私の矜持

私の矜持

「矜恃」とはネット辞書によると

「その自尊心をじっと保ち、自身を抑えること」

とあります。

「ただの誇りではなく自身を抑えること」とあり

私は好きな言葉です。

また

「矜持」は英語訳で色々あるものの「プライド」

「誇り」も「プライド」と言うようですが

自尊心、誇り、うぬぼれ、高慢、思い上がり、自慢のたね

とポジティブな意味とネガティブな意味が共存しています。

だから私は「誇り」より「矜持」の方がやはり好きですね。

医療という世界に入り10年すぎて思うのは、

今の社会では「医療はなくてはならないもの」になっています。

これは大きな間違いであり

本来なら最低限で十分という社会体制が大事ではないかと思うのです。

それは

先住民や野生動物に医療なる言葉は存在しないからです。

現代の医療が本領発揮するのは

救急医療であり死にそうな人の命を救うことです。

それが現代医療の得意分野であり戦場医学から発達した現代医療の特徴です。

本来であれば

医療が社会から必要とされなくなることが健全な社会ではないでしょうか？

それは医療に限らず、警察も消防など、命を扱う業種が忙しいというのは

社会に暴力や混乱した状態であり

社会の活力が失われて衰退に向かっていると思います。

医療者は自分が必要無くなる理想と

必要とされている現実との矛盾のなかで生きること

仕事をすることを要求され、かつ、どこでその矛盾に落しどころをつけるか。を

課せられる苦しい職種であり、世の中や人の心の闇をみつめないといけない職業である。

と思いますし、

医療に関わるということは

医療を通して人の心の闇、社会の闇を見続ける必要な人

であると思っています。

これからの医療者には、これらのことを忘れずに、なるべく無害な手段になれること、

医療費の削減と、それを支える社会体制を支える人として

この輪を広げていくことが利権や儲け最優先の今の医療業界には必要であると思うのです。

そのことを自覚しより多くの人が医療に関わらないように

自分たちの仕事が必要とされなくなることが当然である社会を創り

次の世代がより医療に関わらないように配慮することを目指すことが必要であると思うし、それを医療者の矜持として

心にとめる医療者が増えることが

「病気大国日本」の汚名を返上することができるだと思います。

【大森裕介】

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