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僕が肉を食うのを辞めた理由

昨日、4月22日は地球について考えようぜっていうアースデイ。てなことで今日は環境についてのことを書こうと思います。

旅をしていろんな国を見ているうちに自然に魅了されたからこの星が愛おしくてたまらない筆者ですが、昨今の環境問題の話を聞くとすごく憂鬱な気分になります。こういう美しい自然が息子や孫達に見してやれないのは悲しいなと思い、いつしかできることがないかなと模索した結果、ライフスタイルをがらっと変えました。

それは食です。

最近少しづつ日本でも ”ヴィーガン”だとか ”植物由来”だとか文字を巷で見るようになってきた気がします。CMでも「英語にするとPLANT MILK」みたいなを見かけますよね最近。

”ヴィーガン”という言葉になじみのない人の為に。           ヴィーガンとは”完全採食主義”と呼ばれる、ベジタリアンの進化系みたいなもので牛乳、チーズ、卵みたいなものは良しとするベジタリアンに対して、前者は蜂蜜等を含む一切の動物性食品を認めていないなかなか気合の入った人達。海外ではこのヴィーガンやらベジタリアンは結構定着してきていて、バックパッキング始めてからこれらのライフスタイルを貫く人とも沢山会ってきたし、日本ではほとんど見かけないヴィーガン料理専門店ですがいろんな国で見つけられました。

そんな人たちに感化されてかされずか、また環境問題のドキュメンタリーを見てから、以前は高級焼肉店でアルバイトをして賄いとしてほぼ毎日牛肉をしばき倒してた僕でしたが、肉を極力食わない生活を始めてもうすぐ2年間くらいになります。

一見異常に聞こえるこれらのライフスタイルかもしれませんが、始めた理由は人それぞれで、多くは動物愛護の観点や健康面からなどいるのですが、僕の場合は環境的観点から。

肉を食べることと環境って何の関係があるの?ってなる方もいると思います。しかし実際にはその影響はとてつもなく大きく、国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)においても温暖化の加速化を止める為に菜食への移行が推奨されています。

というのも畜産業というのは地球全体で排出される温室効果ガスの約14%を起因していると言われていて、地球上のすべての交通手段が排出している排出ガスに匹敵するみたいです。

というのも家畜というものは飼料、主に穀物を食べ育てられています。人の手によって作られた大豆などの穀物によって太らされた動物を食べているわけで、穀物を濃縮したものを食肉として消費しているわけだから、当然そのまま穀物や野菜を食べるよりもはるかにエネルギーコストが高い。数字で見ると世界中の農地の約75%~80%が家畜用の飼料の生産に使われているとのデータも出ています。

そして牛や羊、ヤギなど反芻動物(胃がメッチャあって食べたものを一度口にリバースして噛むのを繰り返すやつら)の多くはゲップやおならからメタンガスを発生させていて、大気中のメタンの3割近くがこれらの家畜から発生してるなんてデータも。メタンの何が問題なのかというと、このメタンの温室効果はCO2の28倍近くの影響があるとの研究結果が出ています。おならゲップも舐めたらあかんぜよって感じですね。

問題というのは排出ガスだけに限らず、毎日大量に排出される排泄物の処理や水不足の懸念、森林喪失などの問題もあります。家畜の排泄物が水質に与える影響は極めて深刻で1992年から現在までの間に投棄された糞尿によって汚染され生き物が住めなくなったデッドゾーンは75%増加。1KGの小麦を生産するのに必要な水が約1350Lに対して、200gの牛肉には3200Lも消費されてるようです。そして去年、アマゾンでの大規模な森林火災が起きていたことも記憶に新しいと思いますが、その出火原因の一つが畜産の為の農地の獲得であり人為的な放火も数多く行われました。1970年代から喪失したアマゾン熱帯雨林は約4分の1にも達するのではというデータもあり、失われた土地のほとんどは放牧や飼料になる大豆の生産へと姿を変えています。この25%は不可逆的な影響が出てくるティッピングポイントともいわれており、地球上の25%の酸素、20%の真水を生産してる”地球の肺”の生態系が崩壊すればその影響はえらいこっちゃってのは理解に苦しむことはないはずです。

ここまで沢山出た数字に何が何だか分からなくなってくるかもしれないですが、要は畜産ばり環境に悪いって話です。

おそらくそんなん知らんかったわって人も多くいると思います。温暖化という危機感は世界共通になり、皆が石油や排ガスをやり玉に挙げる中、交通手段と同量の影響があるこの畜産業だけがなぜ大々的に批判に合わないかというと、食品業界の政治やメディアへの影響力って絶大なもので皆が言い出しにくいという大人の事情があるみたいです。だから自分から能動的に調べないとこういった情報は得れないのでちょっと共有しておこうと思った所存です。

そんなこんなで僕はなるべく肉を食わないセミベジタリアンみたいのを始めました。(実際は明確な定義が自分でも分からないです)年に数度、特別な機会を除いては、基本のスタンスとして環境的負荷が少ないベターチョイスを選ぼうと心がけています。つまりは、なるべくベジタリアンメニュー、また可能であればヴィーガンを選び、積極的な肉の消費を辞めました。只、タンパク不足などの栄養不足の懸念があったり、菜食のみじゃ物足りない感があるときもあるので魚介類は食べてます。もちろん人に頂いた料理や親が作った料理に肉が入ってたら、捨てる、断る方が倫理的に間違っているのでありがたく頂きます。

ここまでひたすら畜産を否定している感じになりますが、僕自身、畜産自体が滅びればいいとも思わないし、世界中の全員がヴィーガンになるべきとも思いません。人類の発展の陰には家畜の存在は農耕での使役、運搬、また乳による安定的なタンパクの獲得、など大きな貢献があります。肉、乳製品を含む食文化も人類の残していくべき貴重なものの一つであることも間違いありません。

個人的に肉を食べること自体は自然なことで、野生のを狩ったジビエや家で飼ってるような家禽や豚などを食すことは何ら問題ないなと思います。つまり畜産だとか肉食という習慣が悪いのでなく、資本主義により暴走した今の生産第一の畜産システムがよくないなぁと。だから肉だとかは贅沢品として消費されるべきなんじゃないかと考えてるわけです。(詳しくは知らんがそうすれば生産が落ちても畜産農家は生活していける、多分)

結局、縄文時代の暮らしに戻らない限りは人間が生きてて自然に負荷をかけることは不可避なので、如何にこの文明を維持しながら影響を最小限にするかってことで、要は自然との調和ですよね。僕たちの大切なものを残しながらも自然とうまくバランスをとっていく、そういう事だと思うんです。

そう思ってから肉は毎日食べなくても死なんなと思い一大決心をした、これが僕が肉を食べるのを辞めた理由です。

結局ここまでダラダラと語ってきましたが何が言いたいかと言うと、もちろん肉を食べることは個人の自由だから人が食べるのを僕がどうこう言う事では無いです。それに絶対肉は我慢できないみたいなのもめちゃくちゃ分かります。だって間違いなくうまいもん、肉。

ただ「環境問題は気になるけど何したらいいかわからない!!」って人だとかが、環境に気を使って肉の消費量を減らす人が一人でも増えたらいいな嬉しいなってのと、ミートイーター達もメニューを選ぶ時にたとえ肉料理を選ぼうが、焼肉を食べに行こうが、一瞬でも「そうえばこんなNOTEの記事があったな」みたいなことが頭によぎれば僕の勝ちで、わざわざ二時間くらいかけてこの記事を書いた意義はあったと思います。


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