【冬至 陰極まりて陽生ず】古代中国哲学から観た「冬至」の意味
今日は、冬至。
かぼちゃと小豆のいとこ煮を食べる所以は、
かぼちゃは、冬至は陰が極まり再び陽にかえる日なので、陰(北)から陽(南)へ向かうことを意味しており、冬至に最もふさわしい食べものになったとか。
小豆は、昔から小豆の赤は邪気を祓うと言われているので、冬至粥で邪気を祓い、翌日からの運気を呼び込もうというわけらしい。
冬至は、中医学や古代中国哲学において非常に重要な節気であり、「陰極まりて陽生ず」という考え方に基づいています。
中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくることから、陰が極まり再び陽にかえる日という意の「一陽来復(いちようらいふく)」といって、冬至を境に運が向いてくるとしています。つまり、みんなが上昇運に転じる日だとか。
1. 古代中国哲学における冬至の意味
陰陽論
冬至は、陰の力が最も強くなる時期であり、同時に陽の力が生まれ始める転換点とされています。陰極まりて陽が生まれるということから、新しい始まりを象徴する日でもあります。
天人合一
古代中国では、自然と人間の調和が重視され、冬至は自然のリズムに従って生きるための重要な指針とされました。
五行思想
冬は「水」の季節に対応し、「腎」の働きと深く関係しています。水は蓄える性質があり、冬至はエネルギーを蓄える時期と考えられました。
2. 中医学における冬至の重要性
腎の強化
冬至は腎を養うのに最適な時期とされます。腎は生命エネルギー(精)を蓄える臓器であり、冬の冷えや乾燥に対して体を守る役割を果たします。この時期に腎を補うことで、一年を通じての健康が維持しやすくなります。
陽気の温存
冬は「閉蔵」の季節であり、陽気を消耗しないようにすることが大切です。過労や冷えを避け、温かい食事や適度な運動で体を温めることが推奨されます。
養生の基準
冬至を境に、生活リズムを整え、早寝遅起き(太陽が昇ってから起きる)を実践することが勧められます。
3. 冬至の食養生
冬至には体を温め、腎を補う食材が重視されます。以下の食材や料理が中医学的に推奨されます。
温熱性の食材: 生姜、ニンニク、桂皮(シナモン)、黒胡椒
腎を補う食材: 黒豆、黒ゴマ、栗、ナツメ、山薬(ヤマイモ)
陽気を補うスープ: 羊肉スープや鶏肉スープなどの滋養強壮スープが好まれます。
4. レシピ例
黒ゴマと山薬のお粥
材料: 山薬(粉でも可)50g、黒ゴマ10g、もち米50g、水適量
作り方:
もち米を洗い、鍋に水を加えて火にかける。
もち米が半分ほど柔らかくなったら、山薬と黒ゴマを加える。
全体がトロリとなるまで煮込み、好みに応じて砂糖や蜂蜜を少量加えて完成。
5. 冬至の行事と精神的な側面
冬至は、一年の無事を感謝し、新しい陽気の訪れを祝う日でもあります。古代中国では、冬至に先祖を祀ったり、家族で団欒しながら暖かい食事を共にする習慣がありました。
瞑想や静養: 陰が極まる時期は、精神的にも内省や瞑想に適しているとされます。この時間を利用して心身の調和を図ることが勧められます。
つぶやき
冬至は、自然と調和し、次なる季節への準備を整える特別な日。
この時期に、身体を温め、エネルギーを蓄え、穏やかに過ごすことが健康と幸福につながります。
人は、身体と心で、できている。
なので、身体も健やかにすることで、心も変わってゆく。心も健やかにすることで身体も変わってゆく。両方とも大事。どちらも養生が大切だね。