睡眠の調整

私が人生の目標のひとつにしているものに睡眠時間の調整がうまくいくということがある。これは睡眠に関しての悩みの深い私の目標だ。

睡眠ほど個人差の大きい物はないと思っていて、他の三大欲求の食欲と性欲に関してはいろいろとコントロールできる気がするのだけれど、睡眠はコントロールがとても難しい。

例えば食欲に関して言えば、決まった栄養価の物を決まった量食べるということができればコントロールできている状態だと考えられる。出来るかどうかは別として。

でも睡眠に関しては何時にベッドに行き、何時に起きるという目標を立てても、眠りにつくという行為がコントロールできない。酷い時には何時に起きるという行為もコントロール出来ないことがある。

そして、睡眠の調子が整っていない時には、その日の調子は最悪なままで過ごさなくてはいけない。とにかく睡眠不足は最悪。その一言に尽きる。

睡眠について悩むようになったのは、仕事をするようになり不規則な勤務が始まってからだろう。病院での夜勤があったため、昼間だけでなく夕方から深夜に働くこともあれば、深夜から朝方に働くこともあった。その当時は職場の人も同じ働き方をしていたので、不思議に思わなかったがいま考えると、どう考えても人間のすることではない。

中には布団に入れば眠れるという体質の人もいて、そういったタイプの人は日中の勤務が終わり、その後日付が変わった夜中に出勤する時でも、すぐに仮眠がとれていたみたい。でも、そんな簡単に眠れずに短時間だけ効く睡眠薬を飲んで仮眠したり、全く仮眠出来ずに出勤してくる人も多かった。私も簡単には眠れないほうだったので、色々な方法を試したが、眠れても一瞬意識がなかったという程度で、疲れを残したまま出勤していた。

そんなことを繰り返していたら、睡眠リズムが狂い夜も眠れなくなるのが当たり前で、段々と眠れない日が続き、睡眠薬をしょっちゅう使うようになってしまっていた。それから体調を崩し夜勤のある職場は退職をしたが、その後も睡眠に関しての苦手意識が高くなったままだ。

しばらくして子どもが生まれると、今度は子どもの世話で眠れない日々が続く。子どもが1人の時も授乳だ、オムツ替えだ、夜泣きだ、で眠れなかったが、睡眠不足の本当の恐ろしさを感じたのは2人目が生まれてからだ。1人目は2歳でお昼寝をする時期だったけど、その時に新生児である2人目が寝ていないと私は昼寝をすることが出来ない。昼間とても疲れる。

そして夜。さあ寝るぞと思う前に2歳の長女がいつまでたっても寝ない。何時間かかけて寝かしつけを終えて、次女の様子を見ながら残った家事などをする。やっと眠れる。そう思って布団に入っても今度は次女が寝ない。目を離した隙に事故でもあって死んでしまっては困るので、眠いと思いながら次女が寝るのを待つ。やっと次女が寝たと思ったら長女の夜泣きが始まる。私が眠れるのは2人が同時に寝ている時だけ。そして、その時間はとても少ない。信じられないくらい少ない。これは拷問か、というくらい少ない。

でも、ワンオペで育児している人の日常はそんな感じ。辛いけど数年間頑張った。そして今、子どもの寝かしつけも必要なくなり、好きなだけとは言えないが過去に比べたら寝る権利を取り戻しつつある。

しかーし!寝る権利を手に入れたのに、体が寝てくれない。老化だろうか。いや、それも関係しているが、それだけではない。好きな時にリラックスして気持ち良く眠りに落ちるあの感覚を長年感じないままでいたら、体がそれを忘れてしまったようだ。

あの、あ、眠たい、あ、目が閉じちゃった、やだ、すごい心地よい、このまま寝ちゃうかも、だめだめ、お風呂入らなきゃ、それにお腹いっぱい食べてから30分しか経ってない、また太っちゃうよ、そうだよ、私ダイエット中だったはず、さあ、体起こして残ってることしな・・・・・・・・

という理性を超えた眠りにつく至福のひととき。これって当たり前にあると思ってたけど、そうでもない。今はこんなふうに簡単に眠れなくなってしまった。やはり老化のような気がしてきたが、いやいや、まだ老化ではない。

やっぱり眠れない日々が続いて、私は眠るのが下手という苦手意識が根付いてしまったことが大きいのだろう。それに眠ることに神経質になりすぎて、次はいつ眠れるのか、今日○時間しか寝ていないのに、ということばかりを一日中考えていた事も関係しているだろう。好きな時に好きに眠るという本能的な行動を何年かしていなかったことで私という人間は本能を忘れてしまったようだ。

だから毎日寝ざめた時に、ああ今日も寝足りないという不完全な気持ちを持ちながら朝の支度を始める。たまには、わースッキリ寝れたわ~という気持ちで朝を迎えたいが、なかなかそこまでの域には達しない。朝に好きなだけ寝て体がすっきりと回復していたころが懐かしい。私にとって青春の思い出=爽やかな朝のような気がしてきた。

睡眠をコントロールできたらもっと人生が充実する気がする。何でもできてしまいそうな気もする。睡眠は大事だ。これから未来に向けて自分の体を大事にするためにも睡眠の調整がもっと上手になりたい。睡眠が上手にとれなくなったのは決して老化のせいではないということも固く信じていきたい。

私を幸せにしてくれる全てを愛しています♡