化した概念を逆に超具体化して行動基準のレベルに落とし込んでみて、重要性を見える化 / 強度をテスト
5. 最も重要なものを取捨選択し、メッセージを研ぎ澄ます

 それぞれ詳細は下記のとおりです。

1. 経営陣が、自分が働くうえで大事にしていることをキーワードとして共有ドキュメントに記載。この30分で出しましょう、というようなブレスト形式もやったのですが、どっちかというと働いている中で「これ大事だな」みたいなのが出てくることが多いので、1週間ドキュメントを開きっぱなしにして、その都度記入していました。

2. 他方で経営陣が自分自身では理解していなかったり、当たり前だと思いすぎていて言語化できていない可能性もあると考えました。そこで、チームメンバーに対して経営メンバーそれぞれの口癖/大事にしていそうなことを聞き、ドキュメントに加筆しました。VMV関係なくとも、この取り組みは面白いし意義があるなと感じます。

3. ドキュメントには無数のキーワードが並んでいます。似たような言葉を一つにしたり、統廃合をしていきます。そのうえで、要はどういうこと?というようにぐっと結晶化します。そうすると、いくつかの異なるように見えるキーワードも、実は同じことを言っている (同じことを重要視したことで出てくる、2つの異なる結果)ことがあり、どんどん数は少なくなり、研ぎ澄ませることができます。

4. これがポイントです。3.で抽象化した概念を、ぐっと超具体の行動のレベルに落としてみます。これを行うことで、解像度高くそれぞれを理解できるようになりますし、優先順位付けができるようになります。後述しますが、普段の行動規範になるか?を重視したので、「ひとのやくにたつ」的な、たしかにそうだけど、具体ではなに?みたいな言葉を避けるためにも、このプロセスで限りなく具体のレベルで強度をテストしたことはよかったです。

5. そして最後に、取捨選択を行ったうえでネーミングを研ぎ澄ませます。当社の場合は、私の友人のコピーライターにサポートしてもらったことで、後述する「使いやすさ」を大事にしながら、メッセージをすごくうまく押し出すことができました。
ちなみに尊敬するユーザベースでは、7つのルールと31の約束、というのを掲げており、我々もvalueの数については悩んだのですが、最終的には自然と3つになったので、敢えて増やすことはしませんでした


どんなVision Mission Valueとなったのか?

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画像のとおりになりました。

Valuesについては少し補足します。

超本質主義
コミューンには、成果で語るカルチャーがあります。他方で、成果を出せばそれでよいのではなく、その成果を出すときの効率性や生産性も非常に重視しています。 
コミューンは必ずしもあたま数を闇雲に増やすことはしません。一人ひとりのパフォーマンスが高い少数精鋭のチームのほうが何倍もよいと考えているからです。他方で、長時間労働を強いることは一切ありません。チームの皆さん一人ひとりにとって、コミューンは人生の大事な1ピースでありたいですが、コミューンがすべてではなく、プライベートや家族との時間も大事にしてほしいからです。
そういった背景から、チームメンバー一人ひとりには、主体的に「なぜこの業務を行うのか?」「そもそも何が本質的な価値なのか?」を問う能力を求めます。 
チームコミューン
コミューンのメンバーには、自己成長型であることが求められます。 
このとき最も重要なのは、自分と「向き合う」ちからがあることだと考えています。自分を最もよく知るべきなのは自分自身ですが、意外と自分自身と向き合うことには勇気が必要です。チームコミューンのメンバーには、自分と向き合うちから、勇気を持っていただきたいです。
対メンバーという意味合いでは、コミューンでは心理的安全性を大変重要視しています。心理的安全性はよく誤解されがちな概念ですが、「気を使い合う仲良しクラブ」ではありません。むしろバチバチに率直に意見を言い合う関係性を築くために必要なものです。
闊達に意見を言い合うためには、ひとりひとりの間で、心理的安全性、信頼関係が構築されていることが大変重要です。 そのためには、互いに「向き合う」ことがなによりも大切です。
そして、コミューンの外に対しては、背中を合わせて対峙できるチームでありたいと考えています。
背中を合わせられることには、いくつかの前提条件があります。 1つ目に、自分の背中(対応できないウィークポイント)を任せられる仲間がいること、2つ目に、その人に信頼が置けること。3つ目に、自分の持ち場(前面)は自分が攻め/守りきる能力があること、4つ目に、好きに動く者がおらず背中が離れない(チームが一枚岩である)こと。
チームコミューンとは、自分の持ち場を守る高い能力と責任感を保有するメンバーが、心理的安全性をベースとした信頼関係を築き、背中を合わせて、チームのために戦うことができる組織です。
狂気 
アイデアで勝ち負けは決まりません。山登りでいうなら、登る装備や使うツールは本質的な差異を生みません。commmuneでいうならば、例えば表層的な機能の差異は勝ち負けを左右しません。
最も大きな変数となるのは、「実行力」(オペレーショナル・エクセレンス)です。 一日いちにちで登る距離の差分はわずかかも知れませんが、それが積もり積もったときに、圧倒的な差を生みます。
その実行力の差を生むのが、どれだけやりきれるか = 徹底力 です。 80%の完成度を実現することはスキルがあれば可能ですが、100%の完成度を実現することはスキルだけではなしえず、徹底するマインドセットの有無が成否を分けます。
徹底することを徹底し、やりきることを積み重ねていれば、ふと気づくと山のだいぶ高いところに登っていて、見える世界が変わっていることに気づくでしょう。


策定するにあたって意識したことはなにか?

VMVを策定するにあたっては、3つのポイントを意識しました。

1. 行動規範になること

Vision / Mission / Valueの役割は、ひとりひとりの行動や判断の基準になることです。逆に言うと、理念としては素晴らしくても具体の行動指針がイメージしづらいものは、向いていないと考えています。故に、今回我々が策定したものについても、なるべく行動基準として活用されるよう、「動詞」を使うことを意識しました。

2. 会社の色が出る / スタンスがあること

「ひとのやくにたつ」というのは素晴らしい理念ですが、会社の特色を表すものか?と言われるとそうでは無いかも知れません。VMVは会社のカラーを示すもの、会社が特に重要視するものを示すものだと考えています。
ゆえに、もしかしたら議論を呼ぶかも知れないし、好き嫌いがわかれるかもしれない"リトマス試験紙"的な役割が持てるよう、スタンスを取りました。

3. ことばとして口癖にできる / ネタにできる汎用性

「向き合えてるね、いいね」「もっと徹底的に徹底しようよ」「本質的な課題ってなんだっけ」
このように、普段の業務の中で使える汎用性は極めて重要です。
基本的にVMVは策定することに意味があるのではなく、浸透してはじめて意味があるものなので、ネタにされることを含めて、メンバーが使いやすい言葉であることを意識しました。
個人的には、特に「向き合う」というのは当社しか使っていない言葉遣いだと思っていて、当社のカルチャーを表していますし、とても気に入っています。


最後に (告知)

コミューンでは、全職種絶賛採用中ですが、特にカスタマーサクセスの採用が急務となっています!

当社のVMVをご覧になってピンときた方、詳しく聞いてみたい方など、興味ベースでもよいので是非お問い合わせください〜!!!

GW中に軽くzoomお茶しましょう!!🚀

採用以外でも、VMV自体やその策定プロセスについてご質問のある方は、Twitterでご連絡くださいませ!

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高田優哉/commmune

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高田優哉/commmune
企業とユーザーが融け合うカスタマーサクセスプラットフォーム【commmune】を提供する コミューン株式会社のCEO。 岩手の田舎→東京大学→BCG(日中米)→現職。日本一筋トレするCEOを目指してます。 SaaS / 顧客ポータル / コミュニティ