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リスク・ウェイト・ゼロ

 「地方債」に関する特集が組まれた財ラボ4月号が届きまして、非常に興味深く読ませていただきました。勉強になる内容だったのですが、中身云々よりも文中に出てきた単語「リスク・ウェイト・ゼロ」の響きのカッコよさが気になってしまい(笑)、調べてみましたので備忘録的に記しておきます。 リスク・ウェイトとは(定義)  リスク・ウェイトとは、保有する資産(債権)の種類によって決まる信用リスクの大きさを示す指標のことです。貸倒リスクの大きい資産ほど高いリスク・ウェイトとなります。  すな

    • 自治体財政を健全に保つ仕組み

       地方分権の進む昨今、各自治体には、健全な財政を維持しうる経営手腕が問われています。しかし、全国に1,700以上も自治体があれば、いくつかは果敢に攻めすぎて失敗したり、放漫経営で財政難になるような自治体が現れてもおかしくないと思っています。笑  と言いつつもそんな自治体が多数発生してしまっては、割を食うのはそこで暮らす住民の方々ですから、そのような事態を防いだり、もしくは適切に再建を図る手立てとして「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(以下「健全化法」)が平成 19 年

      • 自治体の財政って硬直化してるの!?

         自治体の財政状況を測る物差しである”財政指標”には色々な種類がありますが、「経常収支比率」は割とメジャーな指標で聞いたことある人も多いんじゃないかと思います。  経常収支比率とは、人件費など経常的に支出する「経常経費充当一般財源」が、税収や普通交付税など経常的な収入である「経常一般財源等」に占める割合を示しています。「財政構造の弾力性」の度合いを判断する指標の1つとして用いられています。  毎年毎年経常的に支払うものに対する割合が大きいほど、その時々の時勢に応じた政策などに

        • 世にも奇妙な臨時財政対策債

           恥ずかしながらつい数年前までその存在を知らなかったのですが(笑)、調べれば調べるほど奇妙な財源だなぁと思うのが今回のテーマである”臨時財政対策債”(以下「臨財債」)です。 臨財債の借入額は年々膨らんできており、令和3年度時点で地方全体で54.1兆円となっております。(但しR5年度からは減少傾向のようです。) 国と地方の折半ルール  地方交付税は法定率が決まっているため、地方の需要に対し税収が足りない事態が生じることがあります。地方交付税の原資が足りない場合、無い袖は振

        リスク・ウェイト・ゼロ

          地方に必要な財源はどのように確保されるのか

          端的に言うと”地方財政計画”及び”地方財政対策”についての記事です。 地財計画と地財対策の定義  地方自治体は、教育、土木、厚生労働、産業経済、警察・消防などの各分野にわたり国民生活に密接に関連した行政サービスを一定の水準で提供しています。これらの自治体による基礎的な行政サービスの提供については、地方財政法、地方交付税法等により、国がその財源を保障することが定められています。  このため、国は地方財政をマクロでみて全国津々浦々に財源がきちんといきわたるよう目配せしなければ

          地方に必要な財源はどのように確保されるのか

          ”財政破綻”の町、夕張市再生への期待感

           地方自治体が”財政破綻”した事例と言えば、2006年に財政再建団体に指定された北海道夕張市が真っ先に思い浮かぶでしょう。  夕張市は1892年に夕張炭鉱が採炭を開始して以来、日本有数の炭鉱の街として発展しましたが、国のエネルギー政策の転換により石炭産業が衰退し、最盛期に12万人近くいた人口は今や6,374人(R6.1月時点の住民基本台帳ベース)となり、人口減少に歯止めがかかっていません。  原因はいくつか指摘されていますが、主なものを挙げると以下の3つが大きいのではないで

          ”財政破綻”の町、夕張市再生への期待感

          自治体財政を学び直す

           何をいまさらって話ではありますが、自治体財政について改めて学び直し、アウトプットの場としてnoteにしたためてみようと思います。  今まで財政部門の経験はないどころか予算担当になったことすらない素人ですが、組織のお財布事情や、財政の仕組みを知らずして仕事ができるのか!?ちゃんと学ばねばと思いつつ、なんとなく苦手意識あるし避けて生きてきたこの10年余り。まぁしっかり分かってなくてもなんとか仕事はこなせちゃうというのが正直なところですが、財政の知識を蓄えていた方が適切な判断がで

          自治体財政を学び直す

          朽ちる我がまちのインフラと被災地の未来

          皆さんは「朽ちるインフラ」という本をご存知でしょうか。 この本、私が以前受講した都市経営プロフェッショナルスクールの課題図書の一つなんです。 当時、課題図書なので読みましたよ。 「正直あんまり興味惹かれないなぁ」と思いながら(笑) でも結果的に読んでよかったのです!非常に。 最近ふと思い出し読み返してみましたがやはり良書でしたのでnoteにしたためておくことにしました。  2011年に発刊された本書は、橋の崩落、水道管の破裂、堤防の決壊、市役所の倒壊といったインフラ崩壊が

          朽ちる我がまちのインフラと被災地の未来

          【BOOK MEMO】未来の年表

          いつもよく私のことを気にかけてくださる区長さんがおりまして(自分の住む地区の区長ではありませんがw)、ある日、職場にこんな本を持ってきてくれました。 【未来の年表】人口減少日本でこれから起きること / 河合雅司著 そして区長のメモ書きも添えられていました。 本はおそらく新品。きっと私のために1冊買ってくださったんだと思います。かなり時間かかっちゃいましたが読み終わりましたので内容と所感を記しておきます。 1.どの国も経験したことのない特異な時代へ この本を一言でいう

          【BOOK MEMO】未来の年表

          倉敷スピリッツを受け継ぐ「臨鉄ガーデン」に学ぶ

           初めまして。都市経営プロフェッショナルスクール7期生の戸上です。  岡山県倉敷市の水島地区で鉄道高架下や公園など公共空間を活用したマルシェ「臨鉄ガーデン」にインターン生として参加しましたので、今回の学びを記すべくnoteをはじめます。  文章が苦手でコンパクトにまとめるのは諦めましたが(笑)、それでもよければご一読ください~。 ▮初めて訪れた倉敷というまち  倉敷市といえば、人口47万人を擁し、和洋織りなす白壁の町並みが美観地区として継承される有数の観光地である一方、

          倉敷スピリッツを受け継ぐ「臨鉄ガーデン」に学ぶ