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№508 医療法人が運営するフィットネスクラブ

我々の取引先様には医療法人があり、医療法人がフィットネスクラブを運営するためのサポートを行っています。
フィットネス業界では「メディカルフィットネス」という括りに位置づけられていますが、どういった施設なのかを説明していきます。

医療法42条施設とは、医療法人が疾病予防のために運営する運動施設のことを指し、医療機関の付帯業務として認められています。診療所が併設されており、生活習慣病患者やその予備群の方に対して、有酸素運動や体力測定などの保健指導や運動指導を提供しています。それには厚生労働大臣の定める基準に適合する必要があり、職員、設備及び運営方法について具体的には以下のような基準があります。

・職員については、健康運動指導士その他これに準ずる能力を有する者を配置すること。
・設備については、トレッドミル、自転車エルゴメーターその他の有酸素運動を行わせるための設備や筋力トレーニングその他の補強運動を行わせるための設備などを有すること。
・運営方法については、成人病その他の疾病にかかっている者及び血圧の高い者、高齢者その他の疾病予防の必要性が高い者に対し、適切な保健指導及び運動指導を行う施設として運営されることや、附置される診療所は、施設の利用者に対する医学的な管理を適切に行えるよう運営されることなどが求められます。

一般のフィットネスクラブと何が違うのかというと・・・

・生活習慣病やその予備軍の方に対して、厚労省が定める基準を満たした安全で効果のある運動療法を受けることができる
診療所が併設されているため、医師や看護師などの医療関係者の指導や管理を受けることができる
医療機関と提携しているため、必要に応じて医療機関への紹介や連携がスムーズにできる
所得税法第73条に規定する医療費控除の対象となる場合があります。医師の指示に基づく運動療法を実施する際に必要となる施設利用料について、年間10万円以上支払った場合、その金額を所得から控除することができる

簡単にまとめると、医療機関が運営する施設なので専門的かつ安心して利用できるところが特徴です。

一般のフィットネスクラブの場合、運動指導を担っているのはアルバイトスタッフが多いのが現状で、専門的なトレーナーから指導を受けたい時は追加料金を支払って、パーソナルトレーニングを受講しなければならないことがほとんどです。一方で医療法42条施設では「健康運動指導士」の配置など基準がありますので、質の高い指導が普通に受けれますし、運営を工夫されている病院では「理学療法士」も運動指導に加わっているパターンがあります。健康と身体の専門家にサポートしてもらえるのは心強いですよね。

こういった施設は1980年代から徐々に全国に広がりましたが、近年では超高齢社会の課題やコロナ禍の影響で再び注目されています。国や自治体も、医療費や介護費の削減に向けて、医療法42条施設(メディカルフィットネス)に関連する法整備や施策を推進しています。ご興味にある方は、お問い合わせください。

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