詩 / 平和
平和 それは
お母さんの愚痴
おじいちゃんの長話
ぽちゃっとした私のお腹
きみの臭い靴下
青い空 赤い夕日
誰かの笑い声
しずかな夜
つなぎあえる手
***
平和とは、あたり前の日常のこと。そんなことを表現したくてつくった詩。谷川俊太郎さんの『平和』という詩から、着想を得てつくった。
その詩のなかの、「平和/それは花ではなく/花を育てる土」という一節がとっても好き。本当にその通りだ、って思う。特別な一瞬を下支えする、当たり前の日々こそが平和なんだと。
今こうして、鈴虫の声を聴きながらパソコンに向かっていること。友人から他愛もない連絡がくること。まだ洗っていないお皿たちがシンクに積み上がっていること。ああ、なんて平和なんだろう、幸せなんだろう。でもそれを、あえて意識して特別に感謝する必要はないんだよなあとも思う。意識できないほど当たり前の日々をこそ、きっと平和と呼ぶのだから。
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