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逝く人は止められない。

逝く人は止められない。


私の祖母が亡くなって6年が経ちました。

この前無事に7回忌も終わり

亡くなった祖母に対しての一区切りができたと思いますし

久しぶりに会った親類は変わらず「グーミン」でしたが

そんな親類といるときは一言も喋らず、

ただ観察をしてしながら、

「ゆーすけ」という存在感まで消すことのできない

自分を再確認しました。


それは別として

祖母が亡くなっていく過程の中で確信したことがあります。

それは「逝く人は止めてはならない」

ということです。


最後に祖母と顔を合わせた時に

私は祖母が死んでいくことを受け入れたくなかったから

会おうとはしませんでした。

だから祖母をどうやって復活させるか?

ということを周りに聞いたり調べたりして

いざ祖母に会ってみるとあまりにもの死相と

変わり果てた姿に涙が止まらなくなり

ありとあらゆる確認をしても生きる力が全くないことに

愕然としたことを今でも覚えています。


その時は

祖母が死ぬことを受け入れたくなかった私は

その事実から目を逸らしていましたが

あの時、あのタイミングで

最期に祖母に会っておいて本当に良かったと思います。


私は祖母が死んでから私の死生観が変わりました。

それは

【逝く人を止めてはならない】

ということです。

逝きたいのなら私たち如きは邪魔をしてはならない。

それが延命技術を使ったとしても

それは人の道に悖ることと思っています。


この考えは

屠殺で胃瘻をした動物をみてきたことも影響しています。

胃瘻をした動物の身体は哀れに思えるくらい骨だらけになっているのです。

その骨だらけの牛と、死ぬ数年間に骨だから気になる祖母がかぶるのです。


誰でも逝きます。

私もあなたもいずれ逝きます。

【逝く時くらい自分も自分の周りも逝かせてあげる】

というのが人としての尊厳を守ることだと思いますし

それが命の尊厳ではないでしょうか。


だから

流行病で逝く人は逝くし逝かない人は逝かない。

「死ぬ」

ということは死ぬべき時に死ねる。

これって案外「幸せ」なことかもしれない

と思います。


【大森裕介】

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