見出し画像

リゾナーレ小浜島 | 身をまかせる

八重山巡りの旅。目的地のひとつは小浜島だった。3年前、まだ石垣島に住んでいたころ、1度だけ来たことがあった。こじんまりとした島の景色の中に、石垣島や竹富島ともまた違う、空気の流れがあった。今日は、小浜島の思い出を、綴ろう。

わたしたちは、石垣島から船に乗り、30分ほど揺られた。その心地よさにふたりとも爆睡。港につき、看板を持って待っていたスタッフに声をかける。荷物だけ預けて、島をまわることにする。レンタサイクルで電動自転車を借りる。小浜島は坂道が多く、普通の自転車だと大変とのこと。レンタサイクル店はいくつかあるけれど、どこも同じ値段だったので、空いているところにした。手際よくおじいとおばあが案内してくれる。小浜島をまわるおすすめルートも教えてくれた。

わたしたちは西側に向かって散策することにした。集落を抜けて、細崎(くぼさき)海岸まで。お目当ては「サクライコーヒー」。わたしたちは、あがったりさがったりする小浜島を勢いよく走り抜けた。気持ちよかった。風を一身に受けながら、風に押されながら。

港から20分ほど漕ぐと、いよいよ西表島が見えてきた。西表島の大きさに圧倒される。深い緑が生い茂っている西表島。次回の八重山旅では西表島に行こうね、と話した。少しすると、1件のお店が見えた。どうやらお目当てのお店。「これだね!」とさらにスピードをあげる。着いた~!と思ったのも束の間、わたしたちの目に入ってきた『closed』の文字。まあそんなこともあるか。Googleマップの情報は島では当てにならないことを再確認。仕方なしに、わたしたちはそのままもっと西へ漕いだ。

ぐるり、ぐるりと小浜島を。ひとしきり周り、一休み。喫茶店「ヤシの木」へ入った。小さな店内にはいくつかの席と、ショップコーナーがあった。ご夫婦でやられているようだ。わたしはアイスコーヒーを、夫は黒糖ラテを。出されたドリンクに敷かれた紙のコースターにはかわいいイラストが描かれていた。あまりにも可愛くて、結露で濡れないようにコースターを手に取った。このイラスト可愛いですね。持ち帰ってもいいですか?」と伝えると、「わたしが描いているんです。」と教えてくれた。どうやら、奥さんはイラストレーターで、ショップにはその可愛いテイストのイラストのポストカードやTシャツなどが売られていた。絵本なども描かれている作家さんだということが分かった。どれも本当に可愛かった。

お話を少し伺うと、小浜島出身というわけではないという。仕事で訪れた小浜島に魅せられて、移住したらしい。いろんな人生があるんだなと思う。ポストカードを何枚か買った。水彩絵の具で描かれたメニューのカレーライスが美味しそうで、次回は食べたいなと思った。

2時間ほどのサイクリングを終え、わたしたちは港へ戻った。自転車を返して、リゾナーレ小浜島行きのバスへ乗り込む。ホテル向かう。ゴルフ場が隣にありゴルフバッグを持ったひとも多かった。

ひと息着いた後、ビーチへ。リゾナーレ小浜島の敷地内は広く、移動手段として電動キックボードがある。これが楽しくて、楽しくて、気持ちが良くて。無駄に施設内をまわったりした。

夕食の時間まで、特になにもしなかった。ただ海を眺め、ただぼーっと空を見る。なにもしない、という贅沢が、非日常感をより一層助長した。普段はなにもしないことが出来ないせっかちなわたしも、どうしたわけか、島にいると出来てしまう。島の魔法。

夕食は『さとうきび』というお店へ行った。小浜島の居酒屋は予約をすると大抵の居酒屋が送迎してくれる。1人2500円のコース仕立てのお料理。この日のメニューは島豆腐ともずくの佃煮、らふてぃ、ジーマーミ豆腐の揚げ出し、刺身盛り合わせ、チャンプルー、じゅーしー、サービスに月桃の葉と一緒に蒸した蒸し物が出てきた。どれも、絶品だ。アダンの新芽。生パパイヤ。今日おじいが釣ったというミーバイ。ここでしか、味わえないものたちが一同に出てきて、テーブルの上はとっても賑やかだった。あっという間に平らげた。

ベランダで夜風を浴び、ラウンジで作ったバスソルトをいれて、お風呂に浸かった。そのままベッドへ倒れ込み、すっかり深い深い眠りについた。曇っていて星空は見えなかったけれど、月明かりが綺麗な夜だった。

朝食は『OliOli』でビュッフェである。彩り豊かな食事たちが並んでいた。ビュッフェってどうしてこんなにもわくわくするのだろう。好きなものを好きなだけ、あるいは一口ずつ全部、自分の思うような食べ方で食べていいという、その贅沢な食事法。ホテルのご飯ならではの醍醐味なのではないか。黒糖の風味豊かなフレンチトーストを、帰ってきた今でも頭の中で思い返す。

彩り豊かな朝ごはん

部屋に戻り、またなにもしない時間。全室スイートルームである客室。デイベッドでいつまでもごろごろしながら、空を見て、今日は晴れそうだな、などと考えたりしていた。水着を持ってこなかったことが唯一の後悔。リゾナーレ小浜島には、ラウンジの前に大きなプールとビーチに海を一望できるプールがある。それに入れなかったことだけが心残りである。

プール付きのお部屋もある


時間はあっという間にたってしまいチェックアウトの時間。わたしたちはチェックアウトを済ませ、小浜島をあとにした。次は必ず2泊しようと心に決めて。ゆらりゆらりと船に乗って。また来るね、と思いながら石垣島へ戻った。

なににもあがらうことなく、ただただその巡り合わせと時間の流れに身を任せること。自然のままに生きること。そうしたいと思っていること。生きるということに、どこまでも素直でありたいと改めて思う時間を小浜島で過ごした。島はいつも、大切なことを教えてくれる。

サムネイルは夜のリゾナーレ小浜島。
とっても美しかった。

▼リゾナーレ小浜島 公式サイト▼

(備忘録)今回行けなかったお店たち
▼CANAAN 朝食とコーヒー

▼島ダイニング ゆうな

▼味処 ふくぎ

▼大岳展望台

▼BOB's CAFE


見に来てくださりありがとうございます^^これからも心のままに、言葉を大事に、更新を続けます。サポートいただけたらとてもうれしいです!