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今週の【情報通信をとりまく】気になるニュースまとめ

2023年9月に突然インターネットを使えるようになった部族を、ニューヨーク・タイムズが取材していました。一年も経たず、それは「なくてはならないものになった」と言います。どんな弊害があっても、もう後戻りはできないという現実。改善しながら、前に進むしかありませんね。


その一票で、これだけ変えられる

民間出身の知事が大改革。「選挙にいっても何も変わらない」と諦めていてはだめかも。

-富山県は21年度まで大学発スタートアップ数が最下位
-20年に経営者出身の新田八朗知事が就任。県の成長戦略の柱にスタートアップ支援を位置づけ
-学校数あたりの企業数は富山県が最も伸び。民間出身知事のトップダウンによる支援体制の強化などが奏功

クッキーなくても刺さる広告

ポストクッキー時代の考察。「デジタルマーケティング」というより、顧客との「デジタル空間における接点」をいかにより良いものにするか、という言葉に言い換えた方が良さそう。

ー企業と消費者の接触の6割は、実店舗ではなくデジタル空間で起きる

役にも立つ、選挙のAI利用

使い方次第で、AIは民主主義をもっと身近なものにできる。

ー一部の政治家は、AIアプリを使用して自分たちの演説をインドの22の公用語に吹き替え、有権者とのつながりを深めた

スマホで簡単に高額バイトの闇

SNSで離合集散、あらゆることのハードルが下がる時代。

ートクリュウとは新しいタイプの犯罪者集団
ーSNSやインターネットの掲示板で闇バイトとして募集をかける

デザインの「効果」って?

見えづらいイノベーションへの投資。定量的な指標づくりへの取り組みに注目です。

ー富士通デザインセンターでは、企業価値につながるデザインの効果を定量化する研究に取り組んでいる

コミュニティ参加の機会どうつくる?

スマホ時代に、リアルなつながり=コミュニティへの参加の機会を、若者に対してどう確保していくかが問われています。

-コミュニティに縁がない若者は、オフライン生活で得られない帰属意識やつながりを「ソーシャルメディアやオンラインプラットフォームで見つけようとしがち
ーだがオンラインのつながりは多くの場合、不安定で一時的で、見知らぬ人でいっぱいだ。そして、怒りを煽ったり、ユーザーを長時間そこに留めておくように設計されている

奈良県で起業家育てる「寮」

先日は企業の「合宿」について触れましたが、寮に合宿に…原点回帰? いいえ、令和版はひとあじ違う。

-県内の大学や高校に通う学生らが入居し、スタートアップの拠点や企業との交流スペースを設ける全国でも珍しい施設

次なるUI革命は?

アップルという会社は、マウスやスマホのスクリーン操作など、まったく新しい「UI革命」を起こしてきた。その伝説は、AIとデバイスの融合という新たな局面を迎える。

-高性能な生成AIを使うと、コンピューターを、あたかも有能な秘書や専門家に仕事を頼むのと同様に使えるようになる
-現在の技術では能力がごく限られているものの、生成AIで従来の限界を大幅に超えたエージェントの実現が可能

当初「遠隔接客」は想定されていなかった

ロビイングが注目される背景には、テクノロジーの進歩がある。

-酒の販売方法を定める『酒税法』や、たばこに関する『たばこ事業法』は、実店舗に実店員がいることを前提とする
-法律の制定当初、遠隔接客は想定されていなかった。時代の変化に合わせて、規制が追いつくようにしないといけない

鹿児島県警不祥事のニュースに思う

ジャーナリズムは、たとえ「投獄されようと・拷問されようと」守るべき倫理がありますが、それがなかなか一般の人には理解されないもどかしさがあります。

-公権力によって強制的に情報提供者を調べるような事態がまかり通れば、もはや健全な民主主義国家とはいえない

これがデジタル時代の新しい地方分権

「国と地方で」協力しながら、ともに個人を支える共通ゴールに向かって歩み寄りが進む。

-霞が関は地方をマクロでとらえ「こうすれば地方も回るはず」と考えがち
-経済界では「地方分権で自治体が勝手にやるからバラバラになる」との分権不要論も聞かれる

「幼なじみ」がキーパーソン

新キャラクター登場が、物語を大きく動かす起点になるのは少年マンガもビジネスも同じ。

-事業化は難しいと考えていたQuizGeneratorも幼なじみが仲間に加わったことでビジネス化に向けて動き出した

ルイ・ヴィトン奇跡の共演第二弾

クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシの共演を実現させたルイ・ヴィトンが、今度はナダルとフェデラーを共演させる。

ー極端で熾烈な競争が友情に変わるという、まさにスポーツのあるべき姿を体現した二人は、彼らをおいてほかにいません

日本の学校教育、良いところもたくさん

自分たちで教室を掃除し、給食も自分たちで。そんな当たり前の教育が、日本の良さを生み出しているわけです。

ー自分たちで教室を掃除し、給食を出すシステムを持つ制度としては、唯一です。子供たちは幼いうちから責任感を学ぶんですよ。この点は私たちが認めるべきことですし、他国も見習える部分でしょう

暑い中で勉強すると成績が落ちる

冷房を適切に使いながら、生産性を上げてまいりましょう。

ー室温を摂氏21度から40度まで上げた結果、被験者の脳への血流は9〜10%低下。こうした「脳に血が通わない状況」は人を混乱させる。明晰に思考し、推論し、記憶し、考えを構築することを可能にしている脳のネットワークは、熱によって機能が落ちてしまう

肌が白いほど高収入…差別の現実

リアルすぎるリアル。

ー関係者のなかには、多様なバックグラウンドを持っていなかったり、多様な友人に囲まれていなかったりするため、多様性が実際に何を意味するのか理解していない人がいます
ーたとえば、アジア系のインフルエンサーが完全に除外されることも

ふるさと納税でスタートアップ支援

個人や企業が、ふるさと納税で事業支援。起業家もその枠組みを貴重な資金調達の場として活用します。

ー福岡市では24年度から、市内に本店を置く社会課題解決型のスタートアップ向けに寄付を募り、その全額を補助金として渡す事業を始めた

AI×二次利用で、テレビはより効果的に

テクノロジーの力と新たなビジネスモデルの発想で二次利用を可能にし、チャネルとしてのテレビメディアの価値を高めてくれそうな取り組みです。

ーAIが商品の映像や出演者の発言などを抽出して編集する。自動でテロップも付けられる
ー小売店から月額課金したり、小売店に販促動画を配信したいメーカーから料金を徴収したりし、東芝とテレビ局で収益を分配する

ロビイング「される側」の課題

有識者から構成される「第三者機関」の意見をもとに計画が閣議決定される体制だが、そもそも「第三者」だけで現場への効果的な仕組みづくりができるのか。

ー主要法案の制定過程でのステークホルダーの関与の度合いは、日本はOECD加盟国中最低
ー今の政府内の規制改革の構図を単純化して言えば、デジタル行財政改革会議や規制改革推進会議が孤軍奮闘し、これらの会議から検討すべき規制の指摘を受けた省庁だけがしぶしぶ会議のヒアリングに対応するという形になっている

MUFG処分の裏に、当局の複雑な思い?

三菱UFJ処分の検証記事。成長と規制のバランスの難しさが垣間見えます。

ー顧客軽視の経営姿勢は見過ごせないが、国際競争力の強化にむけた道筋まで壊したくない――。金商法で改善命令を出し、銀行法で改善命令を見送る対照的な対応には、金融庁の複雑な思いもにじんでいる

LVMHの次なる標的は…?

LVMHはどこまで拡大するのでしょうか。買収が実現したとしても、もはや衝撃ではないかも

ーアルノー氏は抜け目のない取引の手腕で知られており、過去にも標的と定めた相手に内密に近づく戦術を使ったことがある

EUと巨大テックの戦い、どうなる?

規制はイノベーションを殺すのか、それとも生かすのか?真逆の主張が、真っ向から対立している構図。

ー規制当局は急激に発展するテック業界への対応が遅すぎで、反競争的な行為を追及する法的手段がないと指摘されてきた
ー大手テック企業は、ルクセンブルクにあるEU司法裁判所で今後何年にもわたる戦いに挑み、欧州委の規制執行の影響を遅らせるとみられる

鳥取サウナ熱にみるムーブメントの起こし方

「インフルエンサーの移住」をきっかけにムーブメントが起きつつある事例。

ー鳥取にはタオルでサウナ利用者に熱風を送る「熱波師」として愛好家に有名な五塔熱子氏(本名は石黒明日香氏)が鳥取の自然に魅了されて移住し活動している。それを契機にサウナ旅として鳥取が静かな話題になっている

10分で完売、輪島塗のキーボード

これは面白い。伝統産業と現代技術の掛け合わせは、色々なところでヒントになりそうです。

ーPFUは、輪島塗をあしらった同社製キーボードの提供を、クラウドファンディング(CF)サイト「マクアケ」で始めた
ー一部アイテムは開始10分で売り切れるなど「想定以上の人気」

偽情報、米比と共同対策へ

アメリカ、フィリピン、そして日本の枠組み。特にフィリピンは数年前に「権力とジャーナリズムの対立」を経験しており、そこから学べるものは多いと思います。

ー日米比はいずれも主に中ロからとみられる偽情報に苦しめられている
ー偽情報は巧妙に事実と交ざり「表現の自由」との兼ね合いで規制も難しい

今週もっとも感動した記事

「誰もがリーダーシップを発揮できるはず」…この言葉に背中を押される思い。

ーデジタル広告に関わる人たちが、この産業を良い構造にしようという取り組みは、民主主義を良いものにすること

「ラウンドワン」がアメリカで大人気?

日本ならではのビジネスが、世界で当たる事例は他にも出てきそう。

ーラウンドワンは日本が好きな米国人、なかでも熱狂的に日本のアニメやゲームが好きな米国人Weaboo(ウィアブー)たちの聖地になっている
ー日本に旅行できるほど裕福ではないウィアブーにとって、ラウンドワンは身近に日本を体験できる貴重な場

スペイン人が「志摩スペイン村」を評価したら

思わぬ高評価と、「大胆さ」というツッコミ表現が実に面白い。

ー再現度については「オリジナルに非常に忠実」などと評価
ー一方で、マドリードの観光名所の広場「プエルタ・デル・ソル」の真ん中に同じく同市のシンボルの「シベレスの噴水」が設置されているとし、「大胆な点もある」とも

米メディアが日本の「乾かし方」に注目

浴室乾燥は日本特有の文化なんだそうです。洗濯にはお国柄が出る。

ーこの乾燥機を効果的なものにしているのが、日本の浴室に独特の設計だ。トイレはたいてい別の小個室にあり、浴室は極めてコンパクトだ。独立したシャワースペースと、深いながら小ぶりのバスタブがある場合が多く、それ以外にはほとんど何もない

世界でユニクロ2万コーデ、結果は…?

2万円コーデは世界のユニクロでどこまで差があるか。最安の日本は3日分+αくらい買えるけど、アメリカやドイツでは1日分のコーデしか買えないのは衝撃的。

ードイツと英国でも①〜③の3点だけで2万円弱
ー世界で最も安いのは日本。①を3点、②を1点、③を2点、④を2点の合計8点を買って、やっと1万9470円

生成AIが「売り文句」考案、売上アップ

プロンプトにデータや口コミ、文字数なども指定すれば、立派なPOPの下書きが出来上がります。

ー店舗の購買データと通販サイトの口コミを基に、AIが効果的な「売り文句」を考案。一部の店舗・商品で約1カ月試したところ、売り上げが増加

社内起業で「人」は育つか?

社内起業制度は、なかなか事業化につながらないと尻すぼみになりがちだといいます。だからこそ「起業で人を育てる」の心意気が素晴らしい。

ー採用されたアイデアの提案者が、大和ハウスの出資を受けた新会社の経営者として事業化
ー念頭に置くのは、創業者・石橋信夫氏の言葉「事業を通じて人を育てる」の実践

生成AIで巧妙化する詐欺の手口

社内のテレビ会議に映る同僚が、本物の人物とは限らない時代。サイバー攻撃の対象として、いま日本は狙われている。

ー急増するのが日本だ。日本は23年、前年比35%増と伸び率が世界でトップ

突然ネットが使えるようになった部族

2023年9月に突然インターネットを使えるようになった部族を、ニューヨークタイムズが取材。一年も経たず、それは「なくてはならないものになった」と言います。

ーインターネットのせいで、若者が怠け者に
ー反対派が危惧する「ポルノの影響」
ーそれでも、もう後戻りはできません。部族長たちも明言していますが、我々はもう、インターネットなしでは生きていけない

なぜ高齢者は自宅に現金を隠す?

ただ「安心だから」といったシンプルな理由だけではないようです。

ー「世代を超えて金融機関に対する不信感を持ち続けている」ことも多い。
ー認知症やアルツハイマーなどの症状は、被害妄想や昔の行動、たとえば「若い頃は現金を自分で保管していた」などの行動への回帰を引き起こす可能性も

極右台頭のキーワードは「脱悪魔化」

とても不気味な話です。選挙結果と、その後の動向に注目したい。

ー主導するマリーヌ・ルペン氏は人種差別発言を控え、欧州連合(EU)離脱といった極端な政策変更の主張も撤回
ー今のRNは幅広い有権者が支持しやすい存在になりつつある

世界のメディアはなぜ危機に瀕しているか

平和な日本では、「メディアは民主主義の根幹」という意識を、記者も、そして国民も、実感として持ちにくい環境です。

-米国では地方紙が次々と廃業に追い込まれ、メディアによる権力の監視機能が弱まるという問題が起こっています

出産はペナルティどころかプレミアム?

北欧における調査。産休育休が女性のキャリアにとって経済的マイナスかどうかというと、実は長期的に見ればプラスに働く可能性があるそう。

ー出産した女性の年収は、子供を持たずにいる女性と比べ、短期的に平均22%減少することが判明した。だが長期的には、この賃金ペナルティはわずか3%に縮小
ーその後の女性の生涯にわたって、当初の所得落ち込み分を補う以上の所得増をもたらしていたという

メディアの弱体化は国力低下につながる?

メディアが苦しむ状況を見て見ぬふりをするのは、私たちの自由や平和な暮らしが、知らぬ間に制約されてしまうことを「許容」してしまうことと同義かもしれません。

ー報道機関が直面する問題を看過すれば、そのしわ寄せは私たちの日常にも及ぶ
ー読者の方には、メディアがいま置かれている状況を通じて、自分たちの社会の在り方についても関心を持ってもらえたら嬉しい


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