スクリーンショット_2020-03-07_10.51.05

#今こそ本の力を - Vol.5 村上春樹 走ることについて語るときに僕の語ること

新型コロナウイルスの影響で日本全体に大きな影響が出ていますね。もちろん仕事も粛々とやるべきことをやっていますが、もうちょっと個人でやれることないかなと。せっかくなので一斉休校で子どもが家にいたり、在宅勤務で通勤分の時間ができて本を読む機会が増える人も多いと思うので、個人的なおすすめ本を紹介することにします。

Vo.5 はこちら。

ランナーの間ではすでにバイブル的な本ですが、走らない人にとっても、こういう「これさえあれば自分は生きていける、自分を律していける、ルーティンがきちんとこなせる」というものがあると思うんですよね。仕事以外で。

そして、こういう先が見えない時だからこそ、村上さんのこの言葉はすごく参考になります。自分にとって意味があると信じることを淡々とこなす。ただし先を見据えて。

僕はこの冬に世界のどこかでまたフル・マラソン・レースをひとつ走ることになるだろう。そして来年の夏にはまたどこかでトライアスロン・レースに挑んでいることになるだろう。そのようにして季節が巡り、年が移っていく。僕はひとつ年を取り、おそらくは小説をひとつ書き上げていく。とにかく目の前にある課題を手に取り、力を尽くしてそれらをひとつひとつこなしていく。一歩一歩のストライドに意識を集中する。しかしそうしながら同時に、なるべく長いレンジでものを考え、なるべく遠くの風景を見るように心がける。・・・中略・・・個々のタイムも順位も、見かけも、人がどのように評価するかも、すべてあくまで副次的なことでしかない。僕のようなランナーにとってまず重要なことは、ひとつひとつのゴールを自分の脚で確実に走り抜けていくことだ。尽くすべき力は尽くした、耐えるべきは耐えたと、自分なりに納得することである。そこにある失敗や喜びから、具体的な ― どんな些細なことでもいいから、なるたけ具体的な ― 教訓を学び取っていくことである。

この記事が参加している募集

私のイチオシ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?