NHK交響楽団ベートーヴェン「第9」演奏会について思ったいくつかのこと

昨日行われたNHK交響楽団の「NHK交響楽団『第9』演奏会」の寸評は、本欄でご紹介した通りです[1]。

そこで、今回は今回の演奏会に関する所感を紹介します。

昨年1月から始まった新型コロナウイルス感染症の感染の拡大により、NHK交響楽団は2020年4月から6月までの定期公演が中止となり、2020年9月から2021年3月までは定期公演を各月の演奏会に変更するなど、「コロナ禍」の影響は大きなものでした。

また、この間外国との往来でけでなく国内の移動にも制約が生じるなど、聞き手にとっても以前のように気軽に公演を鑑賞することが難しくなりました。

私にとっても事情は同じで、NHK響の定期公演を会場で鑑賞したのは2020年1月31日(金)の第1933回が最後となり、職業楽団の公演全般についても、2020年2月6日(木)のチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の第124楽季定期演奏会C2プログラムが最後の機会となりました。

そのため、今回は私としては695日ぶりにNHK響の演奏を会場で聞いたことになります。

1994年4月にNHK響の定期会員となって以来、これまで1年10カ月以上にわたり職業楽団の公演を鑑賞しないことがなかったという点を考えるだけでも、この間の道のりの長さと「コロナ禍」の身近な影響の一端が実感されるものです。

また、入場券の半券を来場者自身が切り離したり、終演後の退場を区画ごとに行うといった事項については、これまで情報として見聞きはしていても実際に体験するは今回が最初であっただけに、新たな様式の確立と浸透の度合いを実感する格好の場面となりました。

何より、これまで実況中継や録画に接することはあっても会場に行くことはなかった「NHK交響楽団『第9』演奏会」を初めて聞いたことはNHK交響楽団の演奏会の鑑賞の再開としてはよい機会であったと言えるでしょう。

その意味でも、今回の演奏会は、私自身にとって印象深いひと時となりました。

[1]鈴村裕輔, NHK交響楽団ベートーヴェン「第9」演奏会. 2021年12月26日, https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/76353/197615bcdf1806ab84f9caa55cbd0ede?frame_id=435622 (2021年12月27日閲覧).

<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions of NHK Symphony Orchestra the Beethoven 9th Symphony Concert (Yusuke Suzumura)

The NHK Symphony Orchestra held the Beethoven 9th Symphony Concert at the Tokyo Metropolitan Theatre on 26th December 2021. In this occasion I express miscellaneous impressions of the concert.


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