ブランドロイヤルティを高める3つのメリット

前回の記事で、ブランドロイヤルティを高める具体的な2つの方法を紹介した。

①特権の提供
→自社ブランドを選んでくれた顧客に特別感を与える施策。

②ブランディング
→ブランド価値を維持、向上させることを目指し、顧客の頭の中に自社ブランドの強みや差別優位性を植え付ける活動のこと。

今回は、ブランドロイヤルティを高めることで得られるメリットを3つ紹介したい。

①価格競争をしなくて済む(高い利益率に設定できる)

→日本には多くの企業があるが、現代では各社の技術力が高まった結果、「商品の品質が良いこと」はもはや当たり前となり、競合他社と「製品の品質面」で差別化することが難しくなっている。消費者の視点から見ると、製品Aと製品Bの製品品質が変わらないのであれば、
判断基準は「価格」となることは容易に想像できる。そうすると、自社の取るべき戦略は「低価格戦略」となる。しかしこれは、自社にとっても、競合他社にとっても望ましくない。なぜなら、企業Aが1000円の値下げを行ったら、企業Bはそれ以上の値下げを実現しなければ企業Aに勝つことができないため、1100円の値下げをしたとする。そうすると企業Aはさらなる値下げをせざるを得ない。こうなると、各社は低い利益率で競争するしかなく、マクロ視点で見ると、「市場全体の利益率が低下」してしまい、その業界自体が衰退してしまう。
これを防ぐためにとるべき戦略がブランドロイヤルティの育成であり、簡単に言うと「自社ブランドのファン」になってもらうことで、たとえ自社製品が競合他社より価格が高くても、顧客に、「このブランドの商品を買うためなら、高い価格を払っても良い(価格プレミアム)」と思ってもらい、購入してもらうことが可能となる。

②継続購入を狙える(ブランドスイッチされにくくなる)

→ブランドロイヤルティを高めると、継続購入を狙えるというメリットを享受することができる。2回目以降の購入を「リピート」と言い、リピートにつながる確率を「リピート率」というが、このリピート率に大きな影響を与えるのが、初回の購入(トライアル)の際に、商品を実際に使用してみた、商品の使用体験である。
この使用体験を通じて自社ブランドを好きになって貰えば、リピート率は向上する。
リピート率が高まるということはすなわち、自社ブランドの顧客が、他社ブランドの顧客に取られてしまうというリスクを低下させることにつながる。

③顧客が勝手に宣伝してくれる(良い口コミを書いてくれる)

→ブランドロイヤルティを高めるメリット3つ目は、顧客が自社ブランド、自社製品を勝手に宣伝してくれるということ。
どれだけコストをかけた広告やプロモーションも、「満足した顧客による口コミには勝てない」ため、口コミというのはそれほど強力な宣伝ツールとなるが、こればかりは企業自身が発信することができない。
そのため、顧客のブランドロイヤルティを高め、自社ブランドのファンになってもらい、「自分の使っている商品を宣伝したい(情緒的価値)」という気持ちや、さらには「このブランドの商品を使っている自分が好きだ(自己実現的価値)」という気持ちを顧客に持ってもらうことで、顧客自身が、頼んでもないのに宣伝してくれる確率が高まる。
実際読者の皆さんも、今まで買ったことないような商品を購入する時に、「口コミ」を参考にしたことがあるだろう。企業の広告が、自社製品を良く宣伝するのは当たり前で、本当に信頼できるのは、「実際に商品を使用したユーザーの声」なのである。

以上3つが、ブランドロイヤルティを高めることによって享受できるメリットである。

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