何故だか記憶に残る
昨日、ピアニストの中村紘子さんが亡くなった、というニュースを読んで、何となく思い出したことがあるので、忘れないうちに書いておこう。
ちなみに、私はクラシック音楽は嫌いではないけど特に興味も造詣もなく、まして、夜、部屋でひとり感慨に耽りながら聴く……なんてほぼ皆無です。
一度くらいコンサートに行ってみたいな、くらいの気持ちはなくはないけど、敢えてアクションを起こすほどでもない。
ついでに、楽器という楽器はまったく弾けず、『ねこふんじゃった』も出来ないくらい、真正の楽器&音楽痴……まさに『音痴』です。
そんな私でも、好きな曲とか曲調くらいは、あります。いちお、はい。
正式タイトル聴いてもわかんないけど、曲を聴けば「あ、これ好き」って感じのやつ。
……で、中村紘子さんと言うと思い出すのが、まず、カレーの宣伝。
出演していらっしゃるのを観て、「え~!ピアニストの人って料理なんてしていいの~?」とか思いましたからね。
この私の間違った認識をというか思い込みを正してくれたのが、この宣伝。
とても料理の上手な方だったそうですね。
だけど、何よりも。
私にとっての『中村紘子さん』の印象というのは、もうウン十年前、私が子どもの頃。
あれは、『旭化成』さんの宣伝でした。
グランドピアノを弾いている中村紘子さんが、四方を糸というかワイヤーで吊った、四角くて分厚いコンクリートのような、板のようなものの上に乗っていて、それがスーッと吊られて下がってくる、という宣伝でした。
その時に中村さんが弾かれていた曲。
子どもだった私は、曲名も知らないその曲に衝撃を受けた記憶があります。
もう、手が痙攣するんじゃないか、ってくらいの動きに目が釘付けになり、そして「何てスゴい曲なんだ」と。
後に、中学の音楽の先生が同じ曲を音楽室で弾いているのを聴いて、私はその曲のタイトルを初めて知ったのですが。
それがフレデリック・ショパンの、
『幻想即興曲』
別名、
『即興曲第4番 嬰ハ短調』
という曲でした。
有名な曲なのに、そこで初めて知ったという……。
考えてみると、あれはいったい何の宣伝だったんだ?と思ったら、
『旭化成 ハマナカ手編み糸』
という言葉が流れていたので、あの吊っていたワイヤーみたいなやつの宣伝だったんだろうなぁ~と思います。
たったそれだけの宣伝だったのですが、この『音痴』の私にクラシック音楽に束の間の興味を抱かせた、スゴい人だったなぁ~と思い出します。
心からお悔やみを申し上げます。
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