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チーム江刺で学んだこと【7月,8月】

日本大学大澤研究室チーム江刺の6月取り組みにて学んだことをまとめる。江刺の主観で記す。


研究をしたい雰囲気

チーム江刺では、「圧倒的な技術力」を持つことと、「技術を活かす強力な実装力」を持つことをテーマに活動している。これまでの活動では実装力を身につけるための活動をメインで行なっていた。チームメンバーも今の取り組みに"研究をしている"という実感は湧いていないそうだ。そのため、夏休みはみんなそれぞれやりたい研究をしてみようという話になった。私とミナトは「汎用人工知能の実現」と「汎用エージェントの人間社会への適応」というテーマに興味がある。汎用人工知能のテーマに関しては、成果を求めてすぐに結果につながるようなものではないように感じる。大きなテーマを持つことは研究者にとって大事だが、新米研究者にとっては成果も欲しいものである。そのため、大きなテーマと手堅いテーマに分けて研究をすることにした。どちらのテーマも懸命に取り組むのは絶対である。違いとしては、ゴールを遠くに置くか、単発的に置くかという違いである。具体的にはどちらも大きなゴールがあるのだが、前者は大澤研内にはない新しい取り組みをしようとするので、0からのスタートとなる。一方後者は、大澤研内のリソースを使って研究を進めるので、ある程度の方針や環境は整っている。そのため、手堅いテーマに取り組むことで研究成果を出しつつ、最終的に大きなテーマと合体することで「圧倒的な技術力」を身につけようと考える。
ハルトは「バーチャル空間での操作をグローブで可能にする」というテーマを掲げた。これまでの活動を通じて、彼は私があれこれ指示を出すよりも自分で考えて行動させる方がいいのかもしれないと思った。そのため、一旦は少し距離を置いて見守ろうと思う。どんな面白い話を持ってきてくれるのか楽しみである。

新しい仲間

次世代社会研究センターRINGSの5期生のメンバーが発表された。今年も色々な方面に興味や才能がある人が入った。私とも相性の良さそうな子がいた(以後リョウマ)。彼は、「AI」「起業」、「政治」、「経済」などに興味があるらしい。私と興味のベクトルが同じではないか。すごい嬉しかった。すぐに彼に連絡し、夏休みが始まると同時に1on1をした。話してみると、やはり相性がいいと感じた。彼も、チーム江刺として活動したいと言ってくれた。私もすぐに先生に一緒に活動していいか確認した。先生は快諾してくれた。
しかし、まだ不安要素もある。それは彼の目的が「起業」である点である。私は「起業」はゴールだと思っている。「なんのために起業をしたいのか」、「何を成し遂げたいのか」、そういった信念が見えてこない限り、不安である。彼は、このことを理解し自己分析をするようである。このことを自分で言語化し落とし込めたとき、チーム江刺として一緒に活動したい。

全脳アーキテクチャ若手の会10周年イベントに参加して

全脳アーキテクチャ若手の会とは、「脳や人工知能、そしてそれらが与える影響について興味がある、すべての方のためのコミュニティ」である。大澤正彦先生が設立した会である。先日、10周年を迎えたため京橋でイベントが開催された。チームからは私とハルトが参加した。ここでは研究者だけでなく、ありとあらゆる起業家がいた。ビジネスに興味があるチーム江刺としては勉強に絶好の場所であった。先進的な技術(生成AIなど)の話はもちろんだが、今回一番勉強になったことをここに記す。もしかしたら、別にページを作ってまとめるかもしれない。そのぐらい私に影響を与えた。しかし、これはこのイベントで知り合った人との会話で生まれた思想であり、全脳アーキテクチャ若手の会の思想ではないことに注意していただきたい。

東京ではなく地方に目を向けろ

これまで東京で育ってきた私は地方に意識を向けたことはなかった。寧ろ、東京が変われば日本が変わると思っていた。確かに東京が変われば日本は変わるかもしれない。しかし、東京を変えるのはすごくハードルが高い。今回のイベントで私は東京ではなく地方に目を向けるべきなのかもしれないと感じた。理由は2つある。
1つ目は「東京のガラパゴス化」である。東京は世界の都市総合力ランキングで世界3位に君臨しており、総生産ではインドネシアやオランダという国家に匹敵する。言わずもがな巨大経済圏である。しかし、巨大が故にデメリットもある。それは、東京だけで経済が回ってしまうということである。これが東京のガラパゴス化の原因である。東京で成功したものが海外で同じように成功するのは難しい。東京だけで成功して、海外に進出するのが難しい状況、これは江戸時代の鎖国のようである。元禄日本の国内総生産は 中国、インド、フランスに次いで世界4位であった。米国や英国よりも巨大な経済を持っていたのである。しかし、鎖国を続けていた日本は海外の先進技術を取り入れるのに遅れ、徳川幕府末期には西洋諸国に大幅な遅れをとってしまった。このまま東京のガラパゴス化を放置し、東京の一極集中が進むようでは江戸末期のようになってしまうのではないか。明治維新は薩摩藩・長州藩・土佐藩といった地方勢力が一体になって江戸(東京)を変えた。現在の日本の国力を上げるには、地方から変わっていく必要があるのかもしれない。明治維新の話を例に挙げたが、武力を用いるべきではない。このことは肝に銘じておくべきである。目指すべき令和維新とは坂本龍馬も望んだ無血革命であるべきだ。
2つ目の地方に目を向けるべき理由は「地方経済圏VS東京経済圏は地方に軍配」である。東京の経済力の強さは上でも記述した。しかし、日本の総生産と比較すると2割ほどである。地方全体が繋がり、経済圏を作ることができれば東京より巨大な経済圏を持つことができる。また、地方が一体化することで議員数も東京よりも増え、政治的にも有利に働く。これだけでも、地方の魅力を感じるだろう。さらにビジネスマンにとって朗報がある。それは、地方の方が課題が多いと言うことである。東京よりも地方の方が課題が多いというのは誰もがイメージできるだろう。ただ、注意してほしいのは課題の内容が異なる点である。東京で導入できたものを地方で導入しようと思ってもうまくいかない。それはなぜか。東京でDX化をすると何か先進的なものができるかもしれない。しかし、地方の人たちは先進的なものを求めていない傾向がある。そのため、同じように先進的なDX化を行おうとしてもうまくいかない。とはいえDX化をしないと後進的になってしまう。重要なのは「今の現状を維持するためにDX化が必要」と言う認識を与えることである。同じDX化でも目的が違う。少し話が逸れたが、これで東京と地方の課題感の違いが分かっただろう。それでもレッドオーシャンである東京とブルーオシャンな地方を比較するとやはり地方の方が課題が多い。私が言いたいのは地方には地方にあったやり方で先進的な技術を導入し、地方経済圏を意識するべきということである。上京という言葉があるが、これはもう古いのかもしれない。東京で成功するのではなく、地方で覇権を握ることが今後重要になってくるのかもしれない。

中学生向けワークショップの開催

2024年8月24日、私は人生2度目のワークショップを開催した。「AIの未来について一緒に学ぼう」というテーマで中学生を対象に行った。初めてのワークショップは小学生向けだったので、今回は前回よりも年齢層が高い。どこまで噛み砕いて説明するべきか、試行錯誤しながら当日に向けて準備をした。今回は先輩と掛け合いの形を取りAIやHAIの説明をし、合間にワークを開いた。実際に生成AIを活用しているイラストレータにも話を聞き、紹介した。このように準備の段階で自分自身もすごく勉強になった。インプットをする機会は多いがアウトプットをする機会はなかなか取れないので、非常にいい機会であった。
HAIのワークでは、想像通りのリアクションを取る受講生もいれば、全く予想だにもしないリアクションを取る受講者もいた。子どもたちとのふれあいも私にとっていい経験になった・


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