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離島で不登校になり中学受験を考え始めるまで

小6長男、小4次男、小1の娘がいる。

2020年のコロナ休校明けから、長男と次男は週に1日ほど学校を休むようになった。そして、小6長男は、離島から、首都圏の私立中学校を受験しようとしている。これまでの経緯を書いてみたい。

小4次男がめまいで学校へ行けなくなる

2022年に入り、末娘が入学して「とうとう小学生が3人になった!めでたい!!」と、感慨深い気持ちでいた。

ところが、ゴールデンウィーク明け頃から次男が起立性調節障害と思われる症状で、朝から夕方にかけてめまいで動けない日が続き、学校を休みがちになった。

スクールカウンセラーや総合病院にかかったものの、これといった治療法も変化もない。ただ、休みの日は調子の良いことが多く、小児科の先生に「精神科などカウンセリングも受けた方が良いのでは?」と、相談したこともあった。

「起立性調節障害は、自律神経系だからメンタルの問題というわけではない」「でも、やっぱり長期休みは症状がやわらぐ例は多い。学校生活が何かしらのストレスがあるのかもしれません」

とのことで、できることはあまりなく、学校の先生と連絡を取り合い、気が乗ればオンラインで参加し、夕方元気になったら学校へ行き先生と話したりその日に進んだ部分を補習してもらったりしていた。

学校に行く行かないはともかく、毎日具合が悪くて横になってる子どもを見るのは、切ない気持ちになる。

具合が悪いと、他のこと(絵を描くとか本を読むとか)も何もできない。それに、学校へ行かずに授業を受けないというのは、他の子がしている体験機会がすべてなくなることで、言いようのない不安に襲われる。

本人は、「学校は楽しい、好き」だと言うが、それでも、体にストレスの反応が出ているのだとしたら、環境を変えたら何か変化もあるのかもしれない。

離島で暮らしていると他の居場所の選択肢はほとんどない。オンラインも、小学生向けのものはそれほど多くない。調べて、体験しているところだ。

「本当に具合わるいの?」

起立性調節障害の子にいちばん聞いてはいけない言葉だと言うけれど、疑問に思うこともあった。

しかし、ヤキモキする私をよそに、病院や学校の先生、スクールカウンセラーさん、友だち、周りの人達が皆、「次男の体調はよくない」のを当たり前に受け入れてくれていたことが、ありがたかった。結局、6.7月はほとんど登校できなかった。

次男だけでなく、長男や長女も行きたくない時は休む、みたいなスタイルになった。私も、はなから「行かなくても良いよ〜」とは言えないので、時に励まし、時に教室まで送っていきながら過ごした。幸い仕事はオンラインでできるものが中心だったので、子どもたちを横目に気にかけながら、仕事もしていた。

夏休みに入って、予想通り次男の調子が良くなった。やはり学校生活には何かしらのストレスがあるのだなあと感じている。夏休みは毎日学校を気にせず、思い切り遊んだ。楽しかったなあ。

2学期 長男がほぼ不登校に

2学期になり、今度は小6長男の休みが増えた。学校で少し嫌なことがあったらしく「行きたくない」と言い始めた。

めまいは減ったものの、次男は週に1.2回は休んでいて、「学校は退屈だ」と話す。2人とも、決まった通りに動くのが好きではないのだと感じる。

小6の長男が、「中学校は環境を変えたい」と話すようになった。

具体的にやりたいことや行きたい場所があるわけではないから、難しい。夏休みに東京に帰省した際、学校を2つ見学した。オルタナティブといわれる、少人数で自由さがある学校にも魅力を感じるし、取材をしたことのある長野県にできた新たな学校も気になっていた。

9月は、学校に行かない息子を目の前に、どう過ごしたら良いのか、オンラインオフライン含めリサーチしたり人と話したり、かなり右往左往していた。

オルタナティブ系の少人数の学校は、もう出願時期になっているところも多く、しかも、いざ出願しようと思うと、なかなかタイミングや条件が難しい。

母、なにかがキレる

そんな中、私立中学でも、探究学習や自己決定を大切に考えている学校が増えていることを知る。これまでの長男の興味関心や、楽しんでいたときの様子を振り返ると、「アクティブラーニング」「探究」などがキーワードになりそうだと感じる。

さまざまな学校のホームページや、教育関連の取材をしている方などにお話を聞いて、「受験も良いかも」と気持ちが前を向き始めた。

ただ、小6秋9月からの中学受験って現実的なのか、全く検討もつかなかった。そこで、知窓学舎の矢萩邦彦先生に相談する機会をいただいた。

「小6秋からの中学受験もできないことはない」「お子さんを一蹴しないで、チャレンジさせてあげようと思えるのは良いこと」

などなど、具体的なアイデアだけでなく、背中を押される言葉をたくさんもらった。ここで、腹を決めた。

「悩んで動かないのは性に合わない!!動くんだーーー!!!」

スイッチが入り、10月に2回東京へ飛行機で行き、学校をいくつか見学した。8月から7校、長男と説明会に参加した。

私立中学は私の知らない世界で、かなり新鮮だった。息子の学校選びは関係なしに、もっと見に行きたいし取材もしたい気持ちになった。

見学した学校は、いずれも「絶対ここがいい!!」と、スイッチが入る………ほどではなかったけれど、長男にとっても良い印象だったらしい。触れ合う生徒さんたちが、手を振ってくれたりにこやかだったり。

ある学校の説明会では、登壇した生徒さんのトークに対して、司会の先生が「あれ、これ打ち合わせと全然違うこと話してますね(笑)」と、話していた姿が印象的だった。どの学校も、先生と生徒さんの間に信頼関係が見えたたように思えた。

こうして、島に戻り、中学受験に向けて勉強をしはじめた。

動き始めた矢先、矢萩先生の新刊『子どもが「学びたくなる」育て方』が発売となった。しかも、担当編集者は一方的に絶大なる信頼を置いているダイヤモンド社の今野さん!!

幼少期からの子育て中の人におすすめしたい本でありながら、いきなりある中学校の入試問題が出てくる。

矢萩先生がこれまで中学受験をどう感じていたのか、疑問を持ちながら向き合ってきたことが伝わってきて胸が熱くなったし、勝手にエールを送ってもらったように思えた。

11月現在

長男はたまに登校、時々学校の授業にオンラインで参加しつつ、オンライン家庭教師の先生にお世話にもなりながら家で少しずつ勉強を進めている。

ただ、色々と心配は尽きない。

そもそももし長男が合格しても、本当に中学に通えるのか。次男と末娘の転入先はどうするのか。夫はすぐには異動が難しそうなので、私と子ども3人で引っ越すのか。いや、次男は「島が良い」と言っている………。

こんな調子だ。今は、長男の受験に舵を切っているけど、いくつかのパターンを想定して考えておく必要を感じている。

ここでも、本からヒントをもらっている。

実はこの本も、以前取材させていただいた、軽井沢在住の坂口惣一さんが立ち上げた会社が作った本だ。

2020年にライター活動を始めて、亀の歩みで進んできた点と点が、思いがけず道を照らしてくれている。

この選択が良いことなのか、母12年目、まだまだ自信が持てずにいる。ただ、工藤先生流に言うならば、私にとっての最上位目標は「子どもが幸せでいること」かもしれない。ここをブレないように選んでいけたらと思う。

学校ってなんだろう。なんのために行くんだろう。

私は子どもの頃、特に疑問を持たずに学校に通っていて、教育学部に進学し、小学校教諭の免許まで持っている。

先生にはならなかったけど、子どもたちを通じて気づけば教育のことばかり考えている。私も、自分の中での教育像をアップデートしていく必要があるのかも。

日々何を考えて行動しているのか、当事者のリアルな葛藤も残していきたい。

体験談もぜひ、色々シェアしてもらえたら嬉しいです!

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「探究メディアQ」さん

プレジデントオンラインの中曽根陽子さんの記事

私もライターとして、子育てや教育分野の記事を執筆しています!


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