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シンガポールに帰りたい #2
Sallyと出会ったのは、2007年の夏。私が大学生の時だった。
大学で英語を専攻していた私は、留学もせずに、大学の授業で英語を話す練習をする日々を過ごしていた。日本人同士で英語を話すことは多く、お互い間違っていてもなんとなく通じる、なんてゆるい感じで学んでいた。
海外からの留学生がいたけど、その人たちの周りにいるのは積極的な学生ばかりで、今でいうパリピ近い雰囲気だった。そんな妙に明るい雰囲気が苦手で、外国人と話すことは全然していなかった。なんのために英語を学んでいたのか、と思われるくらいだったと、今になって心底思う。
それでも、日本人の友達とは仲良くやっていたし、外国人の友達はいなくても、そこそこに英語を学んでそこそこに楽しい大学生活を送っていた。
そんなある日、大学の構内で、アジア人っぽい人たちの集まりに出会った。
きっかけがどんなものだったかは忘れてしまったが、話を聞くと、大学への留学生ではないことがわかった。学生以外が自由に出入りしても問題ない雰囲気だったので、入ってきたのだという。
アジア人はどこの国の人かと思ったら、シンガポール人だった。私たち同級生のグループより、2〜4歳年上の女の人たち。留学ではなく、キリスト教の宣教のために日本に短期滞在しているとのことだった。
彼女たちは、日本語が話せなかった。シンガポールの独特なアクセントの英語。聞き慣れない英語を話す彼女たちに、最初は少し戸惑ったのを覚えている。
私は、友人2人との3人グループだった。彼女たちも、偶然にも3人。人数的にもなんとなくぴったりで、聞き慣れない英語ながらも、すぐに仲良くなった。
Sallyは、その中の1人だった。
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