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2020年10月の記事一覧
「規制改革の実現」のために何が菅首相に求められるのか
首相就任直後の記者会見においても、10月26日(月)に第203回臨時国会で行われた所信表明演説においても、菅義偉首相は規制改革を政権の重要な事項に位置付けています。
一方で、1961年11月に池田勇人内閣が行政の効率的な運営のために組織の改編と再編成を目指した第1次臨時行政調査会を設けたことで本格化した行政改革は、1980年代に入ると国営企業の民営化や種々の規制の緩和となり、1990年代以降は構
初の所信表明演説で菅義偉首相は「政権運営への意欲の強さ」を訴えられたか
昨日、第203回臨時国会が召集され、菅義偉首相が所信表明演説を行いました[1]。
「デジタル社会の実現」、「活力ある地方を創る」、「新たな人の流れをつくる」といった項目は、これまでの菅首相の発言をまとめただけの新味に欠ける総花的な内容ながら、政権の大方針を示したという意味で、組閣後最初の所信表明演説としては適切な態度と言えます。
また、故事や古言の曲解的な引用がなかったことは大いに評価されるべ
第2回討論会でもバイデン候補はトランプ候補を倒せなかった
現地時間の10月22日(木)、米国テネシー州ナッシュヴィルのベルモント大学において、米国大統領選挙の第2回討論会が開かれました。今回の司会者はNBCのクリステン・ウェルカー氏でした。
9月29日(火)に開催された第1回討論会では民主党候補のジョー・バイデン前副大統領が共和党候補のドナルド・トランプ大統領の施策や納税問題などを追及し、トランプ氏はバイデン氏の発言を遮って反論し、司会者であるクリス・
菅義偉首相に求められる「日本学術会議の人選問題」に適切に対応する態度
昨日、ヴェトナムとインドネシアを歴訪した菅義偉首相はインドネシアにおいて国内外の記者団に対して記者会見を行いました[1]。
9月16日に内閣総理大臣に就任して以来、臨時国会において所信表明演説を行い、日本国民に自らの経綸を披歴する前に外国を歴訪したことは、外交の観点からは意義があるとしても、国会を軽んじているとの誹りを免れ難いところです。
一方、記者会見では内閣の発足直後に明らかになった日本学
米国の球団経営者たちが期待するトランプ再選
去る6月22日(月)、日刊ゲンダイの6月23日号25面に連載「メジャーリーグ通信」の第71回「米国の球団経営者たちが期待するトランプ再選」が掲載されました。
今回は、再選を危ぶむ声も上がるトランプ大統領を大リーグの球団経営者たちが支持する理由を検討しています。
本文を一部加筆、修正した内容をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
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米国の球団経営者たちが期待
「東海大野球部の大麻使用問題」の持つ意味は何か
昨日、東海大学が記者会見を行い、硬式野球部の寮で複数の部員が大麻の疑いのある薬物を使用したことが確認されたとして、同部を無期限の活動停止処分としたことを発表しました[1]。
大学が設置した調査委員会による聞き取り調査の結果、大麻の使用認めた野球部員は、動機について「興味本位だった」と話したとされています[1]。
人が「暇だから大麻を使用しよう」となることはまれですから、「興味本位」という動機は
「発足1か月を経た菅内閣」にわれわれは何を望むか
昨日、今年9月16日に菅義偉内閣が発足してから1か月が経ちました。
新内閣の発足から1か月に際し、菅首相は以下のように所感を表明しました[1]。
国民のために働く内閣を発足してからもう1か月、振り返る間もなく早かったな、というのが私の率直な感じであります。
そして、私自身、常に念頭に置いていますのは、やるべきことをスピード感を持って躊躇なく実行に移すこと。
そしてまた、携帯電話の引下げを始めと
創立80周年に際して考える「大政翼賛会の現代的な意味」
今日は、1940(昭和15)年10月12日に大政翼賛会が発足してから80年が経ちました。
1940年7月22日に第2次近衛文麿内閣が成立し、8月28日からの新体制準備会で国民運動の実行、指導、推進を担う組織の具体案が審議された後に大政翼賛会が発足したこと、総裁は内閣総理大臣が兼務し、国民を大政翼賛運動に組織するために中央本部、道府県及び市町村の支部、ならびに中央と地方に協力会議を設けることが定め
「「会員」と「全員」の読み違え」は何故問題となるのか
10月1日(木)に明らかになった日本学術会議の人選を巡る問題については、「学問の自由に対する侵害」といった批判が寄せられる一方で、105名の候補者のうち6名の任命を行わなかった菅義偉首相が「学問の自由とはまったく関係ない」と発言するなど[1]、議論が食い違いを見せています。
一方、10月7日(水)の衆議院内閣委員会では、内閣法制局が過去の内部資料では推薦者を全員任命することになっていたと答弁した
求められる「日本学術会議の人選問題」を巡る議論の出発点の確認
先日来社会的な関心を集めている日本学術会議の人事問題について、日本学術会議は推薦した会員候補者が任命されない理由の説明と、推薦したものの任命されなかった会員候補者の任命を要望する要望書を菅義偉首相に提出しました[1]。
今回の出来事については、政府が日本学術会議の人事を通して学問の自由を侵害する可能性があるという指摘がなされています[2]。
一方、菅首相は「推薦された方をそのまま任命してきた前
"President Trump Hospitalized with the COVID-19" Shows a Severity of the US Politics
On 1st October 2020, US President Donald Trump and First Lady Melania Trump have tested positive for the coronavirus[1] and President Trump was hospitalized at Walter Reed National Military Medical Ce
もっとみる菅首相のためにあえて「日本学術会議の人選問題」への明快な対応を勧める
昨日の本欄では、日本学術会議の新委員を巡る人事が懸念すべき問題である理由を検討しました[1]。
記者会見において加藤勝信官房長官が「直ちに学問の自由の侵害にはつながらないと考えている」と述べた点については、「学問の自由」とは何か、あるいは「学問の自由の侵害」とは何を意味するのかという点が不明であるだけに、今後、より詳細な説明が求められるところです。
また、「学問の自由の侵害」については、当事者
「日本学術会議の人選問題」が懸念されるのは何故か
本日、加藤勝信官房長官が記者会見を行い、日本学術会議の新会員について、会議側の推薦した候補の一部の任命を菅義偉首相が見送ったことを明らかにしました[1]。
2005年に、日本学術会議に設置された選考委員会が連携会員からの推薦を考慮して選考する方式[2]が導入されて以降、日本学術会議の推薦が見送られたのは初めてとなります[1]。
日本学術会議の会員の人選は人々の日常の生活に直接関わる事柄ではあり