テレアポで相手に“嫌われて"リストが無くなる前に読むnote
前回、ウェビナーラッシュと共に、毎日の様に架かってくる"配慮のないテレアポ"にゲンナリして、「たぶん薄いニーズだろう顧客群」にテレアポする前に読むnoteを書きました。
それから約一年半が経過。リアルの展示会やexpoも勢いを取り戻し、インサイドセールス界隈を取り巻くテクノロジーの進化も凄まじく、どんどん効率的に活動出来るようになってきました。
一方、アプローチされる側の体験としては、どんどん悪化している印象を受けています。
メチャわかるわ・・と同じ様な感覚を受けている人も少なくないと思います。
という事で、営業代行&営業支援事に携わる身として、少しでも環境を浄化すべく、出来るだけ具体的かつ今日から実践できる内容を市場にお届けしたく本noteにまとめました。
これを読んで"相手起点"で考える人が増えたら最高です。
同業さんも是非。一緒に「体験」を良くしましょ!
自己紹介
法人営業歴は約20年。その中でも、2007年から10年間経験した「ソリューションコンサルティング営業」が私の礎となっております。
そこで培った"お客様に嫌われずに聞く耳をもってもらうコミュニケーション術"をベースに、営業代行&営業支援事業を営んでおります。
本noteでは、概念・べき論で終わらせず、明日から実践できる内容にしておりますので、是非最後までご覧ください。
"営業電話“に対する市場の反応
前回のnoteでも取り上げましたが、「営業電話」と検索する人が2021年以降急増しておりまして・・・
ご覧の通り、散々なサジェスト検索になっております。
そこで界隈の皆さんに「不快な営業電話」について聞いてみました。
「断っているのに粘られる」のが1番不快という結果に対して、「営業電話 断り方」がサジェスト1位に来てるとか、ワカリミガ深すぎますね。
"お断りに対するアウト返し集"とか聞くだけでゾッとするわけですが、アポが取りたいが故に、配慮を欠いた利己的な営業活動をしていると、以下の様に晒されて市場から排除される事になります。
いくらテクノロジーが進歩しようとも、介在する我々のマインドや行動が利己的で嫌われるものであれば、バラ色の世界がやって来る事はありません。
IVRyさんからも、こんなアプリが出る位には待ったなしです。
展示会・expo・ウェビナーで接点が持てた方々に対して、テレアポして相手に嫌われてリストを潰さない為の考え方と実践術をポイント毎にお伝えします。
最も大切な事:マインドセット
「マインドセットとかさ、大事な事なんだと思いますけど・・ぶっちゃけ綺麗ゴトでは売上あがらんのですよ!!!」
こんな風に思った方、その気持ちとてもわかります。
そんな綺麗ゴトを言って、目標達成出来なかったらどうするんですか?となるのも無理がないと思います。
ただ、先に記載したように時代はどんどん変化しています。
これまでのやり方で攻め続けるのも、ぶっちゃけマズイなーと薄々感じてたりもする人もいらっしゃる気もしています。
という声が多い、いや、大半なこの時代、騙されたと思って以下の2つだけ意識してみてはどうでしょうか。
①相手のお役に立つ「利他思考」
②相手の時間の「尊重思考」
少しだけ説明させていただきます。簡単です。
①相手のお役に立つ「利他思考」
大前提、セールスパーソンの皆さんは、ウェビナーや展示会に参加して“電話営業をされた経験”が少ないと思います。
平日日中に開催される事が多いですから、日々のセールス活動に追われている中、各種イベント参加に時間を割くのを推奨しているセールス組織は限られています。
ですので、どんな営業アプローチをされるとストレスを感じるのか、想像だけで理解するのは非常に難しい事なのは当たり前です。
じゃあどうするか。
それは相手の気持ちが分からなくても実行出来る、以下の思考法の実践です。
実際、以下の様な電話がガンガン架かってきて、ウンザリしている・・なんて買い手の方が多いのが現状ではないでしょうか。
ちなみに上記は、誰もが知ってるSaaS提供企業からの電話を「弊社」に置き換えてみました。既視感溢れる方も、まさにウチのスクリプトみたいじゃんって人もいると思いますが、
「急に電話してきて、一方的にあなたの事を喋られて、何故にあなたの情報交換に付き合わなければならないのか、自分勝手ワケわかめにも程がある」
と私は思いましたし、そんな事が他方で発生しているから、前述した市場の反応があるのだと思ってます。
では、これに「利他思考」を注入するとどう変わるのか?
後半にかけてお伝えしていきますので、もうちょいお付き合いください。
②相手の時間の「尊重思考」
少しだけ想像してみてください。
皆さんが電話する相手は、その時間何してるでしょうか。
MTGの準備をしたり、見積書を作成したり、上司や会社を説得するための上申資料を必死に作っているかもしれません。
つまり、時間に追われて「バタバタ」しているワケです。役職が上がればあがるほど、バタバタ度合いは高まりますし、働き方改革も相まって、決められた時間の中で成果を出すプレッシャーは日に日に高まっています。
しかし、私も沢山お電話をいただく中で"こちらの状況に気を配っていただける方"にほぼ出会ってない現状を見ると、相手の時間を尊重するだけで嫌われるリスクは大幅に低減出来ると思います。
これも実際のスクリプトに落とすとどうなるのか、先のテーマと合わせてこれからお伝えします。
嫌われないコミュニケーション術:最初の20秒
さて、ここからが本題です。
まず、目当ての方と接触した「最初の20秒」で"嫌われず"に会話を続けてもらえるか否かで勝負がつくと考えています。
ポイントは二つ。
・話を聞く耳を持ってもらえるテーマになってるか
・話を聞く体制を整えられる環境か否か
一つずつ解説していきます。
①話を聞く耳を持ってもらえるテーマになってるか
上記の言葉通り、話を聞いてもらうには「相手に取って関心があるテーマ」であり「忙しいこの時間に聞くべき重要性」が伴っていなければなりません。
しかし、一部の事業会社・支援会社においては、冒頭に以下を伝えて関心を持ってもらおうとしているケースが多い様に見受けられます。
抽象的かつ一般的なテーマは、メチャメチャ口当たりも耳障りも良いです。
しかし「"誰の""何を""解決解消"してくれるのか」のイメージが持てないので、聞く耳をもってもらえない可能性も高まります。
FORYOU感のあるアプローチが重要だと、耳にした事がある人も実践している人もいるかと思いますが、実態は具体性が乏しいケースが多すぎる気がしています。
また、自社が伝えたいテーマについては、
「相手が自社に興味を持っていれば有効」
な場面も多いと思います。
しかし、顔も名前も分からない状態でアピールされても、よっぽど魅力的な商品じゃなければ刺さりません。というか、押し売り営業と何ら変わらないマイナスな印象しか残らないと思われます。
では「20秒」という限られた時間で、どうしたら良いか。それは。
・「相手は何に関心があり重要だと思うのか」を顧客起点で考え抜く
・考え抜いた言葉を具体化して、多くても2つに絞って短い言葉にする
上記に尽きると考えています。ただ、これらを架電チームだけで考えるのは推奨していません。特に分業型の組織においては、FS/IS/CSのメンバーと連携しながら、固めていく事を推奨しています。
下記は営業支援会社に、電話アプローチをするならば・・の冒頭イメージです。
イメージを伝えたく細かい設定は割愛しましたが、「相手の業務の関心ゴトやお困りゴト」を伝えるからこそ、自分事化して聞く耳を持ってもらえる可能性が高まると考えています。
上記メッセージ開発をする際、特に架電業務を外注している場合などは、顧客の解像度が上がりきらず、刺さるメッセージ開発が出来ていない場合があります。
テレアポして相手に嫌われてリストを潰さないためにも、ぜひ双方向で連携を強化いただけたら良いと思います。
②話を聞く体制を整えられる環境か否か
前述した通り、電話先の担当の方は必ず何かしています。
仮に冒頭20秒で"聞く耳"をもってもらえても、5分後に会議があったり、急ぎの資料を作成している状態で無理やり話を進めても、お互いにもったいない時間になってしまいます。
ではどうしたら良いか。
それは、必ず「会話を継続する合意」を取りにいく事です。
たった一言「いま少しお時間よろしいでしょうか?」「5分ほどお時間よろしいでしょうか?」と合意を得られれば話を聞く体制が整いますし、合意を得られなくても、圧倒的に心象は良くなります。
しかし、この方針を伝えると
という方が必ずいらっしゃいます。
確かにその通りです。
冒頭20秒も使って、相手が聞く耳を持てない非魅力的な内容であれば、断られるに決まってます。
だから冒頭20秒に目一杯思考を巡らせ、複数パターンを作り、どのパターンの反応が良いのか検証して、改善を回していくのです。
ちなみに、
忙しいなどの理由の大半は建前です。
本当に忙しければ、電話に出ませんし、出ても通話早々に終話します。
大事な事なのでもう一度。
忙しいなどの理由の大半は建前です。
本当に忙しければ、電話に出ませんし、出ても通話早々に終話します。
「忙しい/時間がない/いらない=あなたの話に興味がない」という事ですから、仮にそのまま2分間会話が出来たとしても、お断りされるのが2分先になるだけで、お互いにとって意味のある時間にならないと考えてます。
テレアポして相手に嫌われてリストを無くさないために、ぜひ点検していただければ幸いです。
嫌われないコミュニケーション術:コンシェルジュ思考
ここからは、聞く耳&聞く体制が整って、会話を継続いただける合意を得た後の進め方について解説していきます。
本項は、プロダクトやニーズが強く、スペック勝負でアポイントが獲得出来る商材ではなく、問題解決型のサービスを提供している方向けになっています。
まず、コンシェルジュ思考について、私なりの解釈は以下の通りです。
この考え方は、10年以上前の課題解決型のソリューションコンサル営業に従事していた頃から大事にしておりますが、電話でのアプローチにおいても、非常に有効な事で汎用性がある事に気づかされたのは、ここ2年くらいの事です。
ちなみに、良質なアポイント(キャンセル率が低く商談≒案件化への転換率が高い)が獲得出来る人と出来ない人の傾向について、弊社が支援してきた案件では明確に出ております。
それは、
聞く耳&聞く体制が整って、会話を継続いただける合意を得た後じゃないと、①~③を実行するのが難しいですが、コンシェルジュ思考を体現したコミュニケーションが取れれば、仮にアポイントにならずとも、非常に解像度が高い情報を取得可能です。
逆に、良質なアポが獲得出来ない人の傾向は、①の途中で③に進んでしまうケースが圧倒的に多い事が分かっています。
ここからは①と②について、詳しく説明していきます。
①現状把握が正しく&深く出来ているか?
聞く耳&聞く体制が整って、会話を継続いただける合意を得たのに、「現状把握」が上手くいかないケースが多くあります。
主な原因は、現状把握の定義が定まっていない場合や、現状把握という言葉の解釈にズレが出ている時に発生します。
ちなみに弊社では以下に定めています。
では具体的にどうやって把握しにいくのか。
先に「よくあるトーク事例」を挙げます。
私に架かってくる電話を思い出しても、上記の現状把握レベルで商品説明&クロージングに移行してるケースは少なくありません。
ただ、どうでしょう。
これだと「タイミングではない」「資料だけ送って欲しい」等の理由で、終話している事が大半ではないでしょうか。
しかし、以下の様に質問を一つ挟むだけで展開は変わります。
いかがでしょうか。
冒頭に、具体的なテーマを伝え、会話継続の合意をいただいている訳ですから、そのテーマに関する情報を具体的にする為の質問は、許されると思います。
つまり、架電の目的を「ニーズの解消やお困りゴトの解決策として相応しいものを提示する」と据える事で、必然的に正しく現状把握をするための構成が出来てきます(とはいえ、スクリプトにあっても、頭では分かっていても「間がもたなく」なり、クロージングに行ってしまうのはあるあるです)。
②理想の姿やあり方・お困りゴトを把握出来ているか?
現状・理想・お困りゴトをヒアリングしていくうえで、注意点があります。それは、「現状」と「お困りゴト」を混合してしまう事です。
典型的な例としては、上記の<ここがポイント!!!>までの会話を、以下の様に解釈してしまい、クロージングに入ってしまうケースです。
これは、業種業態問わずに起こりえる事例です。
上記解釈で進めてしまうと、ピントがズレた提案になるのは想像に難くない一方で、メチャメチャ起こるケースです。
これを防ぐために、以下の方法が有効なので取り入れる際は、ぜひお試しください。
上記の例では、「20%以上落ちている」「何とかしたい」と現状把握した後に、改善に向けてのボトルネックを聞いた事で、「特に携帯への通電率が落ちている」事実を把握できました。
インサイドセールスに従事されている方は、フィールドセールスの方から、「課題や問題の背景を聞いて欲しい」とフィードバックをもらった経験がある方もいらっしゃると思います。まさにその事です。
ここの精度を上げるには、マネージャーやフィールドセールスの方からの「架電ログ」を基にした、フィードバックがとても効果的です。
ヒアリングの精度の確認なので、むしろ音声無しのテキスト情報だけでフィードバックする方が、ブレずによいです。
フィードバックをもらう方は、話し方や間の取り方の指摘と、ヒアリングの精度を同時に指摘されると、ワケが分からなくなって、改善スピードが著しく落ちますので。
ちなみに通常の架電活動をしていると、こんなに情報を開示してくれるのか懐疑的に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、聞く耳&聞く体制が整って、会話を継続いただける合意が取れれば、関係性が0からのコールでも開示いただけます。
アポイントにならない場合でも情報をいただけているので、相手が必要な時に必要なオファーを出す事が可能になります。
実践に向けて大事な事(特に経営層&マネジメント向け)
本noteは“今日から実践できる"をテーマに書き進めてきました。
現場に落として早速実践させてみよう!と動かれる前に、下記二点を留意いただければと思います。
①「コミュニケーションのあり方」の認識を組織で揃える
「迷惑電話」に対するテクノロジーの進化や、市場からの嫌悪感の高まりは、もはや無視が出来ない状態になっています。迷惑電話認定された時のダメージは、とても大きなモノになっています。
マネジメントの皆さんが、現場に対して「迷惑電話と受け取られないように!」と号令を出しても、評価基準が「架電数」「アポ数」のままだったり、「資料送付は悪」の様な風潮では何も変わりません。
会社員として評価制度の下で動く以上、例え正論であっても、評価されない事は実践しません。私も会社員経験が20年ありますので、SFAに入力しない人の気持ちも、ゴリゴリ架電してしまう人の気持ちも良く分かります。
また、嫌われないコミュニケーション術を実践すると、アポ獲得の割合が「初回コール6対4フォローコール」位に、割合が変わってくる事もあります。
そんな変化を許容する評価軸の例としては、「現状・理想・お困りゴト」を聞けた架電や資料送付を「有効会話」として評価する。
正しいコミュニケーションを取らないと、有効会話が増えませんので、必然的に全体数字の底上げが可能になってきます。
このあたり、いつでもご相談に乗りますので、お気兼ねなくご連絡ください。
②ロープレ&フィードバックをする体制の構築
事前の練習で出来ない事は、本番でも出来ません。
テレアポで相手に嫌われてリストが無くなる前に読むnoteを読んで、お客様を練習台にしようなんて方はいないと思いますが、そんな事をしていたら本当にリストが無くなります。
さて、ロープレを実施する上で最も大事なのは、ロープレのお客様役であり、フィードバックの精度です。
特にフィードバックについては、体系的に教わる事もないため、木を見て森を見ずなフィードバックをしてしまい、成果の改善が進まずお互いに辛い時間を過ごしてしまうのは避けたいものです。
ここら辺もご相談に乗りますので、お気兼ねなくご連絡ください。
最後に:コンシェルジュ型セールスモデル®について
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
一人でも多くのセールスパーソンが「嫌われないコミュニケーション」を習得し、良い仕事が出来てお客様の満足度も上がり、みんなが幸せになれたらと心から思っております。
そんな弊社では、嫌われないコミュニケーション術を軸にした「コンシェルジュ型セールスモデル®」として、お客様との関係構築を主に置いた営業支援&営業代行事業を提供しています。
今回のnoteでは、基本的なマインドセットとコミュニケーション術に比重を置いた内容となっておりますが、「関係構築のための追客術」など、より実践的なTipsも提供しております(複数の営業支援会社のコーラーが約100名集まる某社のコンテストで、常にトップレベルの成績を収めている、弊社アドバイザー巣山氏監修)
下記に該当される方、ご連絡お待ちしています!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
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よろしくお願いします!!