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今日も今日とて自己紹介 〜フランスに来てから香水ブランドを立ち上げるまで Part 2. 大学院入試編〜

ごめん寝をしているのは、こちらも語学学校時代の先生Anne-Sophieの猫、ニュシュカちゃん。Anne-Sophieは3匹の猫を飼っている。明日もう1匹を紹介予定。
※本文とはなんの関係もありません。

さて、昨日の投稿では、思いの外しっかりと語学学校に通った事、良い調香師になるためには時間もお金も経験もたんまり必要そうだと知った事、良い香水作りには良いディレクションが必要だという気付きを得た事までを書いた。今日はそこから適当な分量になるところまで書こうと思う。前回の内容が、フランスに来たところから一年ちょっとまでの間の出来事だ。

語学学校時代の終わり頃になると、調香師になりたいという思いはかなり下火になっていた。今から調香の勉強をしたところで、自分が自分自身で満足できるレベルの調香師になれるとは思えなかった事と、私自身がディレクションをとって香水作りをした方が結果的に面白いものができるのではないかと考えた事が理由だ。
そこで、香水ブランドのマネジメントが勉強できる学校に行こうと思った。École suprérieure du parfum、通称ESPという学校に、香水ブランドのマネジメントを学ぶための一年のコースがあったため、そこに応募することにした。
しかし、何度願書の請求をしても返事が来ず。何ヶ月かののちに、一言メッセージが来た。

「このコースはまだできていないので、返事をする事ができません」

HP上には募集要項やプログラムの内容までしっかりあるにも関わらず、だ。今になっても、この時の怒りを忘れる事ができない。どうしてもっと早く返事をする事ができなかったのか、ごめんなさいの一言もなく、こんな簡素な返事だけで許されると思っているのか、HP上の情報はなんだったのか等々………プンスカプンスカ………
(結局、そのコースは一度も開講される事がなかったようだ)

とは言っても、無い袖は振れない、とはよく言ったもので、ないプログラムに入学はできない。そこで、どのようにしたら香水の職(できればクリエイティブディレクションに携われるようなもの)に就く事ができるかを考えた。考えた末、下記の結論に至った。
① 前職が香水とは全く関係のない金融である私には、フランスの学位がない状態での就職はかなりハードルが高いし、できたとしてもあまり良い職には就けないだろう
→ このまま就職の道はない
② 香水の専門学校で、ブランドマネジメントやマーケティングのみのコースを展開しているところはない。ファッション系の学校の中に一部あることはあるが、専門性が低そうな割に学費は高い
→ 香水やファッション系の専門学校も対象外
③ マーケティングの職を得るにはビジネススクールを出る事が王道。職務経験者を募集しているビジネススクール多し。加えて前職が金融だから、入りやすいのでは?
→ ビジネススクールに行けば、可能性広がりそう

という事で、ビジネススクールで学位を取得し、その学位を使って香水ブランドのマーケティング職を得る、というのが一番合理的かつ自分のやりたいことに近づける選択なのではないか、と考えた。

そこで入学できそうなビジネススクールを探したところ、なんとも素晴らしいプログラムがあった。
ルノーが奨学金を出してプログラムの運営をしている、MBA Management International。Panthéon-Sorbonne(パリ第一大学)とParis-Dauphine(パリ第九大学)の共同プログラムで、この2つの大学の修士号がもらえる、というもの。
これは良い!と思い、早速学校に連絡すると、正規の申し込みはもう終了している、との返事が。しかし、一応履歴書を送ってくれ、というリクエストを受けたので、すぐに履歴書を送付。すると、2週間以内に必要書類を揃える事ができたら、選考過程に進めてあげてもいい、という通知をもらった。
ふぅ、助かった…と思ったのも束の間、必要書類の中に、
・フランス語の試験の成績表(B2レベル以上。フランス語検定だと準一級に該当するくらい)
・TOEICの成績表(800点以上だったかな?)
・GMATの成績表
があったのだ。さて、これらをどのように2週間以内で揃えるか…というか、そんなことできるのか…?と途方にくれた。

とは言え、ここまで来たら、とりあえず挑戦するしかない。
まずはフランス語の試験。これはパリの様々な語学学校が、即日結果が出る試験を提供しているし、散々語学学校に行っているので、B2レベル程度ならばどんなテストでもノー勉で問題なし。通知を受けた1週間後の席を予約し、無事にパス。
TOEICに関しては、なんと郊外だが通知を受けた翌日に試験を受けられる会場があった!即予約。こちらもノー勉だったが、成績表も2週間の期限内に受け取る事ができて、求められていた点数は問題なく到達。

問題は、GMAT。この試験、ご存知だろうか?MBA受験をした方ならご存知だろう。ウィキペディアによると、

大学院レベルにおいてビジネスを学ぶために必要な分析的思考力、言語能力、数学的能力を測るための試験である。

とのこと。試験は言語パートと数学パートに分かれていて、全て英語で記載されている。興味のある方は、ぜひ内容を調べてみて欲しいのだが、これが難しい。海外のトップMBAに行く人は、半年〜一年程かけて、しっかり準備して臨む試験だ。
さて、私は通知を受けた日の翌々日の試験会場を予約した。というより、せざるを得なかった。当然、ほぼノー勉だ。一応どんな内容の試験なのかだけはサラーッと確認した、サラーッと…

出題形式は全て5者択一。まずは言語パート。わからん、わからん…試験後にもらった試験結果のサマリーに、正答率10%と出ていた…当てずっぽうで回答した方が正解できたのでは…?という結果にガッカリ。
一方の数学パート。私は理系出身なので、なんとかここで取り返さないと…。問題を解き進めていくと、あれ…?なんと、試験時間の半分くらいで解き終わってしまった。
結果は、ほぼ満点。言語パートと合計すると、受験者平均を上回る事ができた(それでも良い点数だとは言えないが…)。
実はこのように数学パートで良い点数を取れたのは、私が理系出身であること以外の理由がある。フランスに来て、アルバイトで家庭教師をしていたのだが、その際に何名かのインターナショナルスクールに通う生徒の数学を教えていた。当然、教科書は全て英語であるため、数学に関する単語を英語で覚えておく必要がある。
GMATの数学パート、もしこの家庭教師の経験がなければ、単語の意味がわからなかった可能性が非常に高かった。何せノー勉だし、数学に関する英単語なんて、普通知らない。
人生って、ホントにわからんものねぇ…

この後、書類審査を通過し、面接で「あなたを動物に例えると?」と言った、お決まりの質問を受け、無事に合格を勝ち取った。そして、2017年の9月に、大学院に入学することになるのだが、その後の話はまた明日。

細かいことまで書いていると、なかなか長くなるねぇ。どのくらいの方が最後まで読んでくださっているのかは不明だが、ここまで目を通してくれた方、ありがとうございました。

明日で一応、自己紹介シリーズは終了する予定。最終回、乞うご期待!

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