リスク・ウェイト・ゼロ
「地方債」に関する特集が組まれた財ラボ4月号が届きまして、非常に興味深く読ませていただきました。勉強になる内容だったのですが、中身云々よりも文中に出てきた単語「リスク・ウェイト・ゼロ」の響きのカッコよさが気になってしまい(笑)、調べてみましたので備忘録的に記しておきます。
リスク・ウェイトとは(定義)
リスク・ウェイトとは、保有する資産(債権)の種類によって決まる信用リスクの大きさを示す指標のことです。貸倒リスクの大きい資産ほど高いリスク・ウェイトとなります。
すなわちリスク・ウェイト・ゼロとは、貸倒リスクが極めて低い、というかリスクが0%であり確実に償還されるとみなされていることになります。
地方債はそんなに安全なのか
国家財政における財政破綻の可能性については「財政規律派」、「リフレ派」、「MMT派」など経済学者の中でも主張が分かれています。
公債残高対GDP比の膨張による財政破綻を危惧する意見を採用する財務省に対して、バランスシート(借金だけでなく資産も勘案)を見て当面の財政破綻はないとするリフレ派や、一定の条件下であれば財政破綻は起こらないと主張するMMT理論では赤字国債の是非に関して大きな見解の相違があります。なにが一番正しいのかは私のような素人が見極めるのは至難の業です。(自分なりの見解は持ち合わせていますが。)
一方で自治体財政に関しては私の調べる限りデフォルトの可能性が絶対にないと経済学的に言い切れる明確な理論はなかなか見当たりませんでした。
では一体何をもって「リスク・ウェイト・ゼロ」なのでしょうか。
地方債の安全を守る仕組み
総務省のHPに地方債の元利金が確実に償還される根拠として、以下のような事柄が載っていました。
普段なかなか実感しにくいことではありますが、交付税措置により償還財源が確保され、地財計画により計画的かつ確実に借金を返済していく道筋が示されていることや、財政状況が傾きかけたとしても早期に是正措置を図る事で危機的状況は回避できる法的枠組みも整えられており、自治体による安定的な資金調達に繋がっているのです。
もっというと、自治体は基本的に赤字地方債を発行することができず、国よりも厳密に「建設公債主義」が適用されていることもリスク・ウェイト・ゼロを支えている一つの仕組みかもしれません。
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