恋の終わる音②
そんな失恋を経た私は、ショックからかよく遊ぶ様になってしまった。
「愛される」ということが怖くなったのだ。
自分が信じ、愛していても相手が相応に見返りを与えてくれるのか。
なら、愛すことをやめたいと思ってしまった。
信じて裏切られるのは、人間、みな辛いはずだ。
だからこそ、他人に期待しないという諦念を持ち始める。
でも、諦めている人間こそ
本当は人一倍に愛情の温もりを欲しているのではないか?
思い返せば、、
あの時は中身のない愛を、一夜に終わる愛を、酒に溺れ、寂しさを埋める様に
お互いの身体を重ね、生温い夢の中へと落ちていく。
夢から醒めれど、覚めれど、冷めれど、これを繰り返していた。
この時、ある1人の友人に言われた。
「色んな人と寝て、自分の価値を自らで下げるようなことすんなよ。」と。
何気ない一言で、悪気はないのだろう。
しかし心に刺さった。
動揺したのだろう。
「お前に何がわかる。」
私は笑いながら少しの皮肉を噛み締めた。
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