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2021年4月の記事一覧

レンジャーズが本拠地を満員にした裏に州知事の計算

去る4月12日(月)、日刊ゲンダイの2021年4月13日号26面に連載「メジャーリーグ通信」の第90回「レンジャーズが本拠地を満員にした裏に州知事の計算」が公開されました。

今回は、テキサス州のアボット知事の大規模催事の観客制限解除の措置が大リーグに与える影響を検討しています。

本文を一部加筆、修正した内容をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

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レンジャーズが

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「東京五輪組織委員会の看護師500人確保問題」の持つ意味は何か

4月26日(月)、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、大会期間中の医療体制を構築するため看護師約500人の確保を目指して関係団体と協議を始めたと発表しました[1]。

こうした措置に対し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により医療体制が逼迫している中で多くの医療関係者を大会に投入することは、それだけ市中から医療人材が不在になることを意味します。

そのため、依然として進展を見せ

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「衆参3選挙の『全敗』」は菅義偉首相にいかなる影響を与えるか

昨日投開票が行われた参院広島再選挙、参院長野補選、衆院北海道2区補選では、自民党が候補者を擁立しなかった衆議院北海道2区の補欠選挙を含め、すべての選挙で野党側が勝利を収めました。

菅政権が発足してから最初の国政選挙となった今回の3件の選挙で与党が全敗したことは、政権へのある種の批判を示しており、今後の政権運営に影響を及ぼすことが推察されます[1]。

その一方で、自民党内でにわかに「菅おろし」の

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「3度目の緊急事態宣言の発令」の持つ意味は何か

本日、東京都、大阪府、京都府、兵庫県に対して、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が発令され、20時から菅義偉首相が記者会見を開いて談話を発表しました[1]。

記者会見の中で菅首相は4都府県に対して3度目となる緊急時事態宣言を発令することで住民や企業などの活動が制約されることを陳謝するとともに、感染の拡大を抑止するために人の流れを抑えることや出勤者の例

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悔やまれる日米首脳会談での菅義偉首相の「寸法の合わないスーツ」

4月16日(金)に行われた日米首脳会談の概要と意義については、先日の本欄で指摘した通りです[1]。

ところで、今回の日米首脳会談では、会談や共同声明の内容もさることながら、両首脳の服装の違いも気になるところです。

もちろん、ジョー・バイデン大統領も菅義偉首相も、ともに丁寧に仕立てられた背広上下を身につけている点は同じです。また、バイデン大統領が民主党を象徴する色である青色を基調として服装をまと

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日米首脳会談の共同声明は「東京オリパラ」にいかなる影響を与えるか

現地時間の4月16日(金)、米国大統領府でジョー・バイデン大統領と菅義偉首相が初の日米首脳会談を行い、「新しい時代のための日米グローバル・パートナーシップ」と題する共同声明を公表しました[1]。

共同声明では、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに両岸問題の平和的解決を促す」と明記され、1969年のリチャード・ニクソン大統領と佐藤栄作首相による日米会談以来52年ぶりに共同声明の中に「台

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対岸の火事では済まない米中対立の激化

去る3月29日(月)、日刊ゲンダイの2021年3月30日号26面に連載「メジャーリーグ通信」の第89回「対岸の火事では済まない米中対立の激化」が掲載されました。

今回は、深刻さを増すように見える米中関係が大リーグに与える影響を検討しています。

本文を一部加筆、修正した内容をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

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対岸の火事では済まない米中対立の激化

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「東京五輪開幕100日前」に改めて「東京オリンピックのあるべき姿」を考える

東京オリンピックの開催まで、今日でちょうど100日となりました。

今年に入ってから大会組織委員会を巡る不祥事や日本での「コロナ禍」の終息の見通しがつかない中での開催については、日本国内でも消極的な意見が高まりつつあります[1]。

また、日本国外でも今夏の開催に懐疑的な意見が散見されるだけに[2]、東京オリンピックを取り巻く環境の厳しさが窺われるところです。

一方で、オリンピックの開催を最大に

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「総裁選前解散」は菅義偉首相にとって好ましい戦略か

4月6日(火)、菅義偉首相が日本テレビの番組『深層NEWS』に出演し、衆議院の解散総選挙について9月の自民党総裁選挙前の解散もあり得ると発言し[1]、自民党内では菅首相の退陣を迫る「菅おろし」を牽制し、党内の引き締めを図ったとする見方が生じています[2]。

このような見立ては、菅首相の支持率が低下の傾向を示していることを考えると、妥当な判断のように思われます。

一方、1955年以来の自民党の歴

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「保守分裂」となった秋田県知事選挙が菅義偉首相にいかなる影響を与えるか

昨日投開票が行われた秋田県知事選挙では、現職の佐竹敬久候補が元衆議院議員の村岡敏英候補ら3名を破り、4回目の当選を果たしました。

4候補の得票数は、以下の通りでした[1]。

佐竹敬久(無所属・現職):23万3305票
村岡敏英(無所属・新人):19万3538票
相場未来子(無所属・新人):2万3679票
山本久博(無所属・新人):2万617票
(以上、敬称略)

今回の秋田知事選挙は、自民党秋

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「子ども庁創設の検討」の際に注意すべき点は何か

昨日、菅義偉首相が首相官邸で自民党の二階俊博幹事長らと会談し、子育て政策などについて省庁横断で取り組む「子ども庁」の創設について、党内での検討を指示しました[1]。

現在、幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省、認定こども園は内閣府と、子育てに関する施設は複数の府省にまたがっています。

教育、保育、教育と保育の一体的実施と、それぞれの機関の持つ役割は異なりますから、各機関の特徴に従って所管する

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