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子どもに薬を飲ませるコツ①薬の基礎知識編 #45

誰も見ていないと思うので、音声配信の原稿を書いていきたいと思います!
👇よかったら配信も聴いてください^^
https://stand.fm/channels/610d516675cffe554586521d

みなさんこんにちは!ゆーすけです。このチャンネルは、病院薬剤師として働きながら、3人の子どもの子育てをしている僕が、「忙しさに負けず日々挑戦!」をモットーに、日常の気付きや子育ての話、時にはお薬にまつわる話をみなさんと楽しく共有するチャンネルです!

今回は、「子ども(特に乳幼児)に薬を飲ませるコツ」についてお話しようと思います。
みなさんお子さんに薬を飲ませる際に苦労することはないでしょうか?
なんなく飲んでくれる子もいるとは思いますが、なかなか飲んでくれないとそれだけでこっちも疲れてしまったり、ムキになって強引に飲ませたけど吐き出されてしまったりとか、苦労することも多いかなと思います。

僕自身も3児の父親として、子どもに薬を飲ませないといけない場面っていうのはたくさんあるんですが、幸い苦労することはほとんどありません。
薬剤師だからといって何か特別なことをしているわけではなく、誰でもできる方法しかやっていませんので、みなさんにもそれをお伝えして、子どもの看病だけでも大変だと思いますので、少しでもお薬を飲ませる苦労が減ってくれたらいいなという思いでお話ししていきたいと思います。

ちょっと長くなりそうなので、内容を3回に分けて放送したいな思っていまして、今回はまず、具体的な薬の飲ませ方の話ではなく、前提となる薬の基礎知識についてお話したいと思います。
そして2回目の放送で薬を飲ませる際の心構えについてのお話をして、3回目で具体的な飲ませ方の紹介をしたいなと思っています。

個人的にはどちらかというと実際の飲ませ方よりも、基礎知識や心構えについての内容の方が重要かなと思いますので、ぜひ最後まで聴いていただけますと幸いです。

それでは今回は薬の基礎知識編ということで、お話ししたい内容は全部で4つあります。
①かぜは薬で治るのか?
②副作用とは?
③薬を飲ませるタイミングについて
④飲ませ忘れたり、吐いてしまった場合にどうすればいいか?

まず1つ目ですね、
・かぜは薬で治るのか?ということですが、
結論から言うと、風邪を治す薬はありません。
風邪が治るのは、人間の体にもともと備わっている免疫力のおかげです。

ケガとか特殊な事情以外で、普段子どもを病院連れて行くのって、熱が出てっていうのがほとんどかなと思います。だいたいの場合は風邪かな?となって、薬局で薬をもらって、帰って子どもに飲ませるっていうのがよくある流れではないでしょうか。
その際によく処方されるのは、咳止めの薬とか痰切りの薬とか、熱冷ましの薬とかだと思います。これらの薬はあくまでも症状を抑えるだけの対処療法のお薬になりますので、かぜの90%以上はウイルスが原因と言われていて、ウイルス自体をやっつける作用はありません。市販のかぜ薬と呼ばれているものも、すべて症状を和らげる対処療法の薬であって、風邪を治す薬ではありません。
あと他に抗生物質をもらうこともあると思うんですが、抗生物質というのは細菌をやっつける作用があるお薬で、ウイルスには全く効果がありません。
なのでほとんどの風邪では抗生物質は必要ないんですが、細菌が原因になっている可能性が疑われる場合には処方されることがあります。

まとめると、風邪は基本的に自分自身の力で治すしかないので、薬では治らないんですが、風邪になるとしんどいので、その症状を和らげるために薬が処方されているといった感じです。熱も免疫力を上げるために必要な体の反応なので、むやみやたらに下げると、むしろ治りが遅くなってしまう可能性もあるので注意が必要です。

次に2つ目、
・副作用とは?
薬を飲む目的というか、期待している効果のことを「主作用」といいます。
例えば、痛み止めであれば痛みを取ることが主作用です。
痛みを取る作用だけがある痛み止めがあればいいんですが、残念ながらそうはいかず、それ以外の作用(例えば胃を荒らしてしまうとか)も引き起こしてしまいます。そのような本来の目的以外の作用を「副作用」といいます。これはどんな薬にも必ずあって、副作用のない薬はありません。
どのような副作用が起こる可能性があるのか説明をきちんと受けて、早めに対処できるように心がけることが大切ですし、薬自体が体に合わなかったときにはしっしん、じんましんなどのアレルギー症状が出ることもあるので注意が必要です。

3つ目は、
・薬を飲ませるタイミングについて
お薬の用法というのはいろいろあるんですが、一般的には「食後」が多いと思います。食後に飲む理由としては、胃を荒らしにくいとか、お薬の性質上食後でないとダメとかっていうのもあったりしますが、一番は「飲み忘れを防ぐため」です。なので、食後でなくても、一定の間隔で飲めば問題ないことが多いです。しんどくてどうしても食事が摂れないこともありますしね。特に乳児は授乳や食事の時間が定まらないことも多いですし、お腹がいっぱいになると薬を飲めなくなることもあります。
そもそも乳幼児が飲むようなお薬で絶対に食後じゃないといけないお薬って実際はほとんどないですし、食後という用法にこだわらず一定の間隔で飲ませてもらえればOKかなと思います。じゃあ、一定の間隔ってどのぐらい?ってことなんですが、理想を言えば1日2回飲む薬なら12時間ごと、1日3回なら8時間ごとですが、そこまでは必要ないので起きてる時間を均等に割ってもらえれば良いです。そもそも大人でも、例えばよくある1日3回食後でお薬を飲むっていうのも全然8時間ごとになってないですしね。
なので目安としては、
1日3回飲む薬は、次に飲むまで4時間以上空ける
1日2回なら6時間以上空ける、1日1回なら8時間以上空ける
それ以上の間隔を確保しつつできるだけ一定の間隔にしてもらえたら良いと思います。

あともう1つ頓服という用法もよくあると思います。例えば熱が高い時とか、症状がある時だけ飲むお薬ですね。これに関してはお薬によってさまざまなので、必ず薬局で続けて使う場合は何時間以上あけて1日何回までにしてくださいねって説明されると思うのでそれを守るようにしてください。

最後、4つ目ですね
・飲ませ忘れたり、吐いてしまった場合にどうすればいいか?
薬によって対処法が変わることもあるのであくまで一般的なお話をします。
まず飲ませ忘れの対処ですが、基本は気づいた時に飲ませてください。
ただし、先ほど言った最低空けてほしい間隔を空けられなさそうであれば、忘れた分は飲ませずにとばしてください。忘れた分と次飲む分の2回分を一度に飲ませるということは絶対にしないでくださいね。
あと、薬を飲ませようと思ったタイミングに寝ている場合は、しっかりと寝て体力を回復するのは大切なことですので、無理に起こさず起きた時に飲ませてください。間隔には注意してくださいね。

そして、薬を飲ませた後に吐いてしてしまった場合ですが、
一般的な薬はだいたい飲んで30分ぐらいで吸収されるので、30分以上経っていれば飲み直す必要はありません。飲ませた直後に吐いた場合や、口からべーっと全部出してしまった場合は、もう一度同じ量を飲ませてもいいんですが、そこまでして飲まさないといけないお薬なのかというのは考えないといけないので、それこそ風邪でもらった薬なんかは基本対処療法の薬なので、正直飲ませ直さなくてもいいのかなと思います。
どうしても飲まないといけないお薬の場合は、30分経たずにほぼ全量を吐いてしまった場合に再度飲ませるということを考えてください。

今回の内容に関して疑問や質問がありましたら、コメントかレターでいただけますと幸いです。7/24の22時からひろぽんさんとお薬の相談ライブも予定していますので、お時間合う方で他にも聞きたいことがある方は、ぜひ遊びに来ていただけたらなと思います。よろしくお願いします。それではまた次回お会いしましょう!ゆーすけでした!


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