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ゆう
2021年5月22日 07:36
Sallyに会うことは、私にとって、人生で大切なイベントだと感じていた。目標を立てた訳ではなかったけど、その目標を達成するために、私は一生懸命になった。何かに夢中になることは、私にとっては珍しいことだった。ガイドブックを何冊も買って、シンガポールの観光地を調べた。マーライオンやマリーナベイサンズ、ナイトサファリ、私が知ってることなんてそのくらいだった。ガイドブックを見ていると、小さい国
2021年5月19日 19:40
シンガポールに行くことを決めたけど、そもそもパスポートを持っていなかった。なんせ、最後に海外に行ったのは、14歳の時。とうの昔に期限は切れている。そう、海外に行ったのだって、18年も前のこと。大学で英語を学んでいた割に、海外に行ってなさすぎた。母親に「何のためにその大学行ったの?」と言われるわけである。とりあえず、日本の外へ行くために必要なパスポートを取得した。次に、シンガポールへ行く
2021年5月18日 19:32
Sallyとは、Facebookで連絡が取れるようになっていた。似たもの同士の私たちは、メッセージのやりとりはマメではなく、誕生日や、何かのタイミングで連絡をして、どちらかが返信せずにそのまま終わる、というのを繰り返していた。それが、私たちだった。とはいえ、最後にメッセージを交わしたのは2015年、その時ですでに4年前だった。本当に長らく連絡をしなかったものだと思う。早速、メッセージを
2021年5月17日 17:20
Sallyとさようならをしてから、私はいつもの大学生活に戻った。日常だった。それからは、大学で勉強を続け、4年生になる頃には他の人がするように就活をして、無事大学を卒業した。将来の夢や、やりたいことは特になかった。地元で就職できればよかったから、地元の会社に就職した。別にやりたいことでもなかったけど、自分なりに一生懸命働いた。新卒で就職した会社は、2年少しで退職した。一生懸命に働いてい
2021年3月23日 21:53
Sallyは、私より4つ年上のお姉さんだった。身長が低くて、とっても細くて、顔が小さくて、屈託のない笑顔が素敵な人だった。メイクは薄くて、さっぱりとした感じ。他のシンガポール人2人は、しっかりメイクしていたからか、1番年上なのに、1番年下に見えた。性格も、さっぱりとした明るい人だった。彼女たちは、キリスト教の宣教のために日本に来ていたから、一緒にいる時は、“God“の話をすることがあった。
2021年3月20日 22:52
Sallyと出会ったのは、2007年の夏。私が大学生の時だった。大学で英語を専攻していた私は、留学もせずに、大学の授業で英語を話す練習をする日々を過ごしていた。日本人同士で英語を話すことは多く、お互い間違っていてもなんとなく通じる、なんてゆるい感じで学んでいた。海外からの留学生がいたけど、その人たちの周りにいるのは積極的な学生ばかりで、今でいうパリピ近い雰囲気だった。そんな妙に明るい雰囲気
2021年3月11日 21:14
「会いたい人に会いに行くといいよ。」約2ヶ月間の有休消化期間を前にした私に、苦手だった元上司が言った。その言葉は、ぼーっと生きてきた私を強く突き動かした。8年間勤めていた会社を、私は辞めることにしていた。多分、そんなにめちゃくちゃには悪い会社ではなかったけど、会社のやり方についていけず、どんどんしんどくなっていった。心はどんどんズタボロに。「ここにずっといる将来がイメージできない」と、