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日々の出来事

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2021年12月の記事一覧

2021年の回顧と2022年の展望

今日で2021年も終わり、明日から2022年が始まります。

この1年間を振り返ると、私に昨年同様に印象深い1年となりました。

何より、昨年1月からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、今もってわれわれ一人ひとりの生活のあり方に根本的な変化をもたらしました。

私も教育と研究において、遠隔授業の実施や国内外の学会の研究大会の中止や延期、あるいは遠隔会議方式での実施など、昨年と同様の対応を経験し

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第28回全国高等学校選抜オーケストラフェスタについて思ったいくつかのこと

昨日、12月25日(土)から行われた第28回全日本高等学校選抜オーケストラフェスタが4日間の日程を終了しました。

今回も昨年と同様、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という状況を受けて、参加校が会場である日本青年館大ホールに来場して互いの演奏を鑑賞するという従来の形式での開催を見送り、各校が会場での録音を行い、2022年2月から1か月にわたり参加校に限定して映像を配信することとなりました。

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NHK交響楽団ベートーヴェン「第9」演奏会について思ったいくつかのこと

昨日行われたNHK交響楽団の「NHK交響楽団『第9』演奏会」の寸評は、本欄でご紹介した通りです[1]。

そこで、今回は今回の演奏会に関する所感を紹介します。

昨年1月から始まった新型コロナウイルス感染症の感染の拡大により、NHK交響楽団は2020年4月から6月までの定期公演が中止となり、2020年9月から2021年3月までは定期公演を各月の演奏会に変更するなど、「コロナ禍」の影響は大きなもので

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クリスマスの物語--「阿蘭陀正月」の場合(1)

今日はクリスマス・イヴです。

本欄では、これまでイエス・キリストの誕生を祝うキリスト教の祭儀としてのクリスマスの成立の経緯やクリスマス・ツリーの持つ意味、"Xmas"という表記の由来、日本や諸外国におけるサンタクロース像の形成の過程などの概略を紹介してきました[1]-[7]。

そこで、今回はキリスト教が禁制となった江戸時代における「阿蘭陀正月」について検討します。

長崎の出島のオランダ東イン

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NHK交響楽団の「2022-23 Season定期公演日程・指揮者決定」の一報に接して思ったいくつかのこと

去る12月21日(火)、NHK交響楽団が2022-2023年の定期公演の日程及び指揮者を公表しました[1]。

来季は改修工事を終えるNHKホールがAプログラム及びCプログラムの会場として利用されるとともに、2022年9月に首席指揮者に就任する予定のファビオ・ルイージや桂冠名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテット、正指揮者の尾高忠明、さらに現在の首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィなどが登場する予定です

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NHK FM『バイロイト音楽祭2021』について思ったいくつかのこと

去る12月13日(月)、14日(火)、16日(木)、17日(金)の4日間にわたり、NHK FMでは『バイロイト音楽祭2021』が放送されました。

NHK FMでは毎年歳末の恒例としてその年のバイロイト音楽祭の実況録音を放送しています。

2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により音楽祭が中止となったため、2年ぶりに開催された今回は歌劇『さまよえるオランダ人』、楽劇『ニュルンベルクのマイスタ

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NHK FMの特集『グリュミオー変奏曲』の持つ大きな意義

去る12月6日(月)から9日(木)まで、NHK FMで『グリュミオー変奏曲』が4回にわたり放送されました。

これは、今年3月21日に生誕100年を迎えたベルギー出身のバイオリン奏者アルテュール・グリュミオーを讃え、グリュミオーに師事した豊田弓乃先生と音楽評論家の増田良介さんがそれぞれの視点から実際の演奏とともにその魅力を紹介しました。

協奏曲、室内楽、ソナタ、無伴奏曲などを通して描かれるのは、

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